東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦5日目 2008/9/20(土) Vol.1  戻る トップへ


本戦5日目です。
予選も含めると、大会が始まってから8日目です。
残りあと2日となりました。
早かったような、そうでもないような?
今日は前の2日間とは一転して、朝から台風一過の良い天気です。
それにしても昨日の雨は凄かった。
コロシアム内で観戦中に外の雨音が聞こえるほどだったし、試合終わってからのタクシーの乗り降り時は傘さしてもびっしょりになってしまいました。
昨晩はとりあえず秋葉原のカプセルに泊まりました。
昔、仕事が忙しくて帰れない時に何回か使ったところで、すごく久々でした。
10年ぶりぐらい?
今はそこまで切羽詰ったことは無いですが、当時は毎日午前様なんてことはザラにありました。
まー、いつもいつもそんな生活ではなくて、そこまで忙しいのは極々たまにですけどね。
関係ない話はさておき・・・。
今日までの観戦疲れと、一旦帰宅したのも有って、会場へは2時ごろ着きました。
(試合開始は1時。)
久々の青空で屋根が開き、直射日光が燦々と降り注いでました。
これは暑くなるなーと思いながら、コロシアムに入りました。


◆5-Svetlana KUZNETSOVA (RUS) def. Q-Katarina SREBOTNIK (SLO) 7-6(5) 6-2
01
第一試合です。
この対戦はどうなるか読めませんでした。
昨日の試合では、共に序盤は相手が有利な展開ながら、逆転して勝利してます。
2人とも非常に集中してプレイしていたと感じました。
特にカタリナの絶好調ぶりが凄かった。
あのテニスなら、誰に勝ってもおかしくないと思いました。

コロシアムに入ると、スヴェタが1STセットのタイブレイクを取ったところでした。
試合後のインタビューを聞くと、このタイブレイクはカタリナが4−0とリードしたとのこと。
そこから大逆転でスヴェタがセットを取ったんですね。
見てないから分かりませんが、昨日のJJに勝った試合と同じような展開だったのかな。
昨日もリードされる場面が多かったですが、決して諦めず、自分のプレイに徹してました。

2NDセットは、カタリナのミスが多かったです。
というよりも、不調というほどではないけど、2人とも昨日ほどの好調さは感じませんでした。
インドアだった昨日は、ショットの音が大きく響くし、余計な雑音が少なくて集中しやすい環境でしたからね。
アウトドアで開放的な今日は、昨日に比べて、観客も選手も試合に集中しにくい環境というのはよく分かります。
ここまで2人ともかなりのハードスケジュールというのも有ったでしょうね。
スヴェタは先週のフェドから休みなしだし、カタリナは予選から7試合目ですから。
特にゾーン状態とも言えるほど好調だったカタリナは、2日続けてその調子を維持するのは難しかったのかもしれません。
カタリナの、ここは踏ん張らないといけないというポイントでの失点が響き、スヴェタがゲームをリード。
そのままスヴェタが6−2でセットを取り、勝利を決めました。

カタリナが昨日の調子だったらどうだったんだろう?
勝負に「たられば」は無いですが、見てみたかったです。
ストロークマシンと言ってもいいぐらい強力なショットを持つデメちゃんに対し、彼女が不調ではないにも関わらず、打ち破りましたからね。
今日は負けましたが、この1週間、カタリナの目指すテニスを存分に見せてくれました。
ビッグサーブ&ビッグフォア、そしてネットプレイと、プレイスタイル的には男子のテニスに近く、ここ最近の女子テニスでは珍しいスタイルです。
彼女がTOP10に入ってくるようになると、GSでもかなりバラエティに富んだ試合が見れそうです。
スヴェタはUSオープンに優勝した頃に比べると、コントロール系のショットが増え、何が何でも強打というテニスではなくなってます。
ちょっと前にインタビューか何かで、そのことに気付いたと話してたのを見ました。
スペインのクレイコート育ちでテクニックは元々持っている上、アランチャやマルチナとのダブルスの経験も有ってか小技も上手いです。
層が厚いロシア女子の中でも、スヴェタのテニスは異色の存在ですよね。
何でも出来るという点では1番でしょうね。
明日の決勝はどうなるでしょうか。
ディナラが来てもナディアが来ても、速攻型の彼女達に比べればスヴェタが受け身になるように思いますが、どうやってその猛攻をさばくのか、楽しみです。


◆4-Dinara SAFINA (RUS) def. Nadia PETROVA (RUS) 6-1 6-0
02
この対戦も読めませんでした。
今日だけ観戦に来たのであれば、現在の調子(GS大会等での)やシード的にディナラ優勢と思う人が多いでしょう。
でも、初戦から全ての試合を見ていると、今大会の2人のテニスの内容や調子が分かります。
試合中盤以降に苦労することが多かったディナラに対し、ミスが多少有りながらも早いコート向けのテニスで圧勝してきたナディア。
そういう2人の対戦です。
勝敗もさることながら、いったいどういう内容になるのか。
試合が始まるまで予想出来ませんでした。

ディナラが絶好調のスタートでした。
ナディアにテニスをする間を与えない猛攻でゲームを連取していきます。
ディナラはスタートダッシュというか、試合の初めからいきなりピークでスタート出来るのです。
これは、昨日までの試合と同じです。
しかしこれまでは、次第に相手も調子を上げ、ディナラのミスも手伝って接戦になりました。
今日もそうなるかなーと思ってたんですが、最後までその気配はほとんど有りませんでしたね。
確かに若干ミスが多かったゲームは有りましたが、それを補うに余りあるショットで、結局はゲームをGET。
試合中盤以降、ナディアに全くゲームを取らせず、2NDセットはベーグル勝利でした。

うーん、ナディアが特別悪かったとは思わないんですけどね。
確かに1STサーブの確率はあまりよくありませんでしたが、ディナラの好調さがそうさせたとも言えるでしょう。
ナディアが完璧なウィナーを取らない限り、ラリーをしていると最終的にディナラに決められてしまうんですよ。
遊び球(繋ぎ球か?)が全く通じないのです。
振り回し合いになると、ほとんどディナラがウィナーを取ってました。
逆にセンターに集めたほうが角度を付けられなくていいほどです。
この辺は、マーシャやリンジーに似てますね。
彼女達もどこからでもウィナーを取れるイメージがありますから。
天才的な印象の彼女達に比べ、ディナラは基本に忠実という印象を受けました。
膝を深く曲げて相手の打球にパワー負けしない状態を作り、早いタイミングでフラット気味に切り返すのです。
今日は、この切り返しが次々と決まってました。
基本に忠実と書きましたが、これは誰でも簡単に出来ることではないはずです。
まず、予測を早くする必要があります。
そして、相手のショットに打ち負けない身体を作る必要もあると思います。
あのテニスは身体に相当な負担がかかるはずです。
相手のパワーをモロに受けるし、長時間、重心を低く保つのは並大抵のトレーニングでは出来ないでしょう。
早いタイミングでの切り返しは、ストロークだけじゃなくリターンでも同じです。
リターンがナディアの1STサーブと同じぐらいのスピードなのです。
いや、1STより早いリターンも有ったかも。
2NDサーブに対しては狙い撃ち状態で、1STサーブでようやく互角といった感じでした。
これでは勝負になりません。
ディナラの調子が落ちるか、ナディアが更に攻撃力を上げるしか方法がありません。
そのどちらも起こらなかった今日は、ディナラの圧勝でした。

正直な話、今年のクレーシーズンで彼女が活躍した映像はほとんど見てません。
(WOWOWのローランギャロス中継はまだハードディスクの中・・・。)
彼女のテニスをまじまじと見るのは今大会が初めてですが、クレーよりは早いコートを得意とするプレイスタイルに見えました。
クレーではどんなテニスをしてたのか、今となっては逆に興味が沸いてきます。
かと言って、録画をじっくり見る時間も余裕も無いのですが・・・。

さて、明日の決勝ですが、今日のテニスを見せられると、この速いコートでスヴェタがどう対応するのか興味深いです。
正直なところ、ディナラ有利は否めません。
ショット単体だけではなく、様々なバリエーションの攻めと守りを持つスヴェタに期待しましょう。


◇vol.2へ続きます。


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