東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦5日目 2009/10/1(木)
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本戦5日目です。
休暇を取ったのは昨日までなので、今日は仕事帰りの観戦です。
今日からセンターコートだけのスケジュールなのですが、そういう日に限って雨が降ってません。
昨日は雨が降ってたから、アザーコートのシングルス3試合とダブルス1試合が無観客試合になってしまいました。
1日ずれてれば、無観客試合が1試合も出ずにすんだのに・・・。
まー、逆方向にずれて大会序盤に降ってたら、悲惨なことになったはずなので、良しとするべきでしょうか。
電車の乗り継ぎがよくて、会場へは30分ちょっとで着きました。
去年と最寄駅が変わって(1駅だけど)、乗り換えが楽になりました。
おかげで、かなりの時短です。
6時20分ごろには会場に入ることが出来ました。
◆8-Victoria AZARENKA (BLR) def. 15-Na LI (CHN) 7-6(7) 4-6 7-6(4)
01
第6試合です。
ロビーでモニタを見ると、1STセット5−1でヴィクトリアのリードでした。
これまでのラウンド同様、やはり強いです。
この時は、間違いなくヴィクトリアがセットを取ると思いました。
まさか、大逆転でリー・ナがセットを取ることになるとは。
この2人は、共に小細工なしで真っ向から打ち合うスタイルです。
ということは、攻撃したショットが入るか入らないかの勝負と言ってもいいでしょう。
つまりは、ウィナーになるかエラーになるか。
どっちに転ぶかで、ゲームを取るか取られるかが決まってくると思います。
1−5から挽回したリー・ナですが、彼女が圧倒してゲームを連取したとは思いません。
ちょっとしたエラーの差という感じでした。
もちろん彼女にもエラーは有りました。
彼女は元々エラーが多いほうだと思います。
気にせず強打していくのが彼女のスタイルでしょう。
そんな彼女ですが、今日は早い段階でのエラーが少なかったです。
それだけ、相手の強打を凌ぐことが出来たということですね。
競ったスコアのなかで、リー・ナが最後のポイントを際どく取ったという印象でした。
そんな流れで、2ブレイクダウンを返して5オールに追いつきました。
次のゲームはお互いにキープしてタイブレイクへ。
このタイブレイクがまた長かった。
チャンスとピンチが交差しながらスコアが進みましたが、7オールからのヴィクトリアのダブルフォルトが響き、リー・ナが逆転でセットを先取しました。
2NDセットは前のセットと逆の展開でした。
序盤からリー・ナがブレイクに成功し、2ブレイクアップの3−0とリード。
これはもう決まりだろうと思われましたが、そこからヴィクトリアが1ブレイクづつ返していき、ついに4オールに追いつきます。
ヴィクトリアは次のサーブをキープして5−4とした後、リー・ナのサーブをブレイクして、大逆転でセットオールとしました。
この展開は人によって評価が別れそう。
ドラマチックな展開と思うか、両者決めきれずにグダグダな展開と取るかで。
このセットの逆転劇は、コーチングが大きく影響したように思います。
それまでのヴィクトリアは、多少ムキになってたようでした。
ショットの威力でポイントしようとして、同じテンポで力んで打ってました。
俺には、そのテンポは、リー・ナの打つタイミングに合わせてしまったように見えました。
これがコーチングの後、明らかに変わりました。
まず、ムキになって強打することが減りました。
それまでは同じコースの打ち合いが結構有りましたが、早めに相手を振ってくようになりました。
と同時に、ちょっと打点を早めたように見えました。
言葉が適切かどうか分かりませんが、流し打ちとでもいうのか。
いや、それは言いすぎか。
その言葉で連想するプレイほど大きくは変わってません。
ゆっくりめの打点から強打を放っていくという、リー・ナのテンポに合わせなくなったということです。
これにより、リー・ナが返球出来ないショットが増えてきました。
それまでは、ヴィクトリアが強打してるにも関わらず、リー・ナの返球率は高かったです。
このセットの後半は、ショットのコースとタイミングの変更により、ヴィクトリアが有利に進めることが出来たということだと思います。
ファイナルセット序盤は、観戦疲れでロビーでちょっと休憩してました。
あの打ち合いを長時間見るのは正直疲れる・・・(笑)
スコアは、このセットも2NDセット同様、リー・ナが先行。
2ブレイクアップの4−1とリードしました。
これ以降の試合の流れは・・・。
1ブレイク返されるが、5−3でリー・ナがリード。
次のヴィクトリアのサーブでリー・ナにマッチポイントが有ったが、逃れてキープでヴィクトリアの4−5。
第10ゲームのリー・ナのサーブがブレイクされて5オール。
・・・そんなスコア展開でした。
そうです、またしてもヴィクトリアが追いつきました。
前の2セットと同様に、2ブレイクダウンから5オールです。
またまたお約束の展開かよ!と思った人は多いはず(笑)
1セットだけならそういう試合も有りますが、ここまで全てのセットがそうなのは非常に珍しいです。
それにしても、ヴィクトリアは土壇場でよくブレイクバックしたと思います。
あのゲームで決まっていてもおかしくない流れでした。
そして、1STセットに続いてタイブレイクへ。
タイブレイクは中盤以降、リー・ナがポイントを連取。
見てる最中、またしても追い付くのか?と思ったりしましたが、そんな奇跡はさすがに何回も続かないようで。
リー・ナがタイブレイクを取って勝利しました。
リー・ナは、ヴィクトリアが主導権を取ったラリーの時は、下がり気味の位置にいました。
これにより、食い込まれてミスすることが減ってました。
後ろにいると、左右に振られるとキツくなるはずです。
しかし、そこは身体にパワーがある彼女です。
何とか身体の軸を保ち、フォロースルーを大きく取って返球し、ニュートラルなラリーに戻してました。
上でも書きましたが、これまで見た彼女の試合は自分から打っていくことが多く、ウィナーかミスかというラリーを数多く見ました。
今日は打ち粘りというか、かなり辛抱強くラリーをしてたように思います。
ただ粘ってるわけではありません。
ヴィクトリアに打ち込まれながらも、それを深く返すことが出来てました。
それと共に、チャンスが有ればダウンザラインに打ち込んでました。
サイドに走らされてるのに、目の覚めるようなショットがかなり有りました。
ショット自体の威力で取ったポイントも多かったですが、基本的にはクロスに打つショットが有効だったから、ダウンザラインが効いたんだと思います。
つまりは、配球と攻守の切り替えが良かったということでしょうね。
今日の彼女からは、明らかな守りのショット、明らかに攻めのショットという違いは、他の選手ほど感じませんでした。
さっきも書いたように、走らされても軸が崩れにくいから、守備的ショットに見えないのだと思います。
彼女は打点が早いほうではありません。
カウンターで合わせていくタイプでもないです。
リー・ナの側から見ると、緩急をあまり使わず、同じようなテンポで強打を打ち込むヴィクトリアのスタイルは、やりやすかったんだと思います。
リー・ナは去年、スヴェタに負けてます。
この時のスヴェタはかなりミスが多かったですが、ウィナーも多かったです。
どんなショットが来るか予想しにくいのか、リー・ナにもミスがかなり多かったです。
その日の調子にもよるでしょうけど、去年に比べると、明らかにやりやすそうに見えました。
ヴィクトリアは元々のプレイスタイルが緩急つけるタイプではないだけに、こういうがっぷり四つの展開で相手に先行されるとキツイ。
この点は相手のリー・ナも同じですが、ヴィクトリアはNo.1を目指すべき位置にいると思うので、こういう時にどうするかは今後の課題でしょうね。
まー、結果的にヴィクトリアが負けたから、そういった感想が出るのでしょう。
どっちが勝ってもおかしくない内容でしたからね、今日の試合は。
彼女が勝ってれば、また別の感想を書いてたはずです。
試合全体の感想としては、コーチングの影響の大きさです。
コーチングが無ければ、リー・ナのストレート勝利だったと思います。
いや、1STセットの時、負けてるリー・ナはコーチを呼んだのでしょうか?
だとしたら、ヴィクトリアが1STセットを取って、そのまま突っ走ったかもしれません。
今大会は長い試合が多いですが、この試合に限らず、コーチングによるものが大きいと感じます。
1試合だけ見れば面白くなる要素が増えるからいいですが、何試合も見る場合は良し悪しだと思いました。
ここまでコーチングが大きく試合を左右するとは思いませんでしたね。
ビビ/アナベル対ヴェラ/エカテリーナなども同じです。
まー、あくまで俺がそう思ってるだけだけどね。
コーチが言ってる内容を把握してるわけじゃなく、コーチングの後のプレイの内容から判断してるだけですから。
際どい勝負を制したリー・ナがSFに進出した試合でした。
◆11-Agnieszka RADWANSKA (POL) def. Magdalena RYBARIKOVA (SVK) 6-3 6-1
02
第6試合、本日の最終試合です。
試合は9時ちょっと前に始まりました。
今日も熱戦が多く、前2日ほどではないにしても、遅めの試合開始でした。
マグダレナ、ここまで勝ってきたのかとちょっとびっくりです。
いきなり話が変わりますが、マグダレナっていうと、どうしてもマギー(マレーバ)を思い出します。
選手のファーストネームを聞いて、こういうことは結構有ったりします。
超有名どころだと「マルチナ」と聞いて、ヒンギス→ナブラチロワとかね。
「エレナ」ぐらい多くなっちゃうと、そういうことも無いけど。
話を戻して・・・。
マグダレナの試合は1回戦を見ましたが、正直ここまで勝ち上がるとは思いませんでした。
今日思ったのは、彼女は他の選手と勝ち方が違うんじゃないだろうか?ということです。
選手紹介の時、今年のバーミンガムで優勝したと紹介されていて、なるほどと思いました。
バーミンガムはウィンブルドンの前哨戦でグラスコートです。
彼女は守りのストロークやカウンターショット的なものは得意ではないと思います。
出来ないわけじゃないかもしれないけど、少なくとも今日はそういうポイントはほとんどありませんでした。
なので、それほどロングラリーになりません。
(時々は我慢してラリーしてる時もありましたが。)
1回戦のレポートでも書きましたが、バックハンドは元々片手だったんでしょうか?
両手バックが何となくぎこちなくて、片手スライスが多いです。
何度も書くのも何だけど、そう言いたくなるぐらい違和感がありました。
もしかして、左手が薄いグリップだったりとか、右手主導の両手バックだったりするんだろうか?
まー、この辺は専門家じゃないので詳しく分かりませんが・・・。
かと思えば、両手バックのジャックナイフで強打したりします。
この辺は不思議です。
スライスが上手くてタッチが良いので、スライスのアプローチからボレーに出ることも多かったです。
というか、両手バックがダメだから、必然的にスライスが上手くなったんでしょうか?
彼女のプレイスタイル面のルーツには興味ありますね。
長身を活かしたサーブはかなり早いです。
でも、いつもいつもスピードサーブではなく、気の無い感じの緩いサーブを打つこともありました。
フォアは打つときは豪快ですが、ミスは多いです。
狙いすぎなのか、単純なミスなのか、よく分からないのが多かったりします。
単にフットワークが悪いだけか?
見れば見るほど不思議なプレイヤーですね。
マグダレナは今大会、ナディア(ペトロワ)、アレクサンドラ(ウォズニアク)に勝ってきてます。
アレクサンドラ戦は無観客試合でしたが、ナディアとの試合は見ようと思えば見れました。
前夜は大江戸温泉泊で、その後に一旦、家に帰ったから見れなかったけど。
その試合は、ナディア相手に6−2、6−2のストレート勝利でした。
これを見てれば、彼女のイメージが相当変わったのかもしれません。
対するAgnieszkaですが、全体的に落ち着いたプレイでした。
時々は強いショットでウィナーを取られますが、それはそれって感じなのでしょう。
彼女が怒りを表すのは、相手にウィナーを取られた時じゃないです。
自分がラリーを支配したのに(つまり組み立てが上手くいった)、最後の最後でミスした時とかですね。
技巧派のプレイヤーに共通した点だと思ってます。
何回か書いてますが、彼女は凡ミスが非常に少ないプレイヤーです。
強打に頼らないスタイルで、相手の反応を見ながら一手先を読んでプレイしている印象もあります。
ボレーに出たりするところは相手のマグダレナと似てますが、プレイ全体の印象はかなり違います。
今日はこれまでの試合と比べたら、精神的にはかなり楽だったと思います。
とりあえず繋げておけば、相手がミスしてくれる確率がかなり高いからです。
自分のミスは少なくして、相手を左右に振って、チャンスが有ればネットに行く。
そんなスタイルでした。
ネットで決める確率は、それほど高くなかったように思います。
相手のスタイルが、フォアは強烈だがミスが多い、バックはスライスが多いという感じだから、積極的にネットに付いたのかもしれません。
今日は彼女にしてはストロークウィナーも結構有りましたかね。
振り回しが上手くいったということでしょう。
2人の印象ばかり書いてましたね。
スコア展開としては、序盤にマグダレナが2−0とリードしますが、それ以降は終始Agnieszkaがリードする展開でした。
マグダレナは2−0以降、3ゲームしか取れませんでした。
ところどころで良いショットは有りましたが、全体的にミスが多く、単発のウィナーになりがちだったという印象です。
逆に言うと、相手を乗せない配球をAgnieszkaがしていたということでしょうね。
1STセットが終わった直後、雨で中断して屋根を閉めました。
遅い時間に中断は痛い・・・。
まー、誰が悪いわけじゃなく仕方ないけど。
セットを先取したAgnieszkaが2NDセットもリードを保ち、ストレートで勝利しました。
後でGAORAの録画を見ましたが、修造君の解説が面白かったです。
テニス解説の仕事が少ないから、テニスのこと話したくて仕方ない、と言ってました。
しゃべり足りないから、試合が早く終わって欲しくないとも。
確かに、テニス自体をメインに話せる仕事は、GAORAの解説しかないでしょうね。
民放のテニス中継は、それ以外の要素ばかりを求められるだろうし。
試合終了は10時ちょい過ぎでした。
AgnieszkaがQFに進出した試合でした。
今日はこんなところです。
明日も仕事帰りしか行けません。
単複SFの4試合だけなので、たぶん間に合わないでしょうね。
とにかくゆっくり休みたいです。
選手でもないのに、毎年物凄く疲れてる・・・。
明日の試合は、仕事終わってから録画したGAORAで楽しみたいと思います。
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