東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦1日目 2008/9/16(火) Vol.3  戻る トップへ


◇vol.2からの続きです。


◆Q-Kaia KANEPI (EST) def. 8-Anna CHAKVETADZE (RUS) 6-4 3-6 6-3
08
センターコートの第3試合です。
チャクベターゼの試合を生で見るのは初めてです。
(このフレーズ、今大会では何回も書いてるなー(笑))
ファーストネームがアンナの選手は今までも結構いました。
「アンナ」と書くと他の選手を思い浮かべますよね。
有名どころだと、まずはクルニコワ、他にはスマシュノワ(ピストレジ)とか。
他にもいたような気がするけど、思い出せない・・・。
当時、青BBSに書いてたころは、アンナK、アンナSとか書いてました。
懐かしいなー。
それに倣って、アンナCと書こうか?
まー、アンナKもアンナSも試合出てませんからね、今は。
そのまま「アンナ」でいいか。
そのアンナですが、ハードヒッターが多いロシア選手の中では、強打よりもテクニック系で語られることが多いようです。
テレビで見た試合では、確かにそういった面も感じました。
(それほど詳しく見てないけど・・・。)
でも、彼女の一番の武器は、そういったテクニック的なことではないと俺は思いました。
身体の勢いをぶつけるようなフォアの逆クロスと、それを打ち抜ける強気なところですね。
長時間は見てないので、俺が見た限り、つまり、この試合の一部分だけかもしれませんが。
テレビで見た時もそうでしたが、かなり強気なハードヒッターの面が有ると感じました。

1番コートのフラヴィアvsシャハールが熱い試合で、そっちを長時間見てたので、この試合はそれほど長く見てません。
間近で見たのは、2NDセット中盤からファイナルセット序盤辺りです。
最初に見た時は、セットを先取されたアンナが2−0か3−0でリードしてました。
確か、2ブレイクアップの3−0でしたね。
アンナがリードしてたこともあり、この辺りはカイアのほうが先にミスをしてました。
強打者同士の試合なので、お互いにミスが有るのは仕方ないですけどね。
2ブレイクダウンとなったカイアでしたが、その後はフラット系のショットで押して、相手のミスを引き出すことに成功。
1ブレイク返して、1ブレイク差としました。
2NDセット終盤はブレイク合戦でした。
というか、序盤もブレイクが多かったから、もしかしたらブレイクゲームのほうが多かったんじゃないでしょうか。
序盤に貯金が有ったアンナが6−3で2NDセットを取り、セットオールとしました。
セット序盤と違い、2人とも簡単なミスは少なくなってましたね。
振り回し合いになるから、お互いに走り回ることになります。
オフバランス気味になりながらも、2人とも何とか返球しようとしてました。
攻撃的なショットがたくさん飛びかいながら、ラリー自体は粘りあいといった雰囲気でした。
1球に対する執着心が無いと、たった1本のラリーすら勝ちきることは出来ません。
これはキツイですね。
そんなラリーの中から、先にダウンザラインへの攻撃が成功したほうがポイントを取ってました。
先に打ったほうではなく、先に成功したほうです。
スピードボールの打ち合いなので、ミスする確率が高く、簡単にはダウンザラインへ打てないからです。
打球の方向を変えようとしてのミスは、両者ともに有りました。
あとは、コート深くに押し込んで、返球を詰まらせた場合ですね。
そんなショットの応酬の中、アンナがセンター気味のボールを左右に打ち込んで主導権を握ります。
彼女はこの展開がホントに上手いです。
何となく、メアリージョー(フェルナンデス)を思い出しました。
メアリージョーは、しなやかなフォアの逆クロスと、低い姿勢からのバックのクロスが持ち味でした。
フォームとか見た印象は違いますが、打つショットは似てるような気がしますね。
そんな展開で、アンナが先にブレイクして先行します。
しかし、すぐにカイアがブレイクバックに成功。
今日はこの展開(ブレイクした直後にブレイクバックされる)が凄く多かったです。
見たのはその辺りまでです。
ファイナルセットの3ゲームまでかな、確か。

次に見たのはファイナルセットの中盤です。
この時は観客席ではなく、ロビーのモニターで見ました。
ちょっと休憩してた時かな、たぶん。
スコアは、カイアが5−3でリードしてました。
そして、1ブレイクダウンのアンナのサービスゲームでした。
これが何回もデュースを繰り返して、ロングゲームでしたね。
そのほとんどで、カイアがアドヴァンテージを取ってました。
キレて負けるイメージが強いアンナですが、この時は集中して懸命にプレイしてました。
それまでと顔つきが違ってたので、これははっきり覚えてます。
観客席で見てたら、そこまで分からなかったかもしれません。
モニターで表情まではっきり見えたから分かったことですね。
このゲームは、カイアのダウンザラインが左右ともに物凄いところに決まってました。
文字通り「ダウン・ザ・ライン」でしたね、あれは。
これがものを言って、最終的にカイアがブレイクに成功。
ファイナルセットの死闘を制し、2回戦に進出しました。


◆Vania KING / Nadia PETROVA (USA/RUS) def. 1-Katarina SREBOTNIK / 杉山愛 (SLO/JPN) 6-4 6-4
09
センターコートの第4試合です。
今日行なわれるダブルスは、この1試合だけです。
愛ちゃんの試合をナイトマッチに持ってきたんでしょうね。
まー、第4試合だと、ナイトマッチになるか微妙だけどね(笑)
今日は前の2試合がフルセットの熱戦だったので、この試合の前から既に暗くなってました。
寒いほどではないですが、少し涼しくなってきました。
でも、長時間じっとして観戦してると、半袖だとちょっと寒かったかな。

今大会のダブルスドローを見た時、愛ちゃんとカタリナはドロー運悪いなと思いました。
急造ペアとは言え、何でいきなりナディア&ヴァニアと対戦しなくちゃいけないのか?って感じでした。
危険度では、リサ/サマンサの次ぐらいですよ、はっきり言って。
そんなわけで、試合前から、もしかしたら愛ちゃん/カタリナは危ないかも、と思ってました。
そして、数ゲーム見ただけで、かなり厳しいと感じました。

試合は、愛ちゃんの最初のサーブをブレイクされて、序盤からリードを許します。
1STセットはそのままキープが続き、ナディア/ヴァニアが先取しました。
愛/カタリナペアからすると、このセットは結果的にノーチャンスでしたね。
確かに、デュース後のサドンデスは、お互いに有ったように思います。
しかし、そこで良いサーブが入ったりして、サーバ側がキープに繋げてました。
チャンスが出てきたのは、2NDセットに入ってからです。
サドンデス以外のブレイクポイントが結構有りました。
つまり、相手のサーブで、リード出来るようになってきたということですね。
チャンスの場面は多くなってきましたが、自分達はブレイク出来ないけど、相手にはブレイクされるゲームが続き、またしてもリードを許します。
ナディア/ヴァニアからすると、ピンチの後にチャンス有り、ですね。
ボレー合戦であまり勝てないのが痛かったです。
ヴァニアの上へのロブぐらいしか有効打がなくて、これも甘ければスマッシュされます。
しかし何とかブレイクバックに成功し、タイに戻しました。
その直後にまたブレイクされ、先行を許します。
最終的には5−4からナディア/ヴァニアがキープし、6−4で2NDセットを取って勝利しました。

愛/カタリナペアが良いところ無しみたいに書いてますが、彼女達の側から見てたからそう感じたんだと思います。
だから、彼女達がポイントを落とした場面ばっかり印象に残ってる可能性が大きいです。
まー、今日の両ペアの出来では仕方ないですね。
愛/カタリナが悪いということではなく、ナディア/ヴァニアが良すぎました。
特にヴァニアのダブルス巧者ぶりには驚きました。
昨年の東レやAIGでも彼女のダブルスを見ましたが、ここまでの上手さは感じませんでしたね。
彼女は最初のサービスゲームからサーブ&ボレーをしてました。
これがかなり上手いんですよ。
サーブやボレーだけに限らず、全てがスムーズになったようでした。
ナディアは、数年前の東レで見てから、ダブルスは上手いと思ってました。
当時はシングルスよりもダブルスのほうが印象に残ったほどでした。
今日はダウンザラインの強打が鋭かったです。
ミスはそれなりに有りましたが、それを上回るショットのキレでしたね。
トップシードの愛/カタリナにストレートで勝利したナディア/ヴァニアが2回戦に進出しました。


◆Francesca SCHIAVONE (ITA) def. 7-Daniela HANTUCHOVA (SVK) 6-1 7-5
10
センターコートの第5試合、本日の最終試合です。
5試合目ですが、始まったのは結構遅い時刻でした。
7時半は過ぎてたはずです。
時間が読めないので、地上波の生中継が難しいのが分かります。
まー、今となっては、中途半端に1試合2試合を地上波中継されるよりは、全試合をCSかBSでやって欲しいですけどね。
試合数で言えば、東京体育館の時の1日8試合(予選初日)に比べたら、まだマシです。
コートが速いからか、時間的にはそれほど遅くなりませんが、見るほうの疲労度は試合数に比例するようで、物凄く疲れますからね。
この試合に話を戻しますが、時間が遅めのせいか観客は少なめでした。
とても面白いカードなのに、もったいないなーと思いましたよ。
ウォームアップの時のフラニーのスウィングの速さにびっくりしました。
スナップが凄く効いていて、回転量が有りながらスピードも有るショットを打ってました。
去年の東レでも彼女を見てますが、その時はそこまで感じませんでした。
コートの速さが違うからでしょうか?

1STセットは、フラニーの良いところばかりが出たような印象でした。
スピンが効いたボールに対し、ダニエラがミスを連発してました。
特にバウンドしてから大きく外に跳ねるクロスが有効でしたね。
攻撃的スピンにタイミングが合わなかったようで、何気ないラリーに見えてもダニエラのエラーは多かったです。
それでもデュースを繰り返したゲームが多く、ポイント的には拮抗した長いゲームが多かったです。
1ゲーム内では競っていてもフラニー有利と感じたのは、ダニエラの攻撃からのポイントが少なかったからだと思います。
フラニーがゲームを連取したのも大きいですね。
フラニー有利と思わせるラリーが多いにも関わらずポイントが競り、しかしゲームとしてはフラニーが連取するという、面白い展開でした。
突出した武器の戦いで優劣がついたというよりは、全てを合わせた平均点でフラニーが上回ったということかもしれません。
回りくどい言い方ですけどね(笑)
そんな印象の1STセットを見て、このままではダニエラが勝つのは難しいと感じました。
流れを自分に引き寄せるには、自分から展開することが必要だと思いましたね。

2NDセットに入ると、ダニエラのミスがちょっと減ってきます。
フラニーのクセの有る球筋に慣れてきたんでしょう。
同時に、ダニエラの持ち味である長い手足を使った、フラット系のショットを深く配球できるようになってきました。
ミスが減ったのと相乗効果で、ゲームが取れるようになります。
しかし、リード出来る場面や、更にリードを広げられる場面でのミスが痛かったです。
ダニエラがミスしたというよりは、フラニーにミスさせられたというほうが合ってますけどね。
まー、これはお互いに言えますね。
それぐらい際どいコースでの打ち合いが多く、攻めも守りも厳しいショットが必要だったということです。
どちらかと言えばフラニー側から見てますが、ダニエラ側から見たら全く違った感想になったかもしれませんね。
ダニエラに勝って欲しいとも思いましたが、フラニーは何故か応援したくなるんですよね。
プレイスタイル、体格、仕草など、彼女にはそういった要素が満載です(笑)
彼女は片手バックなだけに、細かいテクニックは抜群に上手いです。
ネットに出てきたダニエラに対し、スライスで低く沈めた場面は流石と思いました。
回転量とスピードを調節して、即座にバウンドする地点を決めて打つ必要が有ります。
これを追い込まれてる状況でやるのです。
この時に限らず、時折打つスライスは効果的でした。
スピンボールには合ってきたダニエラでしたが、今度は球種の変化でやられた感が有りました。
しかし試合終盤、ダニエラもかなり集中して頑張ってました。
メンタル面の安定は、ここ最近彼女が強くなった一因かもしれません。
彼女にもセットポイントが有ったんですけどね。
そこで踏ん張ったフラニーが逆転でキープして5オールとし、逆にその後のゲームを連取しました。
ダニエラも最後まで諦めずにプレイしてましたが、結果的にフラニーに振り切られました。
シード選手のダニエラを破り、フラニーが2回戦に進出した試合でした。


今日はこんなところです。
試合終了は10時近かったでしょうかね。
昼間に比べれば観客が減りましたが、それでもそれなりの数の人数は残ってました。
最後の試合は、対照的なプレイスタイルの対戦で面白い試合でした。
見ないのはホントにもったいないです。
東京体育館だったら、もっと観客が多かったでしょうね、たぶん。
でも、東レのカーペットコートだったら、違った内容になってた可能性が大きいと思います。
内容的には、より遅いコートであるハードコートのほうが面白いです。
少なくとも、俺はそうです。
有明がもっと交通の便が良い場所だったらいいんだけどね。
東京駅直通とか、上野駅直通とかが遅い時間まで有れば、言うこと無いんだけど・・・。
まー、言っても仕方ないか。
今日のサインGETは、バルトリ、サバイ、森田、チブルコワ、ペンネッタ、スキアボーネの6人でした。
1日でこんなに貰えたのはかなり久々でしたね。
1回戦から物凄いカードの連続で、非常に楽しめました。
さっきも書いたけど、カーペットコートよりも試合が数段面白いです。
明日はダブルス1回戦の残り7試合が組まれてます。
1番2番コートが華やかになりそう。
センターコートのシングルスも面白そうです。
明日も楽しみです。


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