東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦3日目 2008/9/18(木) Vol.2  戻る トップへ


◇vol.1からの続きです。


◆Nadia PETROVA (RUS) def. 1-Ana IVANOVIC (SRB) 6-1 1-6 6-2
06
センターコートの第5試合です。
アナを生で見るのは去年の東レ以来なので、1年半ぶりですね。
その間、ローランギャロスを取ったりランキング1位になったりして、ツアーにおける立場がかなり変わりました。
つまり、注目される度合いが桁外れに大きくなったということです。
同時期に怪我(手首だったかな?)が重なったのもあり、全仏優勝後、思うような結果が出ない時期が続きました。
いきなり1位になってしまい、そういったものに対する精神的な準備期間が無かったということも有ったのでしょうか。
今大会は上位陣の多くが出場してます。
今の調子を考えると、優勝に絡むのは難しいかもしれないな、と思ってました。
相手はノーシードながら強敵のナディアです。
彼女は1回戦でアラヴァン(レザイ)相手に強さを見せつけました。
ラウンドは違いますが、ナディアはダブルスに続いてトップシードとの対戦ですね。
アナは早いコートはそれほど得意な印象がありませんが、ナディアは早いコートも遅いコートも得意の珍しいタイプだと思います。
ナディアを最初に見たのは東レのダブルスでした。
(確か、ドキちゃんと組んでたはず。)
そのキレのあるサーブ、ストローク、ボレーを見て、早いコート向きだと思いました。
その後、ローランギャロス前哨戦のクレーコートで連勝したりして、正直驚きました。
確かにフォアはかなり厚いグリップでスピンも上手いけど、速攻型(=ダブルス向き)のプレイスタイルだと思ってたので。
有明のハードコートは、世界でも珍しい高速ハードとのこと。
(コート表面が磨耗して、余計早くなってるみたいだけど・・・。)
それに加え、ナディアは初戦とダブルスを既に戦ってますが、アナはこのコートで試合をするのは初めてです。
今の調子からして、ひょっとするとまたしてもアップセットか?という予感は試合前から有りました。
あくまで可能性の話ですけどね。

アザーコートでも試合が始まり、移動やら休憩やらで、間近で見たのは1STセットだけです。
大方の予想通り、ナディアはアナのバックを狙い打ちしてました。
バックに角度をつけたショットを打ち続け、最後にフォアにビッグショットを打つ展開で、主導権を握るラリーが多かったです。
1STサーブの確率にも差がありました。
アナはサーブで先手を取ることが出来ないので、サービスゲームでも後手に回ってしまうのです。
アナが勝てる要素が無いと思えるほどでした。
ナディアが圧倒して試合が進み、彼女がゲームを連取してセットを先取しました。
その後のスコアを見ると、アナが2NDセットを取り返したんですね。
しかも1STセットと同じ6−1です。
見てないから分かりませんが、どうやって逆転したのでしょうか。
しかしファイナルセットはナディアが6−2で取り、各セット大味なスコアながらフルセットマッチを制しました。
日本では良い内容の試合が多かったアナですが、今回は1試合だけで日本を去ることになってしまいました。
相手が悪かったですね、今回は。
言っても仕方ありませんが、初戦の相手がナディアでは誰でもキツイでしょう。
ナディアは単複ともにトップシードを初戦で撃破です。
(ラウンドは2回戦だけどアナは初戦。)
彼女も復調気味ですね。
このコートに合ってると思うので、今後の試合が楽しみです。


◆2-Lisa RAYMOND / Samantha STOSUR (USA/AUS) def. Daniela HANTUCHOVA / Agnes SZAVAY (SVK/HUN) 5-7 6-3 [10-2]
07
1番コートで行なわれた試合です。
リサ/サマンサが圧倒すると思いきや、意外に接戦でした。
ダニエラ/アグネスが勝つかもしれない、と思いましたからね。
リサはかなり省エネテニスになりましたね。
フットワークを使った動きのあるプレイが少ないし、ミスがかなり多かったです。
相手にプレイさせる(難しいショットを打たせる)のがダブルスのネットプレイというのは分かります。
でも、昔はもっと機敏に動いて、タッチ系のスーパーショットを連発してたはずだけどなー。
やっぱり、かなりふくよかになったせい?
テクニシャン時代を知ってるだけにちょっと残念。
アグネスはかなりダブルス上手いですね。
特にボレーが上手い。
最近の東欧勢は、シングルスではストローク戦ばっかりの試合が多くても、こういうタイプの選手が多いように思います。
試合で使う使わないに限らず、若いうちから全てのテクニックを教えられてるんでしょうね。
アグネスほどではないけど、ダニエラもかなりよく動いてました。
雁行陣からのストロークが強烈で、前衛のボレーが上手いとなると、リサ/サマンサと言えども一方的に勝つことは出来ないですね。
両者セットを取り合って、ファイナルセットのマッチタイブレイクに突入しました。
このマッチタイブレイクは意外なほど大差がつきました。
ダニエラ/アグネスは中盤の連続失点が痛かったです。
リサ/サマンサが特に調子を上げたという感じはしませんでした。
僅かなミスが続き、あれあれ?っていう間にポイントを失ってしまったという印象でした。
マッチタイブレイクまでもつれましたが、第2シードのリサ/サマンサがSFに進出した試合でした。


◆Q-Katarina SREBOTNIK (SLO) def. Francesca SCHIAVONE (ITA) 6-4 6-3
08
センターコートの第6試合です。
1番コートで行なわれる予定でしたが、雨天中断によりセンターコートに組み込まれました。
後でGAORAの中継で確認すると、最初の2ゲーム(1ゲームオール)まで外のコートで行なわれたようですね。
1STセット3ゲーム目からコロシアムで再開されました。
これ書いてるのは12月になってからです。
他の試合はそれなりにメモ書いてたけど、この試合だけざっくりとしか書いてなかった・・・。
細かい試合展開は既に忘れてますが、試合を見て受けた印象は覚えてます。
対照的なスタイルで面白い試合だったと記憶してます。
2人はベースとなる球種が違います。
スピンボールを操るフラニーに対し、直線的でキレのあるショットを放つカタリナ。
しかし、テクニシャンであるという点については共通してます。
これは誰が見てもそう思うはず。
これらの要素だけでも、面白くなりそうな対戦です。
球種で言うと、フラニーは初戦のダニエラに続いて似たタイプとの対戦ですね。
ただしカタリナは、前後の動きが多くて全体的な動きも早く、あそこまでフラット系を多用しない点が違うでしょうか。
ということは、似てるのは、キレのあるショットを叩き込むところだけかな?・・・(笑)
それに対してフラニーは走り回って拾いまくります。
1試合の運動量は、他の選手に比べてかなり多いように思います。
身体が小さいから余計そう見えるんですよね。
カタリナからすると、どこに打っても返ってくると思わなければいけませんが、1本のショットでウィナーを取られる心配はそれほどありません。
フラニーはスピン系が持ち味ですから。
勝敗は別として、この高速コートでは、やりやすい相手と感じてたかもしれません。
そう考えると、これが遅めのハードコートやクレーコートだったら、どうなってたことか。
試合は、お互いに様々なテクニックとショットを使った攻防でした。
両セットともに1ブレイク差ながら(たぶん)、競った末にセットを取ったカタリナがストレートで勝利しました。


◆Q-Kaia KANEPI (EST) def. Virginie RAZZANO (FRA) 6-4 6-2
09
センターコートの第7試合です。
第6試合に続き、アザーコートからセンターへ移動になりました。
この試合も第3ゲームからの再開でした。
当初のオーダーでは、この試合が1番コートの第1試合、カタリナvsフラニーが第2試合でした。
両試合とも第3ゲームから再開ということは、途中で雨が上がって1番コート2番コートで同時開始だったのかもしれません。
そう言われると、会場でコロシアムの西側ロビーのスコアボードや、携帯のリアルスコアを見て、そういう変更を見たような気がしないでもない。
12月になってから書いてるので、細かい部分は忘却の彼方ですが・・・。
さて、この試合もプレイスタイルが異なる選手の対戦で面白かったです。
特に、ビルジニーのトップスピンでライジングショットを打つスタイルが際立ちました。
ライジングというと、伊達ックみたくフラット系でタイミングを速くするタイプや、高い打点で引っ叩くモニカみたいなタイプが思い浮かびます。
ボールの弾道は低めながら、全てのショットをスピン系のライジングで捕らえるスタイルは異質です。
少なくともトップレベルでは見たことがありません。
今日はドカンと打ち込んでくるカイアが相手でしたが、それでもそのテニスをしてました。
あのボールの勢いだと、食い込まれて打点が後ろになってしまうこともあります。
両手で打つバックよりも、フォアハンドが多かったですね、そうなるのは。
そうなった場合でも、ジャンプしたりしながら、身体と打点の位置を調節して返球してました。
あれは身体に故障がきたりしないのだろうか?
普通なら滅多にない緊急時の対応のはずが、それが常時行なわれてるってことですからね。
もし自分だったら、肩とか肘とかおかしくしそう・・・。
ビルジニーは筋肉が柔らかくて、身体全体が柔軟なのかもしれません。
しかし、多少無理してるからか、彼女が先にミスをすることが多かったです。
カイアは慣れてくると、早いタイミングをそれほど苦にしなくなりました。
球自体は剛速球というわけではないので、早いタイミングでボールが返ってきても落ち着いて対処しようとしてたようです。
拮抗しながらもカイアがポイントをリードすること多くなりました。
終盤に行くほど行くほどそうでしたね。
その流れで、カイアがストレートで勝利し、明日のQFに進出しました。


今日はこんなところです。
1日雨かと思いましたが、1番コートでも何とか試合が出来ました。
試合終了まで出来たのは、ダブルス1試合だけでしたが・・・。
その試合は1番コートで行なわれました。
隣の2番は空きコートです。
にも関わらず、2番コートの入口から入る時に、1番コートでやってる試合のチェンジエンドの時しかダメなのは何故?
だとしたら、1番と2番の両方で試合している時は、入るタイミングが全くないってことになっちゃいますよね。
両方のコートが同時にチェンジエンドなんて、そうそう無いですから。
まー、東レの運営はいつもこうなので、今更感が大きいけどね。
今日のサインGETはデメちゃんからの1枚だけでした。
明日も天気が悪そうです。
今日出来なかったダブルス2試合がまだ残ってますが、いったいどうなることやら・・・。


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