東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦2日目 2008/9/17(水) Vol.2
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◇vol.1からの続きです。
◆Virginie RAZZANO (FRA) def. 杉山愛 (JPN) 6-3 6-2
06
センターコートの第3試合です。
最初は序盤の5ゲームを見ました。
愛ちゃんが先にブレイクされますが、ブレイクバックして追いつき、ブレイク差なしの5ゲーム目までです。
今日の愛ちゃんは、ネットアプローチをより多くしようとしてましたね。
今までも要所でのネットダッシュは有りましたが、ここまで何回も出るのはあまり見たことが有りません。
抜かれることも有りましたが、ビルジニーに一定のリズムで気持ちよく打たせないのが目的でしょうか。
前回の敗戦によって、作戦を変えたのかもしれませんね。
この対戦は、4月のフェドカップで見てます。
その時の印象だと、ビルジニーの早いタイミングの攻めが非常に有効でした。
ラリーがどんどん早くなり、1STセットは彼女の一方的なぺースでした。
その時に比べれば、今日は愛ちゃんの調子も良いように感じました。
今日はビルジニーにミスも有りましたからね。
フェドの時は、ほとんどノーミスな印象でしたけど。
あの時はインドア、今日はアウトドア、というのも有ったのかもしれません。
より足を使う必要がある愛ちゃんにとっては、アウトドアのほうが良いと思います。
次は終盤の数ゲームを見ました。
1STセットを取ったビルジニーが、2NDセットも2ブレイクアップとした辺りです。
ラリーを見てると、同じタイプの場合、リーチが広くてスピン量が多いビルジニーのほうが有利になるのかな、と思いました。
彼女がリードしてたからでしょうね、そう思ったのは。
愛ちゃんは、振り回し合いからネットを超えないエラーが多かったです。
ボールのスピードとコースの切り替えに対し、フットワークとラケットワークが間に合ってないということですよね。
試合序盤もその傾向が有りましたが、ラリーでの優劣がより顕著になったように感じました。
それだけビルジニーのほうが、この有明の速いコートに合ってるということでしょうね。
愛ちゃんも会場の声援をバックに何とかしようとしてました。
しかし、どうしても守勢になってしまうことが多く、挽回するまでには至りませんでした。
さっきも少し書きましたが、それぞれのショットはともかくとして、彼女達は目指すスタイルが似てますよね。
これはフェドの時も思いました。
ビッグショットを打ったり変化をつけたラリーをするのではなく、速いタイミングで相手を振り回します。
そして、甘くなったボールをストロークやネットで決めるパターンです。
ビルジニーはライジングを武器にしてるにも関わらず、球種はスピンです。
今まではライジング=フラットと相場が決まってましたが(俺が思ってただけ?)、スピンでライジングをやる選手って初めて見ましたよ。
愛ちゃんからすると、このスピンボールのライジングは非常にやりにくそうでした。
ボールが速くてもフラット系のほうが、まだマシなんじゃないでしょうか。
スピンボールで外に逃げるので、クロスの打ち合いで優位に立てないんですよ。
だから、先にダウンザラインへ攻撃されてしまうのです。
もっと遅いコートだったら、愛ちゃんにもチャンスが有るでしょうね。
これは、前回と今回の試合を見て感じたことです。
日本期待の愛ちゃんでしたが、その愛ちゃんを破り、ビルジニーが2回戦に進出した試合でした。
◆3-Casey DELLACQUA / Francesca SCHIAVONE (AUS/ITA) def. Vera DUSHEVINA / Vladimira UHLIROVA (RUS/CZE) 4-6 7-5 [10-8]
07
2番コートの第2試合です。
1STセット中盤と2NDセット中盤以降を見ました。
ウリロバ(でいいのかな?)はクリスティナ(フサノ)同様、ダブルスのドローやランキングでよく見る選手ですね。
彼女達2人に共通するのは、小柄でパワーはそれほどないですが、ダブルスのテクニックが優れてる点です。
ブラドミラ(ウリロバ)のほうが、よりその傾向が強いです。
クリスティナはキレの有るショットも打ちますが、ブラドミラはロブやスライスなどの変化をつけるショットを打ったり、強打よりも深いショットを重視してる感じでした。
彼女の今年のダブルスの成績を見ると、SFや決勝に何回も進んでます。
去年のUSオープンでも、アグネス(サバイ)と組んでベスト4まで進出してます。
ダブルスとは言え、あの小さな身体で素晴らしい成績です。
それをカバーするテクニックをしっかり持ってるな、と感じました。
ヴェラが思ったよりダブルスが上手くて驚きました。
何となく雁行陣でストロークをつなぐだけのようなイメージが有りましたが、パスやポーチが上手いです。
1回だけでしたが、フォアのスライスでアプローチして、ボレーでポイントを取ったのにはびっくり!
返球が浅いと見るや、ライジング気味のフォアハンドスライスでネットを取ってました。
キャシーの伸びとスピードが有るストロークは、ダブルスでも威力充分ですね。
彼女のコーチは、ニコル・プラットでしょうか?
何日か前、ニコルらしき人をに会場で見かけました。
何でいるんだろう?、いや似てる人か?って思ってましたよ。
彼女はキャシーのシングルスの時にもコートエンドにいました。
確か、伊達ックとの試合の時にだったかな?
コーチではないにしても、同じオーストラリアの先輩がツアーに同行してくれのは心強いでしょうね。
一番人気だったのはフラニーです。
特に、おば様たちに大人気でした。
本人も分かってたらしく、チェンジエンドの時にそっち見て笑ったりしてました(笑)
小さくてガッツが有って最後まで諦めなくて、尚かつ、面白い仕草をしたりする彼女の試合は、いつ見ても面白いです。
最初は彼女のことを知らない人でも、自然と目が行って応援したくなるようですね。
去年のマーシャ(シャラポワ)戦でも同じことを感じました。
ミスした時は、左右の手足を同時に前に出して歩いたり、デカイ声で叫んだり。
たぶん、半分以上の人が(もっとか?)、彼女の一挙手一投足を見てましたよ。
試合後も大人気で、普段はサインなんか興味ないようなおば様方から、たくさんサインを求められてました。
試合は、2NDセットもファイナルセットも、ヴェラ/ブラドミラがリードし、あと一歩で勝利というところまで行ってました。
いや、2NDセットはキャシー/フラニーがリードして、ヴェラ/ブラドミラが追いつく展開だったかな?
ファイナルセットのマッチタイブレイクの終盤は、非常に競った展開でした。
ダブルスらしいポイントの取り方をしてたヴェラ/ブラドミラが勝つと思ってたんですけどね。
途中まで彼女達がリードしてたしね。
キャシー/フラニーは、よく逆転しましたよ。
マッチタイブレイクの終盤に、ヴェラ/ブラドミラのポーチミスや、キャシー/フラニーのスーパーショットが重なりました。
そんな展開でキャシー/フラニーがポイントを連取し、逆転で勝利しました。
◆Tamarine TANASUGARN / Yaroslava SHVEDOVA (THA/KAZ) def. Shahar PEER / Caroline WOZNIACKI (ISR/DEN) 4-6 6-2 [10-6]
08
1番コートの第3試合です。
隣の2番コートから、試合前半のところどころは見ましたが、間近で見たのは終盤になってからです。
ファイナルセットのマッチタイブレイクに入る前のゲームからだったかな。
試合を見る、サインを貰う、写真を撮る。
この3つのどれも外したくないから、時間配分が難しい・・・。
今のところ、本戦の試合で写真を撮り逃がしたのが無い=見逃した試合は無いんですけどね。
最後のちょっとだけ見た印象だと、シェベドワがダブルス上手いです。
サーブ&ボレーしてたし、ポーチやボレー合戦の時の反応が良いですね。
マッチタイブレイクは、2NDセットの流れのままに、タミー/ヤロスラバの2人がリード。
そのまま勝利しました。
シャハールとキャロラインは、単複ともに1回戦負けになってしまいました。
まー、長いツアー生活ではこんなことも有るでしょう。
でこぼこコンビ(失礼!)のタミー/ヤロスラバが2回戦に進んだ試合でした。
◆5-Svetlana KUZNETSOVA (RUS) def. Na LI (CHN) 6-2 1-6 6-3
09
センターコートの第4試合です。
2NDセットの終盤以降を見ました。
リ・ナが1ブレイクアップして、4−1とリードした辺りからです。
2NDセットのスヴェタは、ミスしまくりでした。
彼女は元々ミスとウィナーが混在するタイプですが、この辺りではミスばかりという印象でした。
かと言って、リ・ナのショットが凄い勢いで決まりまくるってわけでもなかったです。
彼女にもミスが多かったしね。
粘るとか繋げるとか、そういう感じではなくて、入るかミスするかの二者択一のような印象でした。
お互いに際どいところを狙おうとして、または際どいコースに打たれてミスをしたってところでしょうか。
いや、ラリーを繋げようとしたけど、結果的に繋げられずにミスしたのかな。
期待したハードヒットの応酬にはならず、大味な印象でした
強打者同士の試合ではよくある展開ですよね。
やはりコートが速いせいでしょうか。
2人とも初戦ということもあり、コートに慣れてないのも有ったのかも。
スヴェタは、先週末にスペインのクレーコートでフェドカップ決勝を戦ってます。
まだあまり日が経ってないから、やっぱり時差ボケとか疲れが有ったんでしょうか。
リ・ナは、自分の展開で決まるポイントが時々は有りますが、こちらも調子が良いというほどではなかったです。
試合は、1−4からスヴェタのサーブがブレイクされ、リ・ナが次のサーブをキープして6−1。
2NDセットは、スコア的には大差でリ・ナがセットを取り返しました。
ところで、そのリ・ナですが、彼女の名前を書く時はいつも迷います。
リと書けばいいのか、リ・ナと書けばいいのか、はたまた漢字で李娜と書けばいいのか。
アルファベットでNa Liというのも有りますね。
名字とか名前をカタカナで書くと、文章に埋もれちゃうんですよ。
まー、リ・ナが一番無難かな。
ファイナルセットに入ると、スヴェタのミスが減ってきました。
相手の強打を1本こらえて返球出来るようになったことによって、リ・ナのミスを誘えるようになりました。
2NDセットは、リ・ナがミスする前にスヴェタがミスしてたってことですね、たぶん。
相手の強打を、1本でも多く返球する。
試合を間近で見て、これが一番試合の決め手となったと感じました。
2NDセットはそれをスヴェタが出来なくて、ファイナルセットは出来た。
だから、このスコアになったと思います。
その流れで、スヴェタが序盤からブレイクに成功。
終盤、リ・ナの良いショットも出始めますが、スヴェタが流れを渡さずに6−3で勝利しました。
明るい時間に試合が始まりましたが、終わる頃には5時半を過ぎて、薄暗くなってきました。
リ・ナの真っ赤なウェアにピントが合いにくくて困りました(笑)
夕方になると、選手のウェアの色によって、難易度がかなり違ってきます。
少なくとも、俺はそうです。
撮影テクニックとか、カメラの設定とかあんまり詳しくないしね。
水色を基調としたスヴェタのウェアは撮りやすかったです。
まー、だから何だって話なのですが・・・(笑)
スヴェタがフルセットの末、難敵のリ・ナに勝利して、2回戦に進出しました。
◇vol.3へ続きます。
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