Dream Match 2008
ドリームマッチ2008 〜伝説の女王たち〜
2008/3/15(土) Vol.3  戻る トップへ


◇vol.2からの続きです。


◆伊達公子 (JPN) def. Steffi GRAF (GER) 6-2 6-3

最終試合です。
この時点で既に大満足だったので、俺からするとボーナストラックのような感じでした。
全3試合の中で、この試合だけが2セット+スーパータイブレイクのルールです。
他の2試合は8ゲームプロセットと前座扱いなので、これがメインカードということですね。
俺の中では2試合目がメインでしたが、開催地が日本だし、会場があのフェドカップ96と同じ有明ということも有って、不満は有りません。
試合前のウォームアップで驚いたことが有ります。
数本だけでしたが、シュテフィが両手バックを打ってたんです。
10年近く彼女のテニスを見てますが、初めて見ましたよ。
スマッシュ練習も彼女だけやらなかったし、何か変だなとは思ってたんですよね。
試合が始まって少し経つと、その理由が分かってきました。
さっきの試合とストロークのフォームが明らかに違っていて、たぶん肩が痛いのかな?って打ち方に見えました。
よく見ると、ももにテーピングもしてます。
マルチナとの試合では最後まで集中してプレイしてましたが、競った内容ということも有り、ついつい現役当時と同じようなイメージでプレイしてしまったんでしょう。
おそらく、ネットプレイヤーのマルチナとは比較にならないぐらい、身体へ負荷が掛かってたに違いありません。
まず、バックのスライスが前に飛ばないんです。
彼女のスライスは打点が後ろ気味だから、前へ押す力が無いとボールを飛ばすことが出来ないでしょう。
いつもにも増してバックハンドを打たないようにしてたし、打ったとしてもネットにも届かずにポイントを落とすことが結構有りました。
こうなってしまうのはよく分かるなー。
素人ながら、肩が痛くてシングルハンドのスライスやボレーが打てないのを同じように経験してるからです。
この時ほど両手バックに感謝したことは有りません。
両手だと、少なくともボールを前に飛ばすことは出来ますからね。
まずはバックハンドの異変に目が行きましたが、よく見るとフォアも違う打ち方をしてました。
打点をフラット気味にして前に押し出すだけでボールを飛ばしてました。
つまり、回転量がほとんどないボールです。
これはこれでスピードは結構有りましたが、球威が無いためか、伊達ックが苦にする様子はほとんど無かったです。
フットワークもさっきの試合とは段違いに悪く、遠いボールは追わずに見送ってました。
それでも序盤は何とかゲームを取ってましたが、そんな状態ではポイントを連取していくことは無理です。
左右に振られて最後にバックハンドでミスをする、もしくはフォアで際どいコースを狙いすぎてミスする展開が続き、伊達ックがゲームを連取して6−2でセットを先取しました。
1STセットの終了間際(だったような?)、シュテフィは肩の治療(というかマッサージかな)を受けました。
棄権してもおかしくないプレイ内容でしたが、何とか続けようとしてたみたいです。
それでも2NDセットの序盤はかなり頑張ったんですよね。
痛みは引いてなかったかもしれませんが、バックのえぐるようなスライスを再び打ち始めました。
伊達ックがラリーの末にボールを持ち上げきれずにネットするポイントが何本か有り、スコアはともかく拮抗するポイントがかなり有りました。
フォアは相変わらず押し出すだけの打ち方だったかな。
普段は滅多にやらないサーブ&ボレーやアプローチ&ネットもかなりやってました。
但し、アプローチで勝負しているわけではないので、ポイントに繋がることは少なかったです。
体に負担がかかるストロークの打ち合いを減らそうという意図だったと思います。
そんな感じでかなり頑張ってましたが、これでは勝てるはずも有りません。
2NDセットも伊達ックが6−3で取り、96年のフェドカップ以来(?)の勝利をあげました。
それにしても、伊達ックはかなりの好調ぶりでしたね。
マルチナと対戦した時のシュテフィが相手でも、かなり良い勝負になったように思います。
まず、サーブがかなり早くなったように感じました。
現役当時は、見てるこっちがサーブに注目してなかったから覚えてないだけかな。
両手バックからのスライスもかなり良かったです。
当時はスライスのイメージはほとんどなかったですが、今日は浮かずに走るスライスを打ってました。
ストロークにもキレが有りました。
これは終盤に行けば行くほど感じました。
リターンも良かったです。
リターン時の立ち位置がベースラインより前なので、そこから更に前に踏み込んで打ってました。
まさにライジングスターの面目躍如と言った感じでした。
半年間準備をしてきたと紹介されてましたが、相当ハードな練習を積んだんではないでしょうか。
いくら身体が覚えてるとは言え、生半可な準備であそこまで出来るとは思えません。
そこまで準備してきた彼女には、ちょっと残念な試合順でしたね。
最初はまだ身体が温まりきってないマルチナが相手、2試合目は負傷したシュテフィが相手ですから。
そう考えると、試合には負けたけどマルチナが一番良い順番でしたよ。
3人のプレイスタイルを考えると、シュテフィが一番身体に負担が掛かるスタイルですよね。
マルチナはスライス&ネット、伊達ックはライジングと、少ない力でポイントを取るのが基本的なスタイルですから。
そういうのも影響したのかも。
このまま伊達ックが普段の生活に戻っちゃうのはもったいないなー。
現役時代に近いトレーニングってそうそう出来ないものだと思うので、身体が元に戻る前に何かやって欲しいと感じた内容でした。


ここ数年で最も期待値が高かった大会が終わってしまいました。
期待値が高い時はガッカリすることも多いですが、全体を通して期待値以上の内容でした。
もっと楽にプレイしてもいいようにも思いますが、トッププレイヤーのプライドが有るだろうし、やってるうちに真剣になってしまうんでしょうね。
何となくですが、これは男子よりも女子のトップに多いような気がします。
この大会は東レPPOの25周年?記念として開催されました。
ということで、会場の警備も同じ会社みたいでした。
(警備の上のほうの人たちが見たこと有る顔だった。)
9月の東レPPOを見に行く方は、AIGの開放的な雰囲気を想像すると痛い目に合いますよ。
場所が変わっただけで、他は東京体育館と同じと考えたほうがいいでしょうね。
まず、入れるスペースがチケットによって完全に分けられてます。
AIGではアリーナ席だけがチケットチェックの対象ですが、SS席やS席にも柵が有りました。
今日はアリーナしか行かなかったけど、もしかしたらアリーナチケットで自由席に座るのもダメなんだろうか?
さすがにそこまではしないか・・・。
まー、座席については制限有っても仕方ないとしても、コートの外の通路が通れないのはかなり不便です。
(コートを見ることが出来るコロシアム内の通路ではなく、西口と東口をつなぐコート外側の通路のことです。)
コロシアム正面の西口の男子トイレは臨時で女子トイレになってました。
女子トイレは混んでる時が多いので、これは全然良いんですよ。
でも、そこから東口の男子トイレに行くのに、コート内の狭い通路を通っていかないとダメなんです。
例によって出入口は滅茶苦茶混んでるし、通路も込んでるから、トイレに行くのも一苦労です。
西口から東口の売店に行くとか、その逆もかなり時間が掛かると思ったほうが良いです。
あ、もしかしたら、選手入退場口と反対側の通路は通れたんだろうか?
いつもそっち側は通らないから考えてもいなかったけど。
それから、まさかアリーナ席は飲食禁止ではないよね?
行列出来てた売店に並ぶのは時間がもったいなかったから、今回は何も食わずに見てたから分からんけど。
まー、秋の東レを見に行けば分かるでしょう。
文句はその辺にして・・・。
3人ともサーブやストロークのフォームが変わってなかったですね。
当たり前なんだけどね(笑)
体型も変わってなくて、現役選手と変わらないほどシェイプされてました。
そうだろうと予想してましたが、実際に見ると嬉しかったです。
辞めた後に凄く太ってしまう選手もいるけど、だったら表舞台には出ないで欲しいと思います。
熱狂した選手達には、やっぱり美しく歳を重ねて欲しいじゃないですか。
今回はそれを確認する事が出来たのも良かったです。
次はいつ見ることが出来るんだろうか、こういう試合。
(一時期は毎年のようにやってた男子のシニアツアーも、日本での開催は無くなったみたいだし・・・。)
準備が大変だろうから、そんなにたくさん無くていいから、たまにはまた見たいです。
いくらでも出しますよ、こういう大会だったら(笑)
次回を期待しつつ、この辺でレポートを終わります。


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