AIG OPEN 2008
AIG Japan Open Tennis Championships
本戦2日目 2008/9/30(火) Vol.1  戻る トップへ


本戦2日目です。
残念ながら朝から雨です。
と書き出しましたが、この文章は2ヶ月後の11月後半に書いてます。
要点はメモっときましたが、細かい記憶は既に飛んでます。
最初の2試合(錦織君とキャロラインが出た試合)もそうです。
それ以外の試合は、メモを見ながら大会1ヶ月後ぐらいまでに細々と書いてました。
(書き殴り版だから、その後に文章の整理が必要だったけど。)
後の3試合のレポートが長いのは、早めに書いてるから、少しは記憶が残ってる状態だったからです。
今読み返してみると、自分で書いときながら、「ふーん、そんなこと有ったんだ?」って感じですからね・・・(笑)

さて、今日の出来事で覚えてるのは、雨降ってたのと、それが原因で怖れてたことが起こってしまったことです。
AIG恒例(?)の無観客試合が行なわれたのです。
去年までは早稲田大とSSCだったと思いますが、今年はナショナルテニスセンター(NTC)と慶応大でした。
朝の段階では、センターコートの最終試合となったセラvsパウもNTCの予定(但し、コート移動有り)でした。
半休を取った今日は、午後からの観戦です。
多くの試合を見ることが出来ると楽しみだったので、非常に残念です。
まー、こればっかりはどうしようも無いですね・・・。
会場に着いたのは*時ごろでした。
さっそく試合に行きましょう。


◆錦織圭 (JPN) def. Robert KENDRICK (USA) 7-6(3) 6-7(5) 6-2
01
センターコートの第3試合です。
コロシアムの入口からスコアを見ると、1STセットのタイブレイクでした。
錦織君が常にポイントを先行して、7−3でタイブレイクを取り、セットを先取しました。
2NDセットはキープが続きます。
多少危ない場面は有りましたが、全体的には両者ともに危なげなくキープし、1STセットに続いてタイブレイクに突入しました。
このタイブレイクは、1STセットとは逆にケンドリックが先行します。
終盤に錦織君が追いつき、さーこれから反撃って時でしたが、最後はダブルフォルトでセットを落としました。
もう、会場は異常とも言える雰囲気でしたね(笑)
貴男君など他の日本人男子選手の時は、行け!貴男!って感じで、プロ選手を応援してる印象です。
錦織君の場合は、何か自分の息子や孫が試合してる感じ?
何て表現したらいいか分からないけど、今までとちょっと違った雰囲気で、会場が息を詰めて試合を見てるような感じでした。
セットを落とした時の溜息は凄かった・・・(笑)
2NDセットを落とした錦織君ですが、ファイナルセットは先にブレイクに成功します。
次のケンドリックのサーブもブレイクして2ブレイクアップとし、勝利を決定付けます。
この流れに、会場の興奮は最高潮に達します!
余裕が出てきたのか、終盤にはエアK(と言われてるフォアのジャンピングショット)も披露。
錦織君が6−2でファイナルセットを取り、フルセットマッチを制しました。

ケンドリックはサーブが良い選手ですね。
彼はサービスゲームではサーブ&ボレーをすることが多かったです。
いつもそうなんでしょうか。
やっぱり有明の速いコートだから?
彼はウィンブルドンかどっかで(うる覚え・・・)、ナダルに勝ちかけた選手ですよね?
今日のプレイを見れば、速いコートで脅威というのは分かります。
でも、今日はサーブ&ボレーをせざるを得なかったのかも。
ストロークラリーになると、なかなかポイントが取れないのです。
特に試合後半はそうでした。
錦織君は前よりサーブがよくなってるように思いました。
エースにならないまでも、サービスによるポイントは結構多かったです。
それと、しっかり構えてストロークを打った時に、相手にコースが分かりにくいようでした。
まー、大抵の選手はそうですが、錦織君からは、よりそういう印象を受けました。
今日は簡単なミスが少なく、リターンが良かったですね。
これが一番の勝因かもしれません。
会場が息を呑む雰囲気の中、観客の期待通り、初戦を勝ち上がりました。
今の彼なら、誰と試合しても面白い試合をしてくれそうです。
どこまで行けるか、楽しみですね。


◆1-Caroline WOZNIACKI (DEN) def. Gisela DULKO (ARG) 4-6 6-0 6-3
02
センターコートの第4試合です。
初めの5(3?)ゲームぐらいと終盤を見ました。
第1ゲームのキャロラインのサーブが長かった。
10分ぐらいやってたでしょうか。
錦織君の試合後に休憩してた人達が大量に出入口に溜まってました。
相当待ちましたよ、あの人たちは。
10分もやってた第1ゲームが終わっても、まだ席に行けないですからね、
3ゲームが終わるまでは待ち状態です。
この辺りのゲームではキャロラインのミスが多く、ジセラのペースで試合が進みました。
ジセラのシングルスは久々に見ました。
全体的にスムーズになったような印象を受けました。
前はクレーコーターって感じのスピン系のショットがメインだったように思いますが、今日の彼女は有明の速いハードコートに適応してました。
クレーコート巧者ってことも有って、もともと小技が上手かったですが、更に引出しが増えたようでしたね。
上から叩くフラット系のショット、凌ぎのスライス、ドロップショットやアプローチ&ネットなどなど。
そんな感じで、1STセットを見た時はキャロラインの良いプレイはあまり見ませんでした。

次はファイナルセットの3ゲーム目から見ました。
その間、ロビーで休憩したり、久々にたけぽんさんと会ったりしてました。
席に戻ると、確か、ジセラが1ブレイクアップしてたはずです。
そこでキャロラインがブレイクバックして、ブレイク差なしのタイに戻しました。
1STセットとと違って身体が動いてきて、高い打点からの強打で、相手を振り回せるようになってました。
それに対して、ジセラもフラット気味に深く返球します。
お互いに良いショットを打って、際どいラリーが続きました。
でも、キャロラインのほうが自分から攻撃が出来ていたように思います。
ジセラは、そのキャロラインのショットに対して、カウンター気味に打ってたように見えました。
差が有ったとすれば、その部分でしょうか。
セット序盤はリードされていたキャロラインでしたが、最終的には逆転に成功。
ファイナルセットを6−3で取り、フルセットの熱戦を制しました。


◆Klara ZAKOPALOVA (CZE) def. 4-Maria KIRILENKO (RUS) 4-6 6-2 7-5
03
この試合は、俺が生で見た試合の中でもTOP5に入るぐらい素晴らしい内容でした。
2人には失礼だけど、まさかこの試合がそう思う事になるとは。
面白いと思う試合が、たぶん他の人とは若干違うってことも大きいかも。
俺は選手の気持ちが伝わってくるような試合が大好きです。
なので、スコア的に一方的だったり、ミスが多い試合であっても、必ずしも詰まらないとは思いません。
(この時点で既に他の人と違うって気がする・・・。)
だから、スーパーショット連発のような試合でも、戦ってる選手の気持ちが見えてこない試合ははっきり言ってつまらない。
その昔、名勝負と評判になったアガシvsサンプラスを見た時、あまりに詰まらなくて途中で見るのやめました。
確かに凄いショットの連発でしたが、なんかTVゲームのテニスを見てるみたいで、2人の感情の起伏とかがあまり見えませんでした。
どこを見ても凄くて、どこを切っても同じ金太郎飴のような試合だった・・・。
名勝負という前評判を聞いて、期待が最大限に膨らんでたからでしょうね。
たぶん、生で見たら、凄すぎる!って感動したと思います。
たくさん生観戦していて感じますが、テレビだと凄さが半減以下です。
テレビで見た試合は、ホントに見たことにはならないとさえ思う事もあります。
この話はこの辺にして・・・。

見たのは1STセットとファイナルセットです。
いや2NDセットも見たかも。
ファイナルセット終盤の印象が強すぎて、その前は詳しく覚えてないんです。
1STセットはブレイク合戦だったような気がします。
2人は持ち球(ベースとなる球種)が違うように思いました。
マーシャはどちらかと言えばスピン系、クララはフラット系です。
スピン系って言っても、ループで粘るとかではありません。
スピンって聞くと、いまだに粘るってイメージが有ります。
アランチャの試合とか一杯見たせいかも(笑)
今は、スピン系って言えば、普通に強打も含みますよね。
トップスピン系ハードヒッターが全盛の時代ですから。
コナーズのような打ち方の選手はプロでは全く見ません。
男子はとっくの昔にそうなってて、女子でもフラット系強打の選手は少なくなってきてるかもしれません。
あ、話が脱線しました。
スピン系、フラット系というのは、2人を比べた場合の話で、もちろんそればっかり打ってるわけではないです。

1STセット序盤はクララが先行しました。
マーシャからすると、スピード有るクララのショットに慣れるのに時間がかかったのかもしれません。
リスキーなショットが多いクララはミスも多いです。
なので、この時点ではそれほど苦にしてたわけではないですが、やはりあのショットが入ってくると厄介です。
しかし、セット途中でブレイクバックに成功し、更にブレイクしてマーシャが先行。
そのままセットを先取します。
マーシャが慣れてきたのと、クララのミスの相乗効果だったと思います。

2NDセットは、クララがいきなり3ゲームを連取。
セットを先取したためか、マーシャは若干淡白になりましたかね。
次もクララがブレイクして、2ブレイクアップとなります。
その辺りから、マーシャは攻撃的になってきます。
あまりミスを恐れずにハードヒットしてました。
ファイナルセットを考えて、攻撃時の打球感を良くしておきたかったんでしょう。
しかし流れは変わらず、ファイナルセットもクララがいきなりブレイク。
この辺りから、お互い一歩も引かないストローク戦になります。
とにかくミスが少ないです。
あれほどリスキーに見えるショットの打ち合いで、これは驚異的です。
マーシャはクララの高速ショットが深く入ってきても、下がらずに姿勢を低くして返球。
それまでは食い込まれてネットすることも有りましたが、そういったミスが極端に少なくなります。
セット中盤辺りでは、ほとんどゼロと言ってもいいぐらいでした。
クララもますます攻撃的に打っていきますが、やはりミスがほとんどないです。
何であれが入るのか?ってぐらいにオンラインに決まりまくってました。
ゾーン状態のフラット系強打の凄さを目の当たりにして、目が点になりましたよ。
特にバックの打ち合いが凄かった。
お互いに、コーナーのLの部分を狙って打ってるかのように、オンラインぎりぎりに攻撃的なショットが放たれます。
そういう打ち合いにも関わらず、お互いに何とか返球するのです。
サーブも工夫してましたね。
クララは緩急をつけてました。
もっと早いサーブを打てるんだけど、遅めの1STサーブを何回も打ってました。
そして、重要なところではフォアにスライス気味のサーブを打ちます。
これが効果的で、かなりリターンミスを誘ってました。
マーシャは基本的にはバック側にサーブを打つことが多いですが、フォアへ打つタイミングが良かったです。

ファイナルセットは、クララが1ブレイクアップのまま終盤へ向かいます。(だったはず。)
そのクララのサーヴィング・フォー・ザ・マッチを、マーシャがブレイクに成功。
このゲームは凄かった。
いや、その前のクララが5を取った後のマーシャのサーブの時だったかな。
これをブレイクされればクララの勝利です。
このゲームはクララに何回もブレイクチャンスが有りましたが、何回もデュースを繰り返した末、何とかマーシャがキープに成功。
もう1球1球に目が釘付けでした。
クララの高速ショットはますます冴えを見せ、クロス、ダウンザラインとオンライン気味に放たれます。
あのテニスが常に出来れば、TOP10も夢ではないレベルのテニスです。
まー、その「常に」ってところが一番難しいんだろうけどね。
リスキーなテニスですからね。
マーシャが何とかキープした後、その次のクララのサーブは比較的簡単にキープ。
次のマーシャのサーブがまたしてもブレイクされます。
せっかくピンチを逃れつづけてきたのに、って思った人は多かったはず。
次のサーブをクララがキープし、7−5でセットを取るとともに勝利を決めました。


◇vol.2へ続きます。


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