東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦3日目 2009/9/29(火) Vol.2  戻る トップへ


◇vol.1からの続きです。


◆Iveta BENESOVA (CZE) def. Gisela DULKO (ARG) 6-3 3-6 6-4
07
3番コートの第2試合です。
見ようと思った時は入場規制で入れず・・・。
上に書いたダブルスやってた4番コートから眺めた程度しか見てません。
網越しに数枚だけ写真を撮りましたが、どれもブレてたり枠に収まってなかったり・・・
やっぱり網に焦点が合っちゃうだよなー。
載せられそうなのは、ほとんど無いです。
撮った写真の1枚目を見ると、ファイナルセット4オールで既に試合終盤でした。
スコアを見ると、ロングマッチだったようですね。
イヴェタがフルセットの試合を制し、3回戦に進出しました。


◆2-Anabel MEDINA GARRIGUES / Virginia RUANO PASCUAL (ESP/ESP) def. Vera DUSHEVINA / Ekaterina MAKAROVA (RUS/RUS) 3-6 7-5 [10-6]
08
3番コートの第3試合です。
途中で他コートを見に行ったりしましたが、序盤から試合終了までのかなり長い時間を見ました。
試合終了後にGS覇者のビビ/アナベルに1枚の紙にサイン貰おうと思ってたのもあるし、対照的なプレイスタイルで面白い試合でしたからね。
(ビビというのは、ルアノパスカルの愛称です。)
ビビ/アナベルは、ローランギャロス2連覇中です。
クレイコートでは無敵状態ですが、ハードコートではどうなのか、楽しみでした。
ビビはパオラ(スアレス)とのペアの時も、一番強いのはクレイコートでしたが、他コートでもかなり強かったです。
アナベルとの新コンビでは、ローランギャロス以外では、それほど活躍してる印象が無いです。
実際に試合を見ると、やはりハードコートだからなのか、序盤から苦戦続きでした。
相手に鋭いショットを先に打たれて、守勢になることが多いのです。
特にエカテリーナ(マカロワ)のバックハンドが良かったです。
キレと勢いがありました。
あのバックハンドを活かすために、デュースサイドを守ってるんでしょうか。
彼女たちは、ヴェラが右利き、エカテリーナが左利きです。
最近多いですが、さっき書いたように彼女たちも、ヴェラがアドサイド、エカテリーナがデュースサイドです。
つまり、リターンゲームでの雁行陣では、バックハンドでラリーをすることになります。
そのバックハンドで、ビビ/アナベルのストローク、特にビビのフォアスピンを上から叩きまくってました。
1STセットはヴェラ/エカテリーナの強打が活き、後半にゲームを連取した彼女たちが先取しました。

2NDセットも、その流れが続きます。
先にブレイクに成功し、その後も有利なゲームが多かったです。
1STセット同様に、強烈なショットでポイントを先行します。
あれではポーチに出るのは難しいです。
負けてるってことは1ポイントがとても貴重なので、序盤はミス覚悟で出てたポーチも、なかなか出にくくなる展開です。
リスクが有るポーチをしにくいので、ラリーが続くことが多かったです。
これは両ペアともにですね。
後から考えれば、リードしてるヴェラ/エカテリーナは、良いショットが入ればどんどんポーチに行くべきでしたね。
まー、行こうとしてミスしたのが結構有ったから、躊躇したのかもしれませんが。
ビビ/アナベルは、スピードボールにギリギリのタイミングでボレーしたり、威力のあるショットをこれまた守勢の体勢でストロークしたりと、かなりの綱渡りでした。
そんな展開のなか、ブレイクバックに成功します。
相手のミスも有りましたが、ホントによく追い付きましたよ。
あの展開じゃ、勝てるとは思えないですからね、普通は。
それにしても、ビビのボレーテクニックは素晴らしいです。
それと、攻撃された時の、相手の打球への読みも良かったです。
スマッシュをロブで何とか返し続け、ポイントに繋げたのが何本か有りました。
片手バックということもあり、スライスの面感覚が優れてるのもあるんでしょう。
前からやってましたが、彼女のサーブの時、アドサイドではオーストラリアン・フォーメーションを多用してました。
最近流行りの、I(アイ)フォーメーショとは違います。
アナベルが最初から左側(アドサイド側)に立ち、センターからサーブしたビビが右側(デュースサイド)に移動するのです。
Iフォーメーションと間違いそうですが、ペア2人が同じサイドに立つ、これが本来のオーストラリアン・フォーメーションなんですよね?
(あんまり自信なし・・・(笑))
序盤は普通のフォーメーションでやってましたが、途中からは全部、このフォーメーションでした。
ビビは最近の試合ではバックのスピンをほとんど打たないので、バックハンドのラリーを避けるためでしょうね。
アナベルは、昨日のシングルスのレポートにも書きましたが、ピンポイントに返し続ける能力が素晴らしいです。
状況としては、絶対ポーチされたらダメ、しかも相手はハードヒットしてくるブレイクポイントの時などです。
こういう時のストロークミスがほとんど無いのです。
ビビのテクニックと、アナベルの鉄壁のショットコントロールが、このペアが強い要因でしょうね。
それらのテクニックを駆使して、危ないながら何とか逆転してセットオールとしました。

試合は、ファイナルセットのマッチタイブレイクに入ります。
このタイブレイクの前、ビビ/アナベルのコーチが、自らオンコートコーチングの要請をしてたように見えました。
選手からじゃなくても出来るんでしょうか?
コーチを要請した場面をたまたま見てなかっただけかもしれないけど。
何ポイントか見て分かりましたが、コーチはストレートアタックを指示したように思います。
それまであまり使ってなかったのが、急に増えましたからね。
緊迫していて、不用意にダウンザラインに打てなかった、というのも有るとは思いますが。
結果的に、これが大きくものを言いました。
不意にストレートに打たれたヴェラ/エカテリーナはボレーをミス。
序盤からビビ/アナベルがリードしました。
タイブレイクでスタートダッシュに成功すると、その後は強気で行けるはずです。
それに対して、相手には焦りが生まれます。
ヴェラ/エカテリーナは、ますます強打しようとしてエラーが増えてきました。
その後もビビ/アナベルがポイントを重ね、マッチタイブレイクを取って勝利しました。

いやいや、見てるこっちが疲れるぐらい、際どい勝負でしたよ。
ヴェラ/エカテリーナが勝っても全然おかしくない展開でしたからね。
というか、2NDセットで決められたはずです。
そこで、針に糸を通すような僅かなチャンスをものにしたビビ/アナベルが勝利をもぎ取った、ということでしょう。
敗色濃厚な展開から、まさかの大逆転でした。
良いショットを叩き込んで勝つというテニスではなく、負けないテニス、もしくは負けにくいテニスというのを見た気がします。
彼女たちの強さの一端を見たような試合でした。
第2シードのビビ/アナベルがQFに進出です。


◇練習 Jelena JANKOVIC 09

8番コートです。
ちょっとしか見てませんが、その時はリターンの練習をしてました。


◇練習 森田あゆみ 10

10番コートです。
サーブからのポイント練習をしてました。
相手は丸山淳一コーチだったかな?、確か。


◆Aleksandra WOZNIAK (CAN) def. Caroline WOZNIACKI (DEN) 5-0 Ret'd
11
センターコートの第4試合です。
珍しく試合開始前から客席に座ってたので、最後まで間近で見ることが出来ました。
この2人、ファミリーネームが似てます。
あまりにも有名過ぎて、今更言うかって気もしますが・・・(笑)
名前が似てるってことも有って仲が良く、ダブルス組んだこともあると聞いたことがあったような?
姉妹とか国が同じとか、そういった共通点があるわけではなく、単に名前が似てるだけなんだけど、何故かわくわく感がある対戦です。
綴りの初めのほうが一緒だから、余計似てるように聞こえるんですよね。
語尾だけ同じだとしたら、響き的にそれほど似てると感じないように思います。
そういえば、テレビ中継された試合を見たような気がします。
調べたら、今年のイーストボーンのSFがGAORAで放送されてました。
(この時は、3-6 6-4 6-4のフルセットでキャロラインの勝利。)
これを含め、これまではキャロラインの4勝0敗とのこと。
選手のファミリーネームって話で考えると、これだけ世界中から多くの選手が集まってるに関わらず、同じ姓(または似た姓)が少ないと思います。
(中国や台湾など、アルファベット表記すると同じような姓がかなり多い一部の地域を除く。)
逆に言うと、文化が異なる(=姓も異なる)世界各国から少数精鋭しかツアーレベルに参戦できないから、同じ姓が少ないのかな。
俺の経験から言うと、今まで学校のクラス40人の全員が違う名字だったことなんて、記憶にないです。
40人集まれば、1人2人、いやもっと多い確率で同じ姓の人がいます。(関東地方だけ?)
まー、これは日本だけの話だから、世界レベルだと違ってくるとは思うけど、そういった過去の自分の経験が有るから、同じ姓が少ないと感じるんでしょうね。
同じファーストネームの選手は結構多いんですけどね。
綴りは違うことも有るけど、エレナとかね。

前置きが長くなりました。
序盤から凄い打ち合いでした。
1週間前なら、この対戦は強打より配球の勝負かなと思ったはずですが、昨日のアレクサンドラの試合を見た後では、どんな内容になるか分かりませんでした。
キャロラインは、スピンボールを上手く使いながら、フットワークを駆使して何でも返球してしまうイメージが強いです。
でも、今日は低い軌道のショットで強打してました。
アレクサンドラもフラット系のショットが多いので、低い弾道のスピードボールのラリーが続きました。
しかし、そんなラリーは最初の1・2ゲームだけでした。
競った序盤のゲームを取ったアレクサンドラが、その後のゲームも連取します。
アレクサンドラのショットが速い上に深いんですよ。
ウィナーに近いショットとキャロラインのミスを引き出して、アレクサンドラが5−0と圧倒的にリード。
強打をさばくのが上手いキャロラインが、こんなにリードされるとは驚きました。
去年のAIGでは、カイア(カネピ)の物凄い強打をさばききって優勝した試合を見てます。
その印象が強いので、このままでは終わるはずないと思ってました。
0−5の後、キャロラインはトレーナーを呼びました。
問診の後で、血圧を計り始めたのを見てびっくり。
テニスの試合でああいう光景は初めて見ましたよ。
使う機会は少なそうですが、トレーナーも念のため持ち歩いてるんですね。
その後、ネットの方向に向かって歩き始めたので、もしかしてリタイアか?と思いましたが、どうやら続けるようです。
彼女のサービスゲームで試合は再開しましたが、2ポイント取られて0−30。
そこでリタイアとなりました。
帰り際、CS席の何人かから、来年期待してるぞ!などの声掛けがあり、弱々しいながら笑顔を返してました。
国によってはブーイングとかも有るだろうから(滅多にないけど・・・)、嬉しいでしょうね、ああいうのは。
アレクサンドラが対キャロライン戦で初勝利をあげると共に、3回戦に進出しました。


◆Gisela DULKO / Nadia PETROVA (ARG/RUS) def. WC-Yung-Jan CHAN / クルム伊達公子 (TPE/JPN) 7-5 3-6 [10-7]
12
最初は1番コートの第3試合として行なわれましたが、途中で降雨中断が有り、センターコートで続きが行なわれました。
この日は3番コート第2試合でジセラのシングルスが有りました。
これがフルセットの長い試合だったため、かなり遅くなってから試合が開始されたようです。
試合の初めを見てないので分かりませんが、4時半とか5時ぐらいからだったかもしれません。
ジセラがまだシングルスやってる頃から(3時ぐらいだったかな?)、1番コート付近には、係員に状況を尋ねるオバ様たちが大勢いました。
お目当てはやはり、伊達ック出場のダブルスのようです。
相手選手の試合の進行次第と言ってるのに、よく分からない人もたくさんいたようで。
相手のジセラが試合中なんだから、係員だって何時始まりか分かるわけないのにね。
対戦相手が何してようと全く気にならないみたいです。
シングルスが終わったとしても、すぐダブルスの試合を出来るわけないのに・・・。
たぶん、自分でテニスしない人たちですよね、こういうこと言うのは。
まー、こういうライトなファンが大勢いないと、興行としてはダメだと思うんで仕方ないけど。

この出来事の後、かなり経ってから1番コートに向かうと、やはり入場規制中でした。
2番もほぼ一杯で、僅かに空席が有る状態です。
仕方ないので、2番コートのコートエンド側のかなり遠い席に座りました。
見たのは、確か、2NDセット序盤の数ゲームだったと思います。
伊達ックは今日も全てサーブ&ボレーをしてました。
ナディア&ジセラの強力リターンで大丈夫か?と思いましたが、意外なほどポイント取れてました。
でも、いつもと違うペアだからなのか、何となくやりにくそうに見えました。
ペアのYung-Janもそんな感じに見えました。
だから何となくチグハグ感というか、あまりしっくりきてないような感じでしたね。
まー、実際は違うかもしれないですが、そう見えたってことで・・・(笑)
過去に、里華ちゃんとの2人ともサーブ&ボレーをするペアを何回か見てるから、そう感じたのかもしれません。
見た席があまりに見にくい位置だったし、遠すぎてスコアもよく見えません。
数ゲームだけ見て他へ移動したので、その後は見てません。

試合は、セットオール後に雨により中断となったようでした。
この時はセンターコートでアレクサンドラ対キャロラインを見てました。
キャロラインのリタイアで試合が終わった後、このダブルスの続きがセンターコートで行なわれるとアナウンスがありました。
中断してからそんなに時間が経ってないようだし、次のシングルスはそんなに早く始まれないだろうから、良い判断だったと思います。
センターコートでの試合再開は、マッチタイブレイクの1オールからだったかな?
と思ってたんだけど、GAORAの録画を見たら、2NDセット終了直後に中断したようで。
マッチタイブレイクの1ポイント目から試合再開でした。
他の試合と勘違いしてるな、きっと・・・。
このタイブレイクはナディア/ジセラが先行し、伊達ック/Yung-Janが追いつく展開でした。
伊達ック/Yung-Janから見たスコア展開としては・・・。
4−2とリードされたけど、追いついて5オールに。
ミニブレイクに成功して、自分達のサーブで6−5。
しかし2ポイント連続でミニブレイクされて6−7で、1ミニブレイクダウン。
ナディア/ジセラのサーブはキープとブレイクで7−8。
最後は2本連続でミニブレイクされて7−10。
そんなスコア展開で、ナディア/ジセラがマッチタイブレイクを10−7で取って勝利しました。
内容的にはどちらが勝ってもおかしくない展開で、僅かなネットやアウトが勝敗を分けたという印象です。
普通のタイブレイクよりは長いマッチタイブレイクと言えども、タイブレイクだけだとあっという間でした。
ダブルスだから余計早かったです。
入退場を入れても15分ぐらいで終わってしまいました。
でも、センターコートの客は伊達ックが見れて良かったんじゃないでしょうか。
ジセラ/ナディアがQFに進出した試合でした。


◇vol.3へ続きます。


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