東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
予選3日目 2008/9/15(月) Vol.2  戻る トップへ


◇vol.1からの続きです。


◆4-Aleksandra WOZNIAK (CAN) def. WC-クルム伊達公子 (JPN) 6-1 6-1
04
センターコートの第2試合です。
2NDセット序盤以降を見ました。
その前は2番コートでディナラとアリーゼの練習を見てました。
さっきも書いたけど、ディナラとアリーゼのサインGETとどちらを取るか迷ったんですよ。
サインは後で貰える可能性が有るけど、試合はそういうわけにはいきません。
練習が終わりそうな雰囲気を感じつつ、センターコートへ向かいました。
コロシアムに入ると、セットを先取したアレクサンドラが、2NDセットも2−0とリードしてました。
客席を見ると、予想通り、観客が一杯です。
前のほうは空席が少なかったので、ちょっと上の席から見ることにしました。

伊達ックはミスが多かったです。
上から見てたから球速はそれほど分かりませんでしたが、スピードあるショットで追い込まれてたんでしょうか。
先に振られてやっと返球するポイントが多く、ようやく自分の展開になったとしても、そこでネットやアウトしてました。
これでは勝つのは難しいと思いましたね。
その流れでアレクサンドラがゲームを連取。
2NDセットも6−1で取り、勝利しました。

見ていて思ったのは、伊達ックはアレクサンドラのボールのコースを読めてなかったんじゃないか、ってことでした。
何となく、ヒンギスとやった現役最後の試合(WTAチャンピオンシップス)を思い出しました。
あ、今も現役だから、1回目の現役時代ですね(笑)
この時の最終戦は、16人出場のトーナメント制でした。
伊達ックの初戦はモニカ(セレス)でした。
よりによって最後の大会の1回戦が何でモニカなのか?って当時は思いましたよ。
しかし、モニカ(セレス)の途中棄権により、QFに進出しました。
この試合は今でもよく覚えてますが、モニカが腕の調子が悪くて、とてもプレイを続行出来そうじゃなかったです。
長時間できないからでしょうけど、あのモニカがネットに出たりしてましたからね。
モニカの棄権だったけど、直前のニチレイでファイナルセットのタイブレイクまで行って負けてるから、そのうち勝ってもおかしくなかったんだけど。
いくら競っても、勝ちきるのと負けるのでは大きな違い、と言われれば確かにそうですけどね。
棄権勝ちとは言え、この勝利で、同じ時代のNo.1経験者の全選手から勝利を記録したことになったのでした。
(対戦記録が無いマルチナ(ナブラチロワ)は除く。)
ってずっと思ってたけど、クリス(エバート)とは対戦有ったんだろうか?
調べたら、やっぱり無かったです。
クリスの現役最後の大会は、89年に有明で行なわれたフェデレーションカップ(現フェドカップ)です。
この大会は初の生観戦だったので、非常に印象深くてよく覚えてます。
伊達ックがGS予選に挑戦し始めたのが89年なので、ツアー選手として被ってる時期はそれほど無かったということですね。
話をちょっと戻しますが、QFのマルティナとの対戦では、伊達ックはほとんど何も出来ませんでした。
(96年の最終戦の話ですよ。)
引退する大会で1回戦がモニカと決まり、そこで全てを出し切るつもりで試合に臨んだことは想像出来ます。
それがモニカの棄権で終わってしまい、気が抜けてしまったということも考えられます。
肉体的にはまだまだ現役でも、精神的にはモニカとの対戦で一区切り付いてしまってもおかしくありません。
ボーナストラックのような試合がもう1つ見られると楽しみでしたが、見てるこっちも拍子抜けのような試合でした。
あの時も、マルティナの打つコースを読めてないように見えました。
似たような展開の今日の試合を見て、あの試合を思い出したのかもしれません。
ようやく今日の試合に話が戻りました(笑)

これで伊達ックの今年の東レは終了です。
伊達ックが出場しなかったら、この3日間の集客はどうだったんだろう。
彼女の試合の時だけコロシアムが一杯になった今日の観客達を見ると、かなり貢献したことは間違いないでしょうね。
無料だからチケット売上はゼロだけど、チケット収益なんて賞金を含めた経費に比べたら微々たるものだろうし、宣伝効果のほうが遥かに大きいように思います。
伊達ック個人としては、初のツアー選手との対戦で得るものが大きかったでしょうね。
ブログにもそういったこと書いてるし。
翌々週のAIGが楽しみです。
勝ったアレクサンドラは本戦への切符を手にしました。、
もともと彼女レベルの選手が予選というのが驚きですが、本戦ではどんな試合を見せてくれるでしょうか。
アレクサンドラが圧勝し、本戦に進出した試合でした。


◆8-Aravane REZAI (FRA) def. Olga SAVCHUK (UKR) 6-1 7-5
05
当初は1番コートの第2試合に予定されてましたが、センターコートの第3試合に変更されました。
センターの2試合はストレート決着、1番の第1試合はフルセットのロングマッチだったからでしょう。
コロシアムに入ってスコアを見ると、アラヴァンが1STセットを4−1でリードしてました。
前のほうの席に座ったせいか、アザーコートよりも遠い位置にも関わらず、アラヴァンのストロークは迫力満点でした。
特にバックハンドが凄い。
彼女の一番の得点源はこれですね。
オルガはストローク戦を避けて、他で勝負しようとしてました。
サーブで主導権を取って、ラリーを長引かせないようにしてましたね。
ストロークラリーの前に決着を付けるつもりだから、集中してサーブを打ってたし、際どいコースを狙ってました。
サーブ&ボレーもかなりたくさんやってました。
最近の女子シングルスで、ここまで多くのサーブ&ボレーを見たのは記憶に有りません。
昨日と一昨日の試合を見ると、彼女はストロークがメインの選手だと思ってましたが、何でも出来るタイプですね。
思い出してみれば、片手でキレイなバックハンドスライスを打ってました。
色んな工夫をしていたオルガですが、スコア的には旗色が悪かったです。
競うゲームも有りましたが、アラヴァンがゲームを取り、セットを先取しました。

2NDセットも途中までは同じ展開でした。
アラヴァンが5−2とゲームをリード。
第8ゲームのオルガのサービスゲームでもポイントを先行してたから、もう勝利目前でした。
しかし、その辺りから少し様相が変わってきました。
アラヴァンにミスが増えてきたのです。
これは彼女のせいだけではなく、オルガの多様なプレイが効を奏してきたのかもしれません。
オルガのミスが減ったのも大きいですね。
アラヴァンのクリーンショット以外は、何とか返球出来るようになってきました。
そう言えば、お互いに何回もチャレンジしてましたね。
(言うまでもないですが、「チャレンジ」はホークアイによるライン判定システムです。)
1ゲームに2人合わせて3回ぐらいしたことも有りました。
アラヴァンの大量リードで、スコアに差が付いてた時です。
そんな状況だったから、若干遊び感覚で、あまり頻繁に使うことがない(彼女達のランキングでは自力ではメインコートに入れないはず)チャレンジ・システムを使ってみたかったのでしょう。
お互いの顔を見て、笑顔でチャレンジの申請をしてた時も有ったしね。
ちょっと試してみた、って感じですかね。
しかし、次第にその余裕が無くなってきます。
これ以降はアラヴァンに笑顔は有りませんでした。
昨日のオルガvsタミーの試合のように緊迫した内容となり、紙一重のキープやブレイクが続きます。
後から考えると、オルガはリードしてようとリードされてようと、どんな場面でも、精神的なアップダウンは少ないようですね。
昨日のタミー戦では、終盤の緊迫した場面でアウトとコールされたタミーのショットをインと認めたり、今日は大量リードされた場面で笑顔でチャレンジしてましたからね。
チャレンジで遊ぶ余裕が無くなったのはアラヴァンだけですね、おそらく。
セット終盤は一進一退で、セットオールになる可能性も大いに有りました。
ブレイクゲームとなった第12ゲームのオルガのサーブの時も、キープ出来そうな感じでしたからね。
そこをもぎとったアラヴァンが7−5で2NDセットを取り、勝利を決めました。
アラヴァンの重量感あふれる威力有るショットと、オルガの多彩な攻めと怒涛の追い上げで、面白い内容の試合でした。
オルガの追撃を何とか振り切り、アラヴァンが本戦進出を決めました。


◇vol.3へ続きます。


戻る
トップへ