HPオープン
HP Japan Women's Open
本戦6日目 2009/10/17(土) Vol.1
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本戦6日目です。
朝起きた時は晴れてたのに、朝食とった後に外を見てびっくり。
どしゃぶりに近い雨が降ってました。
前々から今日は天気予報が悪かったのですが、朝の天気を見て大丈夫だと思ったのに・・・。
うつぼはインドアコートがありません。
試合開始はまだまだ先だろうなーという空模様でしたが、あまりの激しい土砂降りに、これなら止むのも早いかも?と考えてました。
ホテルでしばらく休憩してたら、それほど時間を置かずに雨が止みました。
WTAツアーはライブスコアがあるのが嬉しい。
ホテルから会場が近いので、時々スコアを確認しながら、試合が始まったら行こうと思ってました。
しばらくしてライブスコアを見ると、2−0でフラニーのリード。
準備をしながら会場に向かいました。
◆4-Francesca SCHIAVONE (ITA) def. Sania MIRZA (IND) 6-2 6-1
01
第1試合です。
センターコートの出入り口からスコアを見ると、第2セットの1オールでした。
席に座って見たのは、フラニーが第3ゲームのサーブをキープして、2−1としたところからです。
その後は、フラニーが5ゲームを連取。
6−1でセットを取って、ストレートセットで勝利しました。
俺が見てる時は1ゲームも取れなかったサニアですが、一方的な内容だったわけじゃありません。
サニアにも観客が思わず声が出る凄いショットが有りました。
だけど単発になっていて、それ以上にエラーが多かったです。
自分から打ってのミスも有りましたが、どちらかというと、フラニーにミスさせられたポイントが多かったように思います。
攻撃された時のフラニーは、コートを走り回って何とか返球してきます。
いつもフットワークが良い彼女ですが、今日は打たれる場所の予測も良かったようで、更に速く感じました。
サニアがクリーンウィナーを打ったとき以外は、ほとんど返球してた印象さえあります。
バックハンドのスライスも効果的でした。
あまりバウンドせずに滑るようなスライスに対し、サニアは苦労してましたね。
確か2ブレイクダウンになったポイントは、浅めに入ったフラニーのバックハンドスライスをサニアが両手バックでアプローチして、それがアウトになったかパスで抜かれたんだったはず。
凌ぎのスライスに加え、、フラニーはトップスピンで左右に振ってきます。
弾んで逃げるボールで外に追い出されるので、サニアはリスクの高い一か八かのショットを打ってるように見えました。
打ち込むのが彼女のスタイルというのもありますが、1本できっちり決めないと、スライスやスピンで逃げられてしまうからでしょうね。
逃げられるだけならまだ良いですが、逆にオープンコートにスライスで沈められたりしたポイントも有りました。
サニアはコート外から打ち込んでるので、自陣にオープンコートがたくさんある状態ですからね。
連続して強打を打たなければポイントが取れないサニアは、非常に苦しい展開でした。
上でも書いたように、彼女独特のテイクバックの途中でヒットするような強打で、目の覚めるようなストロークウィナーを取ることは有りました。
しかし、それを連続して打つことは難しい。
そんな展開のラリーが多かったです。
フットワークの違いも大きかったかもしれません。
全体的には、サニアの攻撃を凌いでエラーを誘うような組み立てをフラニーがした、ということですね。
フラニーが3ゲームしか許さず、決勝に進出しました。
◇練習 Julie COIN, Mathilde JOHANSSON 02
3番コートでは、ダブルスに出場するフランスペアが練習してました。
周りのコートは練習するジュニアたちで一杯でした。
HPオープン出場の選手は、この時は彼女達だけだったかな。
見た時は、サーブ対リターンをやってました。
◆3-Samantha STOSUR (AUS) def. 1-Caroline WOZNIACKI (DEN) 6-0 4-6 6-4
03
第2試合です。
この試合は、3日間見てきた今大会の試合のなかで、1・2を争う熱戦でした。
序盤は例によってアザーコートを見に行ってました。
戻ると、2−0とサマンサがリード。
次のキャロラインのサーブもすぐにブレイクして、サマンサが3−0とリード。
そのままサマンサがゲームを取り続け、6−0のベーグルでセットを奪いました。
時間はたったの19分です。
1セット20分かからないのは、全盛期のシュテフィ(グラフ)を思い出します。
30分台で試合終了(2セット)とかザラでしたからね。
サマンサは2NDセットの最初のキャロラインのサーブもブレイクし、6−0、2−0とリード。
1STセットから8ゲーム連取です。
これは速攻で試合終了か、と思わせる内容でした。
この間、キャロラインはほとんど何も出来なかったです。
ここまで一方的な展開の試合を見ることはなかなか有りません。
内容的には、まずはサマンサの1STサーブが凄い。
高速サーブなのに、かなりの高確率で入ってました。
2NDサーブも、これまた厄介です。
鋭くキックするサーブを打って、リターンを甘くさせてました。
ストローク戦になっても、普段はエラーが多い彼女らしからず、ミスが非常に少なかったです。
回転量が多くて鋭いスピンボールを左右に散らしてました。
スウィングスピードが速いから出来るんですよね、これって。
昨日と一昨日の試合でも思いましたが、男子選手のように、鋭く小さめなスウィングだから出来るんだと思います。
多くの女子選手のように、大きめのスウィングだと、あそこまで鋭くラケットを振れないと思うんで。
サマンサが打つ遠くて高いボールに対し、キャロラインは身体が浮き気味になることが多かったです。
甘い返球になって、サマンサは更にオープンコートにそういうボールを打つ、という流れになってました。
キャロラインのサーブに対しても、サマンサはストローク戦と同じようなリターンを打ってました。
つまり、サーブが甘かったということでしょうね。
その結果、サーバーのメリットがほとんどないようなサービスゲームになってしまってました。
サーブ、ストローク、リターンと言えば、女子のシングルスだと、ほとんど試合の全てと言ってもいいでしょう。
(他にはボレーやスマッシュしかないし、強いてあげればストロークの一種としてアプローチとかあるけど。)
つまり、試合で起こるほとんど全てケースで、サマンサが有利な展開だったということです。
しかも、圧倒的に。
キャロラインが自力で取ったポイントは無いに等しいほどでした。
2NDセットの第3ゲームで、キャロラインが初のキープに成功しました。
そして2−3と1ブレイクダウンだった第6ゲームで、今日初のブレイクに成功。
ブレイク差なしに戻しました。
この辺りでは、まだまだようやくキープした感じで、ブレイクバックしたゲームも苦労した末という印象でした。
しかし、徐々に内容が変わってきました。
まず、キャロラインのサーブが早くなったように思いました。
それまでは高めの弾道の2NDサーブみたいなサーブが多かったですが、かなり早いサーブを打ち始めました。
リターン率もかなり上がったきました。
相手のサーブに対して目と身体が追いついてなかったのが、アジャストしてきたという感じです。
それまでが嘘のように、サマンサの高速サーブに対して深いリターンが出来てきました。
特に2NDセット5−4からブレイクしたゲームでは、ほとんどがオンライン気味の深いリターンでした。
深いリターンでエラーをさせて直接的に取ったポイントや、主導権を取ったラリーを展開して取ったポイントなどで、このゲームをブレイク。
5−4からのブレイクなので、即セットです。
序盤の展開から考えると、まさかの内容で1セットオールになりました。
ファイナルセットはキープが続きます。
お互いに若干ピンチのゲームは有ったと思いますが、結果的にキープに繋げて拮抗した展開でした。
4オールのあと、試合が動きました。
キャロラインのサーブが15−40になり、サマンサがこのセットで初のブレイクに成功。
1・2セットの印象が強くて詳しくは覚えてませんが、このゲームはサマンサのオンライン気味のボールやコードボール(違うかも?)など、ツキがサマンサに味方したゲームだったような気がします。
全然違う可能性もあるけど、なんか通常と違うような印象のゲームだったと記憶してます。
次の第10ゲームは、40−15としたサマンサがサービスゲームをキープ。
6−4でセットを取り、ロングマッチを制しました。
スコアボードの試合時間を見ると、1時間44分の試合でした。
最初のセットが19分なので、後の2セットで1時間半です。(1セット平均90分)
かかった時間を見ても、第2〜第3セットは非常に拮抗した展開だったというのが分かります。
今までのサマンサはエラーが多いイメージでしたが、今大会の彼女には、その印象がほとんどないです。
トップ10プレイヤーのキャロラインが相手でも、それは変わりませんでした。
今大会は東欧勢など強打の上位選手と対戦した試合を見てないので、まだまだ分からないところも有りますが、このテニスをしていけば取りこぼしはかなり減るはずです。
圧倒的に不利な状況から、あそこまで展開を変えたキャロラインも、さすがトップ10プレイヤーというところを見せてくれました。
逆に言うと、初めの1セットはいったいなんだったんでしょうか?
ウォーミングアップ不足?
まー、サマンサのプレイスタイルは女子よりも男子に近いから、男子プレイヤーと試合してるようなもんでしょう。
慣れるまでに時間が掛かったのかもしれません。
試合全体で言うと、ドラマチックな展開ということも含めて、昨日のキャロライン対アレクサンドラの試合を超えた面白さだったように思います。
サマンサがトップシードのキャロラインを破って決勝に進出しました。
◇vol.2へ続きます。
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