東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
予選2日目 2008/9/14(日) Vol.2  戻る トップへ


◇vol.1からの続きです。


◆7-Anne KEOTHAVONG (GBR) def. Greta ARN (HUN) 4-6 6-1 6-4
05
1番コートの第2試合です。
見たのは1STセットとファイナルセットの終盤です。
ケサボング(と日本語表記されていた)は初めて見ました。
同じ「K」で始まる名字で似たような選手がいたような?
最後もやっぱり「G」で。
単なる勘違いか?
彼女はフォアハンドで圧力をかけていくタイプで、サーブも良いです。
バックはスピンも打ちますが、ラケット操作を小さくしてフラット気味に押し出すショットにスピードが有りました。
出来るだけフォアで打ちたいから、そういうバックハンドになってるのかもしれません。
こうやって文章で書くと、2人は似てるプレイスタイルですね。
実際に見るとそうでもないけど。
この試合やレザイvsジンクを見て思ったのですが、女子のTOP50レベルも男子TOP100前後と同じ戦い方になってきましたね。
相手に圧力をかけてフォースドエラーを奪う方法です。
正確なストロークで丁寧に振ったり、ロングラリーをした末にようやくポイントを取るような、言ってみれば一昔前の女子テニスのイメージは無いです。
もちろんそういった展開力を売りにしたスタイルの選手も残っていくでしょうけど、よりパワーでポイントする選手が増えてると思います。
男子選手はサーブとフォアでこれをしますが、女子はストロークでやります。
10数年前の女子テニスと違って今は、打つコースと共にショット自体にも威力が必要で、打ったコースに相手が入ってきてもミスを引き出せないと上位進出は厳しいと感じます。
これが出来ないと相手は精神的に楽だし、ロングラリーをすることになって体力的にもつらいでしょう。
かと言って、バカ打ちでミスばっかりでもダメです。
これからの時代、全てを兼ね備えないと勝てなくなるのかもしれません。
東欧出身の選手など様々な地域からの参戦が増えて昔より層が厚くなってきた上に、内容まで伴わないとダメとなると、ますます厳しい世界になりますね。
って、肝心の試合のことをほとんど書いてませんね(笑)
試合見てる時は、直射日光が強くて物凄く暑かった記憶が有ります。
座って見てるだけの観客でもぐったりする気温なので、試合してる選手達はもっと大変だったでしょう。
既にかなりの長時間、強力なショットの打ち合いが続いてます。
ファイナルセットはメンタルを試されるような展開でした。
そんな中、ブレイクに成功したケサボングがそのリードを最後まで守り、1ブレイク差でファイナルセットを取って勝利しました。


◆8-Aravane REZAI (FRA) def. Melinda CZINK (HUN) 6-4 6-2
06
1番コートの4試合目に予定されてましたが、グランディンの棄権で2番コートの第2試合に変更になりました。
彼女の変わりにAlternateが入れば別でしょうけど、Walk Overになったので、予選1回戦を優先して組み込む必要が無くなったんでしょうね。
アラバンは今日も好調でした。
身体の軸がしっかりしていて崩れる事が少なく、早いタイミングで威力の有るショットを打ってました。
相手のメリンダは、打たれるコースに入っているのに、相手コートにボールが返らないことが結構有りました。
特にフォア側に打たれた時ですね。
ボールにスピードと威力が有るので、準備が間に合わなくて食い込まれてしまうのです。
同じことがサーブを打った後にも有りました。
それだけアラバンのショットが深くて威力が有るということでしょうね。
サーブは攻撃性が高いショットですが、モーションが大きいだけに、直後に攻められると準備が出来にくいですからね。
メリンダはイライラしながらも何とかしようとしてましたが、後半に行くに従ってますますアラバンのショットが鋭くなり、ゲームを失う流れでした。
アラバンが予選ファイナルに進出です。


◆WC-クルム伊達公子 (JPN) def. 5-Casey DELLACQUA (AUS) 3-6 6-3 6-3
07
センターコートの第3試合です。
2NDセット中盤以降を見ました。
1STセットはキャシーが取っていて、2NDセットはその時点ではブレイク差なしでした。
この辺りでは、伊達ックが勝つのは難しいかなって感じでした。
ボールのコースに入ることが出来れば、比較的クセが無い伊達ックのボールは打ちやすいのか、キャシーのウィナーはかなり有りました。
しかし、キャシーは突然ミスを連発することが有ります。
昨日はダブルフォルトを連発してました。
今日も突然サーブが入らなくなりました。
彼女はポイント間が早くて、ミスが多い時は、一見、無造作に打ってるように見える時が有ります。
もっと時間を有効に使えばいいのに、と素人なりに考えますが、これが彼女の好きな間なんでしょうね。
過去にも同じようにポイント間が早い、シュテフィ(グラフ)やジェニファー(カプリアティ)とか居たしね。
話を戻しますが、キャシーのサーブが入らなくなったのは、レットの判定を巡って主審とちょっと揉めた後だったと思います。
彼女はサーブがエースとなったと思って、次のポイントのためにボールを受け取ってました。
しかし、主審からレットのコールが有り、1STサーブのやり直しになりました。
主審のヌーニさんは、確かレットと言ってたように思います。
観客の拍手などで、キャシーには聞こえてなかったみたいでしたが。
これってヌーニさんからしたら、ある意味不可抗力ですよね。
キャシーが不満そうな態度をしたためか、ヌーニさんは彼女がもういいっていうぐらい色々と説明してました。
チェンジエンドの間、ずっと説明してた感じさえありました。
こうやって過剰とさえ思えるほど選手とコミュニケーションを取り、誤解を解くんですね。
まー、キャシーからすれば、仕舞いには、しつこいって感じだっだかもしれませんが(笑)
この後ぐらいから、彼女のミスが増えはじめました。
このサービスゲームを落としてから、彼女の調子がおかしくなったのは間違いないと思います。
それまでが良かっただけに、いきなり崩れたような感じでしたね。
ミスが増えたというよりも、ミスが早くなったというほうが正確かもしれません。
それ以前は、キャシーがミスをするより早くチャンスボールが来たり、伊達ックのミスを誘うことが出来た、というほうが合ってる気がします。
それでも要所でキャシーのダウンザラインへのストロークウィナーは有り、伊達ックも決して好調とは言えない内容でした。
しかし、何とか伊達ックが踏ん張ってセットオールとします。

ファイナルセットの序盤も同じような展開でしたが、伊達ックが先にブレイクすることに成功。
リードした途端に、伊達ックのショットが明らかに変わりました。
ストロークの威力が上がったのは、見てるだけでもはっきり分かりました。
さすが伊達ックです。
勝負どころが分かってます。
深くてタイミングが早い振り回しに、キャシーは詰まらされたようなミスを連発。
伊達ックが5−1までリードします。
これは決まったかと思いましたが、キャシーが盛り返し、そこから2ゲームを連取。
しかし反撃はそこまででした。
伊達ックが6−3でファイナルセットを取り、明日の予選決勝に進みました。

あとでテレビのニュースで見たら、伊達ックはラインジャッジにマジ切れ寸前に怒ってましたねー。
修造君がいたから、テレ朝の報道ステーションだったかな。
いや、翌週のTBSの東レ中継で見たのかも。
この場面は会場で見てましたが、あんな表情してたとは。
近い場所から見てたけど、表情とかまでは詳しく分からないんでね。
最近、目が悪くなってるし・・・。
確か、伊達ックがサービスエースかストロークウィナーを打った場面で、ラインジャッジが思わずアウトコールしちゃったんですよ。
そこで主審がすかさずコレクション。
(ラインジャッジ自身がコレクションしたのかも。)
自分のポイントだったのに、リブレイになってしまった伊達ックは、いつぞやの「おばさん!」の時と同じ状態に・・・。
まー、それはそれとして。
伊達ックはキャシー相手によく勝ちましたよ、。
だって相手はTOP50ですよ。
キャシーの自滅っぽいところも有りましたが、立ち直らせずに勝ちきりましたからね。
明日は、アレクサンドラ(ウォズニアク)が来てもヴァニア(キング)が来ても、今の彼女にすれば、かなり厳しいことは変わりません。
でも勝敗よりも、どんな試合をしてくれるかに期待したいと思います。


◇vol.3へ続きます。


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