ニッケ全日本テニス選手権 83rd
NIKKE All Japan Tennis Championships 83rd
本戦7日目 2008/11/15(土) Vol.1
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今年も全日本選手権を見に行ってきました。
伊達ックが決勝進出ですね。
今週は結構忙しい1週間で直前まで迷ってましたが、準決勝の結果を見て、行くことに決めました。
(最近、このパターンが多い。)
冬の全日本はとっても寒いイメージが有りましたが、今日はそれほどでもなかったです。
愛ちゃんがダブルスに出た年とか、滅茶苦茶寒かったですからね。
厚手の上着やカイロを準備していきましたが、夕方からコロシアムの屋根が閉まったこともあり、全く必要無かったです。
昼間は日差しが有って、11月にしては暖かい日でした。
やっぱり地球温暖化の影響ですかね?
今回は、レポートにあまり時間をかけないようにしたいので、短めに書こうと思います。
今まで何回かそう書いといて、結局長くなってますが・・・。
さて、さっそく試合に行きましょう。
◆7-クルム伊達公子 def. 9-瀬間友里加 6-3 6-3
01
女子シングルスの決勝です。
伊達ックが出場するということで、全日本選手権とは思えないほど観客が多かったです。
数年前から増加傾向でしたが、彼女の出場で何倍にも膨れ上がった感じですね。
試合開始のちょっと後にコロシアムに入ったので、前のほうの席はほとんど有りませんでした。
1階席(緑色のゾーン)は満席、2階席(青)は半分ぐらい、3階席(オレンジ)は空席が多かったかな。
伊達ックの決勝進出も凄いですが、相手が瀬間友里加ちゃんなのも驚きでした。
彼女は、不田涼子ちゃん、岡本聖子ちゃん、よねともちゃんと、有力選手をなぎ倒して決勝に上がってきました。
久々に彼女のシングルスを見ますが、どんなプレイをするのか楽しみでした。
コロシアムに入ってスコアを見ると、伊達ックが第1ゲームの友里加ちゃんのサーブをブレイクして、次の自分のサーブをキープして2−0とした辺りでした。
出入口で待ってたから内容は分かりませんが、次の第3ゲームもブレイクゲームとなり、伊達ックが3−0とリードしました。
第4ゲームの伊達ックのサーブをブレイクし、友里加ちゃんはようやく1ゲーム取る事に成功します。
1ゲームは返しましたが、このセットの彼女は、なかなか自分の展開に持っていくことができなかったです。
ブレイク出来たのも、伊達ックのミスでのポイントが多かったしね。
自分のサービスでも後手に回ることが多く、なかなかキープが出来なかったです。
伊達ックは、厳しいサーブに対してはスライスのブロックリターンで上手くしのぎ、甘いサーブは容赦なくダウンザラインへ打ち込んできます。
つまり、リターンでのミスがほとんど無いのです。
ラリーになってしまうとサーバーの有利さが無くなってしまい、先に深いショットで攻撃してたのは伊達ックでした。
友里加ちゃんは、詰まらされた感じでボールに伸びが無く、浅いショットが多くなってましたね。
バウンドが高くなるスピン系とは言え、サービスライン近辺にバウンドするショットでは攻撃に繋がりません。
伊達ックのボールを返球するだけになってしまう場面が多く、なかなか自分の攻撃に持っていけないようでした。
彼女は日本人には珍しく、スピン系のショットが持ち味です。
ループを上手く使ったりとか、やり方によっては良い勝負になるかと思ってたんですけどね。
まー、それだけだと、伊達ックのチャンスになってしまいますが。
友里加ちゃんのサーブは0−40になることが多く、そのままブレイクされるゲームが多かったです。
その流れで、伊達ックが6−3でセットを先取します。
2NDセットに入ると、、強いショットを打ち始めた友里加ちゃんが久々にキープに成功しました。
スピンよりもスピードによる攻めに切り替えたんでしょうか。
深いショットが入り始め、ポイントを取れるようになってきます。
セットが変わって、新たな気持ちで集中して望めたのかもしれません。
第4ゲームの友里加ちゃんのサーブがロングゲームになりました。
どちらかと言えば彼女が有利なスコア展開で、ゲームポイントが何回か有りましたが、最終的には伊達ックがブレイクして3−1。
次もキープして4−1とリードしました。
1STセットよりは競った内容でしたが、これは勝負有ったかな、ってこの辺りでは思ってました。
友里加ちゃんの次のサーブ(第6ゲーム)もブレイクピンチが有りましたが、ここは何とかキープに成功。
ブレイクされてたら1−5と大差になってしまうので、よくキープしたと思います。
さっきも書いたように、2NDセットに入って少しづつ深いショットが打てるようになってきました。
伊達ックのミスも含めてポイントが取れるようになり、次のゲームをブレイクして3−4として、ブレイク差なしに戻しました。
そう言えば、劣勢だからか、友里加ちゃんへの声援が結構多かったですね。
完全なアウェー状態かと思ってましたが、良いショットに対しては同じぐらいの拍手が有ったし、一方的な応援ではなかったです。
次のサーブをキープすれば4オールに追いつくチャンスでしたが、ここがブレイクゲームとなり、伊達ックが5−3と王手をかけました。
最後はサービング・フォー・ザ・マッチのゲームを伊達ックがキープし、6−3で勝利しました。
伊達ックはミスが結構多かったです。
昔からだと思いますが、チャンスボールを待ちきれないでネットに掛ける場面が有りました。
それでも相手からしたら脅威なのかもしれませんね。
結果的にミスとなっても、打ちこまれるわけだから。
友里加ちゃんは得意のフォアのスピンで攻撃する場面があまりなかったです。
というより、使えなかったというべきか。
相手をコートの外に追い出すようなショットを打てれば、もっと良い勝負が出来たんじゃないでしょうか。
それには、もっとフットワークや予測を良くして、相手の攻撃を凌ぐことも必要でしょうね。
男子トップは当然のことながら、女子でも上位に行くには重要な点だと俺は思います。
ここ最近は特にそう感じます。
世界レベルで言えば、男子ではマレーやシモン、女子ではヤンコヴィッチ嬢などですね。
チャンピオンシップスで決勝進出した、ヴェラ(ズボナレワ)もプレイスタイル的に似てると思います。
男女ともに、毎年のように攻守のレベルが上がっていってるように見えます。
今までナダルだけに感じていたことが、他の選手にも感じるようになってきましたから。
安定して勝つためにも、守りを固めつつカウンター系のショットを放つタイプの選手はますます増えていくのかもしれません。
日本人選手に置き換えると、杉山愛ちゃんが長く上位にいるのは、守備力が抜きん出てるからですよね。
相手のショットを受け止める力の有無が、これからの日本人選手のランクを決めるのかもしれません。
話が飛びました。
伊達ックは、最初は全日本で出ることが目標でしたよね。
出場が目標だったのに、何と優勝してしまいました。
最近思うのは、やはりトップに近づいた人は持ってるものが違うなってことです。
才能や肉体的なものだけではなく、とことん自分を追い込める精神力とかもですね。
考えてみれば、世界中から才能を持った選手達が集まり、その中で勝負をしているわけだから、頑張っただけじゃどうにもならないことも多いように思います。
逆にいうと、頑張っただけで何とかなるんなら、その世界はあまり成熟してないということでしょうね。
伊達ックに負けた若手は叩かれますが、そう考えると、それは見当はずれなのかもしれません。
少年野球チームに元プロ野球選手が混じったとして、彼がホームランをボカスカ打っても、誰も少年達を責めたりしないでしょう?
上手い例えを考えつかなくて、何か変な例えになってるけど(笑)
国内の選手達に失礼って感じがしないでもないし・・・。
もちろん努力や工夫は必要だろうけど、それだけではどうしようもないことも有るんでしょう。
これはスポーツだけに限った事ではなく、何でもそうだと思います。
トップ10常連だった伊達ックですから、TOP10辺りの選手達が負け続けた場合に初めて叩くべきなのかもしれません。
まー、どんな理由にしても無責任に叩くのはちょっとどうか?と思いますが・・・。
何はともあれ、16年ぶりの優勝は凄いです。
伊達ックはスピーチで、40歳で全日本に優勝した宮城黎子さんのことが励みになったと言ってました。
ずっとそのことが頭に有ったと言ってたので、苦しい時も宮城さんのことを思い浮かべて頑張ろうと思ったんでしょう。
宮城さんより2歳も若いですから、伊達ックは。
来年はツアー参戦でしょうか。
まだまだやると話してたし、その後に全豪の予選に挑戦との報道が出たので、本格的に世界に挑戦ということでしょうね。
本来の彼女の力からすると、今までは助走であって、やっとスタートラインに立った段階と言ってもいいのかもしれません。
これからの彼女に注目です。
◇練習
杉田祐一、吉備雄也 with ボブ・ブレッド
02
3番コートで、杉田君と吉備君が練習してました。
コーチは、あのボブ・ブレッドです。
有明で彼を見ることは多いので、結構頻繁に来日してるみたいですね。
ボブが杉田君と契約したという話はちょっと前に聞いたことが有ります。
何で吉備君が一緒にいるんだろうって思いましたが、よく考えたら、彼らは共に早稲田の学生なんですよね。
杉田君が学生の大会に出ないことも有って、そのことに思い至らず、しばらく気づきませんでした。
それにしても、ボブの球出しは厳しいです。
取れるかどうか、ぎりぎりのところにスピード有るボールを送るのです。
世界的に有名なコーチだから当然と言えばそうなのですが、あれは結構難しいことなのでは?
ベースライン付近から、相手のコートのコーナーに球出しで速球を打つんですからね。
見た時は、ストローク側はランキングパス、ボレー側は鋭角に打つという練習をしてました。
その後はランキングフォアと回りこみフォアのコンビネーションでした。
どっちもストローク側は振り回されて、かなり厳しい練習でした。
◆米村明子/米村知子 def. 青山修子/川村美夏 2-6 6-0 6-2
03
1番コートの試合です。
見たのは2NDセット中盤から終盤です。
次に伊達ックが登場するからか、既に観客が一杯でした。
スコアボードを見て、1STセットは早稲田ペアが6−2の大差で取っててびっくりしました。
2NDセットは逆に米村シスターズのベーグルでした。
ストロークで押してたのと、要所でのボレーの決定力の差でしたね。
1STセットはどんな展開だったのか見たかったです。
米村姉妹が明日の決勝に進出です。
◆1-添田豪 def. 3-岩渕聡 1-6 7-6(1) 6-4
04
男子シングルスのSFです。
3年前の決勝と同じカードですね。
試合序盤は休憩がてらにアザーコート巡りをしてました。
コロシアムに戻ると、1STセット4−1(3−1?)で岩渕君のリードでした。
その後は、彼があっという間に6−1で取った印象です。
数ゲームしか見てませんが、早く終わるポイントが多く、スコアも内容も岩渕君が有利な展開でした。
2NDセットは、1つめか2つめの岩渕君のサーブがロングゲームでした。
何回デュースを繰り返したんだろうか。
添田君に何回もブレイクポイントが有りましたが、それを凌ぎ続けた岩渕君がキープに成功しました。
その後はオールキープでタイブレイクへ。
タイブレイクは、ライン際に際どく配球した添田君が5−1と大幅リードします。
左右のラインに乗るようなショットが多く、それで相手を崩してのポイントが多かったです。
あれが全部アウトだったら、どうなってたんだろう。
まー、勝負に「たられば」は無いですけどね。
添田君がそのまま6−1でタイブレイクを取り、セットオールとしました。
その後は、センターコートからちょっと離れました。
戻ってきたら、ファイナルセットの3オールまで試合が進んでました。
4オール後の岩渕君のサーブで試合が動きました。
このゲームは0−40のトリプルブレイクポイントになります。(だったはず)
その前に、岩渕君がアウトだと見送ったロブがサイドラインに乗ってたポイントが有りました。
あのポイントは大きかったよなー。
あれで0−30になりましたからね。
そのゲームをブレイクした添田君が1ブレイクアップの5−4として、サービング・フォー・ザ・マッチを迎えました。
最後はイージーボールをスマッシュで決めてキープした添田君が、フルセットのロングマッチに勝利しました。
序盤を見た時は、添田君は岩渕君が苦手なのかと思いました。
一方的に取られるポイントが多かったし、自分の攻撃でポイントすることが少なかったです。
攻撃したとしてもうまく逃げられて、チャンスボールをキレの有るショットを打ち込まれるパターンが多かったですね。
間近で見た3年前の決勝での敗戦が頭に残ってたから、余計にそう感じたのかもしれません。
2NDセット以降は、岩渕君のショットに慣れてきたようでした。
自分から攻撃するポイントが明らかに増え、それによって岩渕君のミスを引き出すことが出来るようになったようです。
勝利した後、添田君は安堵したような表情に見えました。
今年こそという思いは当然強かったでしょうからね。
岩渕君の圧倒的な流れから、諦めずによく我慢して勝利につなげたと思います。
トップシードの添田君が決勝に進出しました。
◇vol.2へ続きます。
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