東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦1日目 2008/9/16(火) Vol.2
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◇vol.1からの続きです。
◆Dominika CIBULKOVA (SVK) def. WC-Amelie MAURESMO (FRA) 0-6 6-1 7-6(8)
04
センターコートの第2試合です。
4月のフェドカップの試合後、アメリーは言ってました。
USオープンの後にまた来ると。
その言葉通り、来日してくれました。
GS覇者でNo.1経験者の試合は、そうそう生で見れるもんじゃありません。
初めて見るアウトドアでの彼女の試合はとても楽しみでした。
アメリーはEWC(エグゼンプトワイルドカード)を貰えなければ予選からでした。
確か、1番か2番アウトだったような?
ラストインが愛ちゃんの32位だから、いかにハイレベルな大会か分かります。
その愛ちゃんも、カタリナがもし最初からエントリーしてたら、予選ということですよね。
予選の選手だけで、1大会出来そうな面子です(笑)
一番最初に大会HPに出たリストでは、アメリーは本戦だったんですけどね。
デメちゃんが追加になったりして、流動的だったんだろうか。
エントリーが大会HPで発表になった後に変わるのは珍しいです。
最近はWTAworld.com見てないからなー。
ちょくちょく見てれば分かったんだろうけど。
久々に行ってみたら、名前が変わった?
何か、MensTennisForumsの親戚版みたくなってるけど。
しばらく見てない間に色々と有ったんだろうか?
まー、それは置いといて。
とても楽しみなアメリーの試合でしたが、他のコートにも興味深い対戦が組まれてます。
1番コート2番コートを見てたので、1STセットは全く見てません。
見たのは2NDセット中盤からです。
コロシアムに入ってスコアを見ると、2NDセットでドミニカが3−0とリードしてました。
ドミニカのスピンの効いたストロークが有効でした。
アメリーを振り回し、ミスを引き出してました。
1STセットのベーグルが信じられない展開でしたね。
ドミニカが良かったのもありますが、アメリーのプレイが今ひとつでした。
特にサーブです。
まず、1STサーブがほとんど入りません。
2NDサーブも甘かったりダブルフォルトしたり。
この辺りを見てる時は、やっぱりまだまだ試合勘が戻ってないのでは?と思ってました。
その流れで、ドミニカがセット終盤のゲームを連取。
6−1で取り返してセットオールになりました。
ファイナルセットも彼女が先にブレイクに成功し、2−0とリード。
第3ゲームはアメリーが何とかキープ。
そこまで見て、1番2番コートに移動しました。
戻ってくると、5オールになってました。
あの後、アメリーがブレイクバックしたんですね。
アメリーはチャンス以外は無理打ちせずに、スピンやスライスでゆったりと返球してました。
チャンスボールがくるまでラリーを続け、じっくり展開しようとしてたように思います。
じっくり攻めることで簡単なミスが大幅に減り、拮抗した内容とスコアになってました。
ロングラリーが続き、かつ、お互いに凡ミスが少ないので、1ポイント決まるごとに観客がどよめいてました。
両者ともにチャンスが有る展開ながら、試合はファイナルセットのタイブレイクにもつれます。
タイブレイクは序盤、アメリーがリードします。
確か、4−2でエンドをチェンジしたはずです。
ドミニカが追いつき、その後は交互にマッチポイントが来る展開でした。
緊迫感漂うラリーが続きます。
最後はスマッシュミスしたアメリーが落とし、ドミニカが10−8の僅差でタイブレイクをGET。
手に汗握る展開に終止符を打ちました。
ドミニカは今年、クレーコートで好調でした。
今年のクレーシーズンでは、ドミニカとアリーゼ(コルネ)の2人が印象に残ってます。
共に今年になって頭角を現してきた選手ですね。
ドミニカはティアTのモントリオールでも決勝進出してます。
モントリオールはハードコートです。
この時に勝った相手が凄い。
1R VESNINA,E 62位 6-1 6-1
2R DEMENTIEVA, E (5シード) 6位 6-4 6-2
3R PETROVA, N (12シード) 17位 7-6(2) 6-2
QF JANKOVIC, J (2シード) 2位 7-5 6-2
SF BARTOLI, M (10シード) 15位 4-6 6-4 6-3
クォリティポイントが有る時代だったら、大量のランキングポイントを貰えたはずです。
決勝はサフィーナにストレートで敗れましたが、クレーコートだけじゃないと印象付けた試合でした。
彼女の試合はGAORAの中継で3回ほど見ましたが、生で見るのは初めてです。
試合を見てまず思ったのは、パッシング能力がズバ抜けてるという点ですね。
女子とは思えないフットワークとラケットワークです。
あの小さい身体で、ここまでランキングを上げてるのもうなづけます。
小さくて美人というと、アマンダ(クッツァー)を思い出します。
見てる時は思いませんでしたが、レポート書いてて思い出しました。
ドミニカはアマンダほど高い弾道のスピンは多用しませんが、プレイスタイル的には似てますよね。
足が速くてパスが上手いところとか。
アメリーはダブルスにエントリーしてないので、大会初日で日本を去ることになりました。
是非、また来て欲しいです。
試合は、スコア的に一方的な2セットの後、競ったファイナルセットという、ドラマチックな展開でした。
有りがちのようで、実はそんなに無い展開なのでは?
ファイナルセットタイブレイクの僅差の試合を制し、ドミニカが2回戦に進んだ試合でした。
◆Alize CORNET (FRA) def. Q-Aleksandra WOZNIAK (CAN) 4-6 6-3 6-3
05
2番コートの第2試合です。
2NDセット中盤から終盤を見ました。
コート間近ではありませんが、その前にも隣の1番コートの入口付近から眺める程度にはラリーを見ました。
確か、チェンジエンド休憩をコート脇で待ってる時だったと思います。
(アザーコートだけど、一応、エンドをチェンジするまで入場制限が有る。)
アレクサンドラは全く見えなくて、アリーゼがストロークを打ってるところだけが見える場所でした。
その時は、アリーゼのスピンの効いたフォアハンドが効果的のようでした。
アリーゼしか見えなかったけど、あのボールの軌道と打ち方を見ると、受けるアレクサンドラはかなり苦労したはずです。
高い弾道でスピンが効いた強打が、コート深く打ち込まれるのです。
単なるループボールだったら苦労しないけど、スピンをスピードを兼ね備えた、あのフォアハンドは威力充分だと思います。
有明の速いハードコートでも、あれを連続して打たれるのはキツイでしょうね。
間近で見たのは、2NDセットのアリーゼ4−1リードからです。
アリーゼはバックハンドばっかり打たされてました。
ということは、アレクサンドラがバックハンド側に打ってたということです。
これは徹底してました。
アリーゼのフォアハンドの写真を撮ろうと思ってたけど、全然撮れませんでしたよ。
アリーゼのバックハンドは、上からのしかかるようなフォームで、スピードと威力が有ります。
フォアハンドとは球種が違いますが、ウィナーを取れるのは低い弾道のバックハンドでしょうね。
ディナラとの練習を見た時に、あれを受けるほうはイヤだよな、と思ったのを思い出しました。
でもアレクサンドラからしたら、自コートに直線的に打ち込まれるバックハンドよりも、高い弾道でベースライン際に弾むフォアのが嫌だったんでしょうね。
アリーゼはバックばっかり打たされて、かなりストレスが溜まってるようでした。
それでもポイントを取れてればいいんでしょうけどね。
相手の展開で、しかもポイントもなかなか取れないので、余計にイライラしてるようでした。
アレクサンドラは相変わらず配球が良いです。
強打してる印象は無いのに、いつの間にかオープンにウィナーを取ったりします。
かと言って、スライスやドロップとか色んなショットを使う技巧派という感じでもないです。
面白いタイプですね。
レポート書いてて思いましたが、何となくクリス(エバート)っぽいかも。
歴代の女王と比較するのも何ですが、オーソドックスなストローカーで、配球が上手いという点は似てると思います。
今でこそオースドックスと表現してますが、クリスが登場した当時は、その時の流行から大きく離れていて、オーソドックスの欠片も無かったみたいですね。
当然のことながら、リアルタイムで当時を知ってるわけじゃないですが。
話が飛びました。
しかし、あまりにバック攻めばかりしたせいか、逆にアリーゼが振り回す展開も増えてきました。
確か、アレクサンドラがブレイクバックした後、アリーゼがブレイクし返したんだったかな。
(違うかも・・・。)
ファイナルセットは見てません。
センターのアメリーvsドミニカが終盤に近づいてたので、そっちを見に行きました。
戻ってくると試合は終わっていて、アレクサンドラがクラブハウスの前の通路でサインしてました。
彼女が勝ったのかな?ってこの時は思いましたが、アリーゼがセットを連取して逆転勝利でした。
最初から最後まで見てたら、それぞれのセットに流れが有って、きっと面白い試合だったに違いありません。
アリーゼが予選勝者のアレクサンドラを退けて、2回戦に進出した試合でした。
◇サイン会 Agnieszka RADWANSKA
06
東側ロビーに行ったら、扉の近く辺りで行列が有りました。
何だろう?と思って近づくと、Agnieszkaのサイン会が始まるとのこと。
しばらくすると、スタッフと共に彼女が現れました。
ちなみに、サイン会は毎日やってます。
そうと決まってるわけじゃなさそうですが、第1試合の勝者の選手が多いような気がしますね。
トヨプリの頃は特に制限無かったような気がするけど、今はパンフ買った人しかダメです。
いや、パンフ買って、サイン会に当たった人かな?
というか、どういうシステムになってるのか詳しく知りません・・・(笑)
持ち歩くのが面倒なので、パンフ買う時は、だいたい最終日の最後の頃なので。
◆Flavia PENNETTA (ITA) def. Shahar PEER (ISR) 6-4 6-4
07
1番コートの第2試合です。
これは熱い試合でした。
熱いとも暑いとも書けそうだけど・・・(笑)
試合が白熱するのはシャハールの持ち味ですね。
彼女のファイターぶりは、これまで何度も目にしてますから。
お互いにストローカーですが、このレベルの選手を相手に、一発で決めるショットは有りません。
このランキングですから、ショットの威力やフットワークは当然レベルが高いです。
フラット系の選手のように、相手にお構いなく強引にウィナーを狙えるようなストロークではないということです。
つまり、2人ともスピン系のストロークが持ち味ということですね。
なので、1本のラリーが凄く長くなります。
根競べのようなストローク戦が続きます。
こういう展開の場合、劣勢になっても、いかにキレずに自分のプレイをするか。
その辺りが勝負になってきます。
そして、その積み重ねでゲームを取っていき、最終的な勝者が決まります。
こういう試合は、じっくり見るととても面白いです。
男子テニスのファンの人は、この展開は厭きるだろうけど、俺はこういうメンタルを試されるような試合は大好きです。
バカ打ちは簡単だけど、それでは試合に勝てないことをお互いに知ってます。
じっくりとラリーを作りながら展開していくしかないと分かってます。
だから、自分の単純なミスや、チャンスボールでのエラーが許せないのです。
お互いにキレる寸前になりながら、それを何とか押さえて集中してプレイしなくては、勝つことが出来ません。
男子テニスのように一発で決まらないから、余計にそういった展開になりやすいんですよね。
観客が少ないアザーコートでやってるから(なぜか観客が少なかった)、こんなところで負けてたまるか、と尚更その雰囲気が高まります。
まー、最後の部分だけは勝手な思い込みだけどね(笑)
男子選手の審判やラケットに当たり散らすのは、見てるこっちも苛つくことが有ります。
(最近は慣れたから、あーまたやってるよ(笑)って感じですが・・・。)
でも、女子選手のまるで自分と対戦してるかのような、まー言ってみればグダグダな試合は、生で見るには面白いです。
そう、2人とも奇声上げてるような試合のことです・・・(笑)
それで集中力が無くなっていくような試合はちょっとアレですが、何とか集中しようとしてプレイしている試合はとても見ごたえが有ります。
こういう試合はテニスの醍醐味とさえ思います。
だから女子テニスを好きなんだろうな、きっと。
賛同する人は少ないだろうけど・・・(笑)
試合に関係ない話が長くなりました。
話を戻します。
見たのは2NDセットの初めからです。
冒頭に書いたように、内容的に熱い試合でしたが、直射日光が強くて暑い試合でもありました。
見てる観客もかなりキツかったですよ、あの暑さは。
試合は、1STセットを取ったフラヴィアが、有利にポイントしていきます。
どちらかというと、フラヴィアのほうが体勢が崩れないで打つショットが多かったです。
シャハールのほうが、守勢でのショットが多かったと思います。
もちろん全てのポイントがそうではないけど、全体的にはそうでした。
1本1本のラリーを見ればそうだけど、スコア的には必ずしもフラヴィアが有利に進めてるわけではなかったです。
ブレイク合戦になってましたからね。
それにしても、2人とも試合中によくしゃべります。
フラヴィアは独り言みたいだけど、その独り言が長くて、最初は誰かと話してるのかと思いましたよ。
シャハールはコーチに向かって何か言ってます。
アドバイスを求めてるってわけでもなさそうで、自分を落ち着かせるために、コーチがいる方向に話してるのかもしれません。
そんな感じで、ショットだけではなく、お互いに色んなものを総動員してラリーをしてました。
ブレイクゲームが多かった2NDセットでしたが、最後はフラヴィアが4オールから再びブレイクに成功。
次のサーブをキープしたフラヴィアが6−4で2NDセットも取り、ストレートで勝利しました。
見たのは2NDセットだけでしたが、色んな要素が詰まった面白い試合でしたね。
1セットだけしか見てないとは、とても思えないぐらい長かったし。
試合後、フラヴィアにサインを貰いました。
彼女はかなり汗をかいてて、サインしてる間中、汗がしたたり落ちてました。
熱戦を思わせますね。
マリオンに貰った時に続き、またしても俺のペンで10人ぐらいのサインを書いてた(笑)
考えてみれば、ここ何年か何本かのペンを使いまわしてるから、男子女子問わずに数多くの選手の汗が染込んでるんだよな、あのペンには。
インク出なくなって使えなくなっても、ある意味、貴重品かも。
まー、そうなったら躊躇無く捨てるだろうけど(笑)
フラヴィアが去ってしばらくしても、シャハールはベンチから動きませんでした。
スタッフの大半が引き上げ、審判用の椅子とかの片付けもすっかり終わっちゃってます。
(この試合は1番コートの最終試合です。)
なかなか立ち上がらずに、ベンチで佇むシャハール。
見かねて、コーチが隣に来てベンチに座り、色々と話してました。
慰めてたんだろうか?
でも、何言ってもなぐさめにはならないよな、この場合は。
逆に事務的に、今日の試合で悪かった点を話すんだろうか?
かなり長時間に渡って、ベンチで2人で話してましたね。
帰る時にサイン貰おうとしたけど、全くその気はないみたいでダメでした。
去年の東レでも感じましたが、彼女は劣勢でも決して諦めないファイターです。
タフなメンタルを持ってるので、まだまだ上位目指してやってくれるでしょう。
次に彼女の試合を見るのが楽しみです。
そのタフなシャハール相手に勝ち抜いたフラヴィアが、2回戦に進出した試合でした。
◇vol.3へ続きます。
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