ニッケ全日本テニス選手権 84th
NIKKE All Japan Tennis Championships 84th
本戦8日目 2009/11/14(土) Vol.1  戻る トップへ


今年も全日本選手権を見に行ってきました。
秋の3連戦(東レ、楽天、HP)で燃え尽きた感があって、正直なところ、直前まで行こうかどうか迷ってました。
「燃え尽きた」って、選手でもないのにね・・・(笑)
あの3週間は、充実感やら達成感(何の?)やらで、あっという間に過ぎました。
あの興奮を味わってしまうと、ATPやWTAなどの世界レベルの大会以外は見る気がなくなります。
たぶん、もっと時間が経って落ち着いてくれば、気持ちが変わってくるんでしょうけど。
今日、行くことにした決め手は、これまでそれぞれ別の場所で試合を見た、伊達ックと植木君の興味深いミックスの決勝進出です。
植木君を全く見たことなければ、そう思わなかったかもしれません。
大学テニスで何回も見た植木君と、TOP10に入る前から試合を見てた伊達ックのミックスには、興味津々でした。
会場に着いたのは3時ぐらいでした。
全4試合中、女子シングルス決勝と男子シングルスSFの1試合目は終わってました。
試合内容にもよりますが、ツアーじゃない試合の長時間観戦は我慢出来なかったかもしれないので、これはこれで後悔はありません。
午前中ちょっと雨が降ってたこともあり、コロシアムの屋根は閉まってました。
午後は止んでたので、途中で屋根が開くことも考えて、一応、防寒用に上着とカイロを持っていきました。
最後までインドアだったから、結局必要なかったけど。
センターコートでは、添田君と三橋君が試合前の練習を始めたところでした。


◆1-添田豪 def. 7-三橋淳 5-7 7-5 6-2
01
本日の第3試合です。
冒頭で書いたように、会場に着いたと同時に前の試合が終わったらしく、試合前のウォームアップから見ることができました。
序盤は、三橋君が1ブレイクアップの3−0とリード。
勢いのあるショットを打ち込んで、各ゲームでポイントを先行しました。
しかし3オールに追い付かれます。
この段階で、もう添田君のペースかな、と思ってました。
試合序盤でそう思うのは早過ぎですが、三橋君はもう全ての武器を相手に見せてしまった、とその時は感じたので。
(後ろのカップルがそういう話をしていて、そう言われればそうだな、と思ったのがホントのところですが。)
そう思ったのもつかの間、セット中盤以降、三橋君の攻撃力が更にアップしてきました。
両者にチャンスが有るゲームが多かったですが(つまり相手のサーバー側はピンチ)、第11ゲームまでキープが続きます。
セット中盤以降にブレイクが無かったのは、お互いにリードされた時に良いサーブが入ってたからです。
これは競ったセットとなった1・2セットを通じてです。
特に1STセット終盤には、両者ともに0−40からキープに成功しました。
(だったはず。)
第12ゲームで、三橋君はリターンから強打してきました。
その前の第10ゲームでもそうだったはずです。
添田君の1STサーブの確率がそれほどよくなかったのもありますが、相手の心理を突いた作戦だと思いました。
4−5や5−6のサービスゲームの時、急に相手が攻撃的になるのは嫌だと思うからです。
いや、それ以前も十分攻撃的でしたが、もう捨て身とも思えるぐらい全身を使った凄い強打でした。
その勢いのまま、添田君のサーブをブレイクすることに成功し、三橋君が7−5でセットを先取しました。
三橋君の2NDサーブへのアタックは凄すぎます。
いや、甘いボールがあれば1STサーブでもかなり大胆に打ち込んでましたね。
リターンダッシュするぐらい前に入って打ちこんでるのです。
ボールが早い上に、打点も早いのです。
このセットじゃなかったかもしれないけど、サーバーの添田君がリターンされたボールをダイレクトで打ったことが有りました。
念のためですが、サーブ&ボレーをしたわけではありません。
まー、1バウンドさせずに打つって意味では、ボレーと言えるのかもしれませんが。
足元にスピードボールが来て、後ろに下がる時間がなかったんだと思います。
いくらリターンが凄いと言っても、添田君はサーブが弱いってわけじゃないし、普通はそういうことにはなりません。
それほど早いタイミングで早いボールが返ってきたということですね。
もともとサーブの直後は、他のショットに比べて対応が遅れると思います。
色んなショットの中で一番モーションが大きいのはサーブだし、腹筋・背筋・肩・足と全身を使った上にジャンプして着地してと、上下と前後の動きが大きいですからね。
そうやってサービスを打った直後に、スマッシュのような勢いのリターンが足元めがけて飛んで来るんだから堪りません。
サーブ打った時だけに限らず、添田君はストローク戦でもかなり攻撃されてました。
でも、よく返してましたよ。
他の日本人選手なら、あそこまで返球出来ないと思います。

2NDセットも拮抗した展開でした。
第1ゲームを添田君がブレイク。
すぐに三橋君もブレイクバックに成功。
第5ゲームで、また添田君がブレイクして3−2と先行。
しばらくキープが続くが、第8ゲームで三橋がブレイクして4オール。
中盤まではそんな流れでした。
三橋君は常に追いかける展開でしたが、さっきも書いたように、ここをブレイクしたい(つまり追い付きたい)と言う時のリターンゲームは凄かったです。
添田君の1STサーブの確率が悪かったのも大きいですが、プレッシャーをかけまくってました。
リターンから強打されるから、添田君の1STサーブの確率が悪くなったのかもしれないですね。
この時点では、三橋君が勝つかもしれないと思ってました。
試合序盤と同様に、またしても早合点だったわけですが・・・。
そう思わせるぐらい三橋君の勢いが良かったです。
しかし、5オールからのサービスゲームを落としました。
確か、最後はスマッシュをミスしたんじゃなかったっけ?
30−40とかで、ポイントすればデュースに追い付く場面だったはずです。
ブレイクの直後、6−5から添田君がキープして、7−5でセットを取り返しました。

ファイナルセット序盤はちょっと席を離れました。
熱い試合で、見てるこっちもかなり疲れました・・・(笑)
休憩後にセンターコートの出入り口からスコアを見ると、添田君が2−0でリードしてました。
次のゲームは三橋君がキープして、添田君の1ブレイクアップの2−1となりました。
ここで三橋君はメディカルタイムアウトを取りました。
腰と右足をマッサージしてもらってたようでした。
リードされた三橋君でしたが、次のゲームをブレイクバックして、またしても追い付きます。
これで2オールです。
しかし、その後はゲームが取れませんでした。
それまで入っていたショットが、僅かに外れることが多くなりました。
いくら若いとは言え、あの全身をフルに使ったショットを連続すれば、身体にかかる負担は相当なものでしょう。
自分では気づかなくても、疲労は当然あるはず。
そういう意味では、2NDセットで決めたかったでしょうね。
三橋君の話ばかりになってますが、添田君はよくやったと思います。
2NDセット序盤(だったような?)には、彼には珍しくラケットを叩きつける場面が有りました。
常に相手に攻撃される展開で、ストレスが相当溜まってたんでしょう。
ラケット叩きつけは有ったものの、試合全体としては、よく耐えたと思います。
相手が絶好調で何をしてもダメな時は、自分の凡ミスを極力減らし、ラリーを長くして、とにかく時間を伸ばす必要があるのでしょうね。
自分も絶好調なら別ですが、そうではないなら、相手の調子が落ちるまで待つしかないと思います。
長時間の集中やゾーン状態のような好調は、そんなに長い時間は続かないと思うので。
今日の添田君は、まさしくそういったプレイでした。
こういうことは、きっとツアーでは度々あるのだと思います。
そうやって不調の時に我慢出来た選手だけが、次のラウンドで好調をアピールするチャンスを手にすることが出来る、ということなんでしょうね。
終盤に4ゲームを連取した添田君が6−2でセットを取り、競った試合を制して決勝に進出しました。

今日は自由席で見ました。
遅く行ったからか、クラブJTAでも自由席チケットしか貰えなかったし、楽天オープンで配ってたチケットも自由席でしたからね。
青いゾーンの自由席の一番前に陣取りました。
東レ、楽天、HPとコートサイドの近い位置で見たせいか、最初は何か違和感がありました。
なんと言うか、試合に入り込めないというか。
一瞬、来なければ良かったと思った・・・。
間近で見ればダイレクトに凄さが伝わるけど、遠くで見ると、その迫力が半減以下になります。
でも、人によっては、そうではないのかもしれません。
引いた視点から見るのが好きな人、つまり、どのコースに打つか等の戦略的なことや、試合の駆け引きなどを見たい場合は、全然それで構わないでしょう。
選手の表情や気持ち、精神面のアップダウンなど、人間そのものを楽しみたい俺みたいな人にとっては、遠い位置はキツイです。
余談になりますが、そんな性分だからか、テレビゲームとかほとんどやりません。
(昔、昼休みの暇つぶしにソリティアとかは、やってたことあるけど・・・笑)
極論を言えば、もしロボット同士が300Kmのサーブと200Kmのストロークで凄い試合をしても、最初の数ポイントで飽きるでしょうね。
(異論は有れど、人間の試合で言えばサンプラスvsアガシを想定・・・。)
・・・話を戻します。
最初はちょっと退屈気味でしたが、三橋君の攻撃力と躍動感ある動きで、次第に試合に引き込まれました。
相手が添田君じゃなければ、三橋君がストレートで勝ってたと思えるほど凄い内容でした。
添田君は翌日の決勝で勝利し、優勝を飾りました。
なかなか全日本で勝てなかった添田君ですが、これで堂々の2連覇です。
ランキングも、一時期より若干下げましたが、100位台に定着してきました。
チャレンジャーを主戦場にしながらも、ツアー予選にも挑戦出来るランクだと思います。
(もうちょっと上がると、どっちつかずになる難しいランキングでもありますが・・・。)
今後の1ヶ月は、去年の慶應CH(準優勝)や豊田CH(優勝)で獲得したはポイントを守る立場です。
今年は勝てなかった時期がちょっと有りましたが、現在は復調してきたようなので、頑張ってもらいたいです。


◇vol.2へ続きます。


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