ニッケ全日本テニス選手権 83rd
NIKKE All Japan Tennis Championships 83rd
本戦7日目 2008/11/15(土) Vol.1  戻る トップへ


◇vol.1からの続きです。


◆4-伊藤竜馬 def. WC-守屋宏紀 6-4 6-4
05
男子シングルスSFの2試合目です。
守屋君の試合はAIGの予選でちょっとだけ見ましたが、じっくり見るのは初めてです。
彼は柔らかい動きで全てをスムーズに打ちますね。
打つタイミングも速くて、しなやかなプレイスタイルっていう印象を受けました。
しなやかって意味では、何となく猫科っぽい感じか?(笑)
プレイスタイル全般としては、男子選手に多い硬いイメージではなくて、どちらかというと柔軟なイメージが有る女子に近いかな。
これは悪い意味ではなく、彼の武器のひとつでしょうね。
女子選手って、関節や筋肉が柔らかい反面、筋量が少ないからか、テイクバックとかフォロースルーとかが男子と違ってくるんですよ。
これは写真を撮ってるとよく分かります。
打ってるショットを見ると非力な感じは全くない守屋君ですが、打つ動作に関してはそういう印象を受けました。
ショット的にはバックのクロスが鋭いですね。
それと、低いボールをあまり苦にしないようでした。
一見ネットしそうな感じで打つのですが、打球はしっかりネットを超えるんです。
特にフォアハンドでこれを感じました。

この試合が始まる前に、コロシアムの屋根が閉まりました。
前の試合の終盤から、既に小雨が降ってきてたようでしたね。
それでも最後まで試合やってましたけど。
インドア状態のなか、試合が始まりました。
1STセットは、第1ゲームの守屋君のサービスダウンが響き、伊藤君がセットを先取しました。
初めのブレイク以外はオールキープだったので、伊藤君のフォアハンドに慣れるのに1ゲーム必要だったということかもしれません。
2NDセットも、守屋君が先にサービスをブレイクされました。
やっぱり伊藤君が優勢なのかな、と思いましたが、次の伊藤君のサーブがブレイクゲームとなり、ブレイク差なしに戻りました。
その後の、3オールからの伊藤君のサービスゲームが、今日の鍵となるゲームだったかもしれません。
ここは守屋君に何本かブレイクポイントが有りました。
確か15−40じゃなかったっけ?
そのブレイクポイントで、2NDサーブへのリターンミスが痛かったですね。
守屋君はリターンはかなり上手いですが、ここは取りたいという場面でほとんどリターンがネットしてたように思います。
実際はそんなに多くなかったかもしれませんが、その場面が印象に残ってるからそう感じたのかもしれません。
ここは伊藤君が際どくキープに成功して4オールになりました。
次の守屋君のサーブが0−40になります。
チャンスの後にピンチありとは、まさにこのことです。
前のゲームでチャンスを逃がしてちょっと気落ちしたんでしょうか。
0−40までの3ポイントは守屋君のミスだったと記憶してます。
そのまま伊藤君がブレイクに成功し、5−4でサービング・フォー・ザ・マッチを迎えました。
守屋君はこのゲームでもブレイクポイントが有りました。
こうやって各ゲームを追っていくと、守屋君がセットを取っても全然おかしくない流れだったのがよく分かります。
逆に言えば、そういう際どい場面でポイントしていくのが上位選手であるとも言えますね。
ブレイクピンチは有りましたが、最終的には伊藤君がキープ。
6−4でセットを取って勝利しました。

試合を見ていて思ったのは、やりにくいのは伊藤君かな?ってことでした。
特に2NDセットはそう見えました。
守屋君のショットはタイミングも速いですが、バウンドしてから更に伸びてくるんですよね。
セット途中、守屋君はドロップ&ロブとかやってました。
要所でネットにもついてました。
ストロークだけじゃなくて、色んな引き出しを持ってますね。
伊藤君については、フォアの威力はもちろんですが、今日はサーブの配球が上手かったと思います。
特にデュースサイドでのスライスサーブが印象に残ってます。
試合終盤のピンチの場面で、これは有効でした。
両セットとも1ブレイク差の6−4と効率よくセットを取った伊藤君が、明日の決勝に進みました。


◆1-岩渕聡/松井俊英 def. 3-石井弥起/近藤大生 6-3 6-4
06
レポートを短くと書いたにも関わらず、やっぱり長くなってきました。
ここからは短めにいきたいと思います。
これはどちらが勝つか、予想がつかなかった試合でした。
どちらも固定ペアで、過去に全日本で優勝してます。
石井/近藤ペアのオーソドックスなプレイの強さは何回か間近で見てます。
佐藤博康/黎明ペアに勝った試合とか凄かったですから。
全日本優勝経験者の彼らが何も出来ないように見えましたからね。
しかし、今日はショットのパワーにやられた感が有りました。
両セットともに序盤にブレイクを許し、相手に思い切りプレイ出来る状況を作ってしまったのも、そうなった要因のひとつでしょう。
もっと競うかと思ってましたが、思いのほか差がつきましたね。
実際は競った試合でしたが、予想よりも一方的だったからそう感じたんだと思います。
ディフェンディングチャンプの岩渕/松井ペアが決勝に進出した試合でした。


◆6-クルム伊達公子/藤原里華  def. 5-新井麻葵/飯島久美子 6-2 6-1
07
1番コートの第2試合です。
途中で降雨中断になり、その後、コロシアムの第5試合に組み込まれました。
1番コートでやってる時は、1STセット中盤を少しだけ見ました。
とにかく凄い人でした。
2番コート側にも観客がびっしり。
コートをぐるりと人が囲んでいて、写真を撮るどころかコートを見るスペースすら無い。
何とか隙間を見つけて、ちょっとだけ写真を撮りました。
その後は見てませんが、2NDセット第4ゲームの途中で雨が降ってきて中断になったようです。

2NDセットの第4ゲームからコロシアムで試合再開です。 新井麻葵ちゃんのサーブで1−2のデュースからでした。
既に中断からかなり時間が経ってました。
テニス選手になれば日常とは思いますが、集中力やコンディションを保つのは大変でしょうね。
このゲームを伊達/藤原ペアがブレイク。
その後は彼女達がゲームを連取して勝利しました。
何かあっという間に終わった感じでした。
確か、1STセットの序盤は2−0で新井/飯島ペアがリードしてたんですよ。
伊達ックと里華ちゃんは、その後は1ゲームしか許さなかったということですね。
直前の有明$50Kでも同じ対戦を見ましたが、その時はもっと競った展開でした。
今日も競ったポイントは有りましたが、全体的には伊達/藤原ペアが圧倒した印象です。
じっくり見たのが試合後半だけってことも有りそうですけどね。
伊達/藤原ペアが決勝進出を決めた試合でした。


◆1-岡本聖子/佐藤博康  def. 井上明里/篠川智大 7-5 2-6 [10-4]
08
今日の最終試合です。
学生ペアに期待してましたが、正直なところ、ストレートで完敗かなって思ってました。
ここまで競った試合になるとは。
勝てるかもしれないと感じましたからね。
実は、今日はシングルスだけ見て帰ろうと思ってました。
今ごろになって(というか1ヶ月ぐらい前からだけど)東レ、AIGの連日観戦の疲れが来てるらしく、疲労感がなかなか抜けないんです。
全部見るのはとても無理と思ってましたが、伊達ック出場のダブルスがセンターに組み込まれた事もあり、学生ペアがどんな試合をするのか見ていくことにしました。

序盤は第1シードの佐藤/岡本ペアがリードしました。
第1ゲームの篠川君のサーブがいきなりブレイクゲームとなりました。
この辺りでは、やっぱりトップシードペアが勝つんだろうな、って思ってました。
しかし、試合が進むに従って、篠川/井上ペアに良いプレイがどんどん出てくるようになってきます。
1STセット終盤辺りになると、どっちがセットを取ってもおかしくない流れでした。
しかし5オールからの2ゲームを佐藤/岡本ペアが連取し、セットを先取しました。

2NDセットは篠川/井上ペアが圧倒して取りました。
彼らはどちらも何でも出来るところが強みですね。
あまりミックスというのを意識する必要が無いのでは?
まず、井上明里ちゃんのボレーのプレースメントがとても良いです。
前衛の彼女に甘いボールは禁物です。
彼女の届かないところにパスを打たないと、ダウンザラインでもクロスでも簡単にボレーウィナーを取られます。
そう言えば、佐藤君相手にサービスエースを取ったポイントも有りましたね。
女子が男子に、しかもダブルスのトップ相手にエースです。
これには会場からも大きな拍手が送られてました。
リターンやストロークラリーで、ダウンザラインに打つタイミングも良かったです。
後ろで打ち合っても力負けしないので、篠川君は前で動きやすいでしょうね。
篠川君は、取れるボールは何でも取るって感じで、動き回ってました。
彼もダブルス上手いです。
比嘉君と組んだ試合とか、動きが有って物凄く面白かったですからね。
1STセット中盤以降、篠川君はサーブのバリエーションも増やしてきました。
1STサーブから回転量が多い(つまりスピード的には遅めの)スピンサーブを打ったりしていて、要所でスピードサーブを打つのです。
スコアが追いついて、内容的にも余裕が出てきたんだと思いました。

相手の佐藤/岡本ペアは、男女の役割がはっきりしたペアです。
前にも書いたような気がするな、これは。
佐藤君がコートの半分以上をカバーして、聖子ちゃんは自分のところに来たボールをしっかり処理してチャンスメイクをする役です。
試合序盤はこれが上手くいってましたが、その後、セットオールになった辺りまでは、その弱点を突かれましたね。
佐藤君のカバー範囲が広いということは、それだけコートに空きが出来るということです。
そこに鋭いショットやボレーが来るので、ダブルス巧者の佐藤君とも思えないほどミスが多かったです。
聖子ちゃんにもプレッシャーがかかったんでしょう。
彼女のボレーミスもかなり有りました。
その流れでセットオールになり、マッチタイブレイクに入りました。

2NDセットがかなり一方的だったので、このマッチタイブレイクは学生ペアにチャンスが有ると思ってたんですけどね。
序盤からリードを許したのが痛かったです。
タイブレイク序盤の勢いの差によって、展開が2NDセットとガラっと変わってしまいました。
佐藤/岡本ペアは、ここでかなり積極的にプレイしてきました。
集中力も上げてきたように思います。
特にそれまでミスが多かった聖子ちゃんのボレーが決まりまくったのが大きかったです。
佐藤/岡本ペアが次々とリードを広げていき、タイブレイク中盤辺りでミニブレイク数が3つとか4つとかだったと思います。
そのままトップシードペアが10−4でマッチタイブレイクを制し、優勝を決めました。

優勝スピーチで聖子ちゃんが言ってましたが、佐藤君も含めて4人とも学生テニス出身とのこと。
(篠川君と井上明里ちゃんは在籍中だけど。)
なので、大学生の決勝進出は嬉しいと話してました。
スピーチは4人全員有って、篠川君と明里ちゃんも主催者や大学関係者への感謝をしっかり話してました。
久しぶりの学生チャンピオンを目指してたと言ってましたが、あと一歩でしたね。
佐藤君は3回目の優勝で、今日を含めてその内2回は聖子ちゃんとのペアだそうです。
そう言われてみると、前回の優勝も見たような記憶がありますね。
トップシードの佐藤/岡本ペアが苦しみながらも最後の最後で若手ペアを突き放し、2回目の優勝を決めた試合でした。


今日はこんなところです。
前にも書いたように、シングルスだけ見て帰るつもりでしたが、結局最後まで見てしまいました。
面白い試合を見れたから良かったですけどね。
雨で夕方からコロシアムの屋根が閉まったから、寒さをそれほど感じずにすみました。
冬の寒い時期は、昼間→屋根を開ける、夜→屋根を閉める、このパターンが一番良いかも。
とは言え、今日最後まで見てしまったので、明日は休養に当てます。
東レとAIGの連日観戦の疲れがまだ取れてません。
もう1ヶ月以上経ってますけどね・・・。
やはり、3週間のうちの2週間フル稼働は、かなりキツイです。
笑い話じゃなく、生観戦ってホント疲れるので。
来年は大阪のジャパンオープン女子を含めて3週連続になるので、観戦方法を考えないといけないな。
愚痴が多くなりました。
女子シングルス決勝の後、佐伯美穂ちゃんの引退式(のようなもの)が行なわれました。
これって毎年やってるやつですよね。
女子決勝の表彰式の直後にコロシアムから出たのでほとんど見てませんが、最後の写真撮影だけ少し見ることが出来ました。
伊達ックと友里加ちゃんは分かったけど、あと1人は浅越しのりんかな?
いや、NHKで解説やってた吉田友佳ちゃんか?
最近目が悪くなってきて、あの距離だとよく見えない・・・。
翌日は見に行ってませんが、男子シングルス決勝は添田君がフルセット勝ちで優勝を飾りました。
彼にしてみれば、ようやく勝ったという感じでしょうか。
これで来年からは全日本に拘らなくて済みますね。
もう出る必要無いように思いますが、リラックスして望めそうだから、何連覇とかしちゃうかもしれない(笑)
さて、来年はどんな選手が活躍するのでしょうか。
現時点では見に行くかどうかも全く分かりませんが、来年が楽しみです。


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