慶應チャレンジャー国際テニストーナメント2007
Keio Challenger International Tennis Tournament 2007
ATP Challenger Series $35K+H
本戦6日目 2007/11/24(土)  戻る トップへ


本戦6日目です。
今日はちょっと早くて10時開始です。
第2試合のシングルスが「Not Before 11:00 AM」だから、その前にダブルスを持ってきたってところでしょうか。
今日も良い天気でした。
昨日同様に日差しが有ったので、日向はそれほど寒くなかったです。
会場に着いたのは10時半ぐらいでしたかね。
ダブルス決勝の途中から見ることが出来ました。
さっそく試合に行きましょう。


◆近藤大生/添田豪 (JPN/JPN) def. 岩渕聡/松井俊英 (JPN/JPN) 6-7(5) 6-3 [11-9]

第1試合です。
今日から2番コートだけで試合が行われます。
1コートだけになったので、集中して見ることが出来ますね。
試合は2NDセット序盤から見ました。
タイブレイクでセットを先取した岩渕/松井ペアが、2NDセットも序盤からリードします。
これはストレート決着かなーと思いました。
スコアをリードしてただけではなく、内容的にも岩渕/松井ペアが押してたからです。
しかし近藤/添田ペアが何とかブレイクバックして追いつきます。
そしてそのままゲームを連取し、逆にリード。
それまでと特に流れが大きく変わったようには感じませんでした。
近藤/添田ペアが僅かなチャンスをものにして、結果的にゲームを連取したという印象ですね。
確か、何回もデュースを繰り返してブレイクやキープをしたはずです。
2NDセット後半は、近藤/添田ペアが簡単にゲームを取ったして、有利な展開になりました。
その流れで、スコアをリードした彼らが6−3がセットを取り、セットオールとなりました。
流れというのは怖いです。
チャンスに大きくリードすることが出来ないと、その後にピンチになることが多いですからね。
ファイナルセットは10ポイント先取のマッチタイブレイクです。
ここでも岩渕/松井ペアがリードし、近藤/添田ペアが追いつく展開でした。
特に終盤は岩渕/松井ペアが大きくリードし(7−3か7−4ぐらいだったかな?)、流れ的に決まりかと思わせました。
しかしそこからまたしても追いつき、7オール、8オール、9オールとポイントが続きます。
最後は9オールからブレイクに成功し、10−9と初めてリードした近藤/添田ペアがきっちりサービスをキープ。
11−9の僅差でマッチタイブレイクを制しました。
仮設スタンドの間近から見ましたが、凄い迫力でレベルが高い試合でした。
試合前、この面子の中では、添田君がダブルスでは一枚落ちると思ってました。
でも、ほとんど遜色ない動きでしたね。
今日はお互いにI(アイ)フォーメーションを多用してました。
ひと昔前は奇襲の印象が強かったですが、世界的に見ても、もう普通の戦術になったようです。
近藤君と添田君は初めて組んだと表彰式で言ってました。
その初ペアが、全日本優勝ペアに競い勝って優勝した試合でした。

◇表彰式です。
 準優勝、優勝の順でした。
 珍しく4人全員のスピーチが有りました。
 松井君のスピーチが面白くて他の3人の表情も良いので、その1枚を載せます。


◆5-鈴木貴男 (JPN) def. 8-本村剛一 (JPN) 6-2 7-6(0)

久々の対戦じゃないですか?
この2人が対戦すると何故か緊迫した雰囲気になりますね。
今日も終盤は、物音立てるのも憚られるほどの緊迫感でした。
これって仮設スタンドで見てたからですかね?(笑)
試合序盤は貴男君が先行しました。
2ブレイクアップの4−0と大きくリード。
もうサーブの勢いが凄かったです。
これは最後まで一貫してましたね。
特に序盤は本村君が反応出来ないほどのサーブが続き、サービスゲームは簡単にキープしてました。
ストロークラリーではポイントを取りたい本村君ですが、ストローク戦でも貴男君が有利に展開してました。
本村君も色々とやろうとはしてたんですよ。
バック側へのスピンボールでの集中攻撃や、フォアバック両サイドからのダウンザラインへの攻撃等々。
でも、序盤はほとんどポイントに繋がりませんでしたね。
とにかく貴男君が好調で、フラット気味に強打したショットがコーナーに決まりまくってました。
1STセットは6−2ですが、印象としては6−0でもおかしくないですね。
よく本村君が2ゲーム取ったなーって印象でしたから。
2NDセット序盤も同じ展開でした。
本村君もサービスゲームは何とかキープ出来るようになってました。
しかしセット中盤で、デュースを何回も繰り返した末にブレイクされます。
今日の貴男君の出来からして、これは速攻で試合が終わりそうだと思いました。
でも、本村君は全く諦めてませんでした。
この辺が彼が日本のトップを長くキープしてた一因でしょうね。
あの流れでは、諦めても全然おかしくないですよ。
だってもう凄かったですから、貴男君の勢いが。
心のどこかに諦めが有ったら、その後の挽回は出来なかったに違いありません。
本村君はリターンが返るようになったのが一番大きいですね。
貴男君のサーブに慣れてきたのかもしれません。
この辺りになると、エース級のサーブにもコンパクトに合わせて返球出来るようになってました。
リターンウィナーも何本か有りましたね。
パスも抜けるようになってきました。
その流れで貴男君のサーブをブレイクし、タイに戻します。
確か2回ぐらい続いたかな、この展開が。
つまり、貴男君のサーブを2回ブレイクしたということです。
この粘りはさすがというしか有りません。
そしてタイブレイクに突入します。
スコアこそ7−0ですが、そこまで差が付いた感じはしないですね。
パスやリターンがホンのわずかアウトする、それが連続した結果、このスコアになったという印象です。
逆に、貴男君が集中してプレイしたからそうなった、とも言えるかもしれません。
ストレートセットでの決着でしたが、要所に見どころが有り、とても面白い試合でした。


◆1-Dudi SELA (ISR) def. Franko SKUGOR (CRO) 6-3 6-2

第3試合です。
午前中はコートに陽が当たりますが、試合終盤は完全に木陰になってかなり寒かったです。
SKUGOR(スクゴールかな?)はノーシードからSFに勝ち上がってきました。
クロアチアからはるばる来た甲斐が有りましたね。
海外に比べればランキング的にそれほど激戦区ではないと思うので、若手にチャンスが多い大会だったと思います。
ホスピタリティ付きだから宿泊費も掛からないし。(ですよね?)
彼はかなりの長身です。
相手のセラが小さいから余計そう感じます。
その長身を目一杯使って、低い姿勢からフラット系のストロークを打ちます。
外から見た感じだと、キレよりも重さが有るように見えました。
昨日の勝ち試合をそれほど詳しくは見てないですが、これまではそのパワーショットを炸裂させて勝ってきたんでしょうね。
しかし今日の相手はTOP100、しかもTOP50を狙おうかという位置に付けてるセラです。
それだけで勝てる相手では有りませんでした。
間近で見て凄いと思ったのは、セラはSKUGORのパワフルなショットを全く苦にしてないのです。
余程逆を付くとかしないと、1発でウィナーになりません。
それに加えて、セラは遠いボールをよく拾います。
決めのスマッシュやストロークを何本相手コートに返したことか。
SKUGORからしたら、ウィナーを放っているのにそれが普通に返ってくるのです。
これはたまったもんじゃありませんよ。
結果的に無理を重ねることになり、際どいミスが多くなってきます。
ストロークで決まらないからか、ネットにも結構出てましたが、決めのボレーをミスすることがかなり有りました。
その前のショットで多少無理してるから、あと1歩が出ないのかもしれません。
なかなかチャンスが来ないので、ようやく来たチャンスに力んでしまうことも有ったでしょう。
セラにもミスは結構有りましたが、それをほとんど感じさせない内容でしたね。
セラはベースラインから少し下がった位置から、スピンボールでラリーを組み立ててました。
AIGで見せたライジングショットは今日も使わないのかな?って思いましたが、2ブレイクアップした終盤辺りでは見せてくれました。
ベースライン付近から早いタイミングでSKUGORを振り回し、ポイントを連取してました。
セラがトップシードの貫禄を見せつけ、決勝に進出した試合でした。


今日はこんなところです。
ダブルス表彰式の前にBGMを流してました。
1曲目はBSBみたいな感じでしたが(違うかも?)、2曲目でマーヴィン・ゲイ&タミー・テレル(Marvin Gaye & Tammi Terrell)が出てきてびっくり!
曲は彼らの代表曲のひとつの「Ain't No Mountain High Enough」です。
こういう場面で聞くのは初めてかも。
だって1967年発売だから、40年も前の曲です。
俺が生まれる前だし、かなり古いですね(笑)
ここからはテニスを離れてマニアックな話になりますが・・・。
ダイアナ・ロス(Diana Ross)が70年にカバーしたバージョンも大好きですが、このオリジナルバージョンも大好きで甲乙付け難いです。
どちらかのバージョンを聴く時、ダイアナのバージョンをアレンジしたアシュフォード&シンプソン(Nickolas Ashford & Valerie Simpson)は凄いといつも思います。
同じメロディながら、まったく別の曲になってるからです。
オリジナルが耳に有る(つまり聴いたことが有る)状態で、あのアレンジは常人には考えられません。
つくづくプロは凄いと思いますね。
(彼らが作った曲だから、アレンジだけしたってわけじゃないですが。)
当時のモータウンはプロデューサー同士を競わせていて、売れないと担当から外されたってことだから、プロデューザー側も必死だったんでしょうけど。
ダイアナは、実はシュープリームス時代にテンプテーションズとジョイントした1968年のアルバムで、この曲を既にカバーしてます。
この時はマーヴィン&タミー版の全くのカバーなので、大幅なアレンジ変更が有ったわけでは有りません。
この曲ほどはアレンジが違わないけど、「You Keep Me Hangin' On」のカバーもれぞれ特色が有って良いです。
オリジナルのシュープリームス(Supremes:66年)、ギターサウンドで思いっきり陶酔した感が有るヴァニラ・ファッジ(Vanilla Fudge:67年)、ユーロビートっぽく聴きやすいアレンジのキム・ワイルド(Kim Wilde:87年)。
シュープリームスとキムのヴァージョンは全米1位になってます。
カバー曲で有名なのは、ロコモーション(The Loco-Motion)やダンシング・イン・ザ・ストリート(Dancing in the Street)、恋はあせらず(You Can't Hurry Love)など他にも色々有りますが、挙げていくとキリが無いのでこの辺にします・・・。
「Ain't No Mountain High Enough」のケースのように、オリジナルとカバーの両方が優れてるのってあまり有りません。
というか、ほとんど無いですね。
だいたい優劣付けられますから。
あくまで俺の中でってことですけど・・・。
ちなみにマーヴィン&タミー版はライブバージョンを聴いたことが有りません。
プロモーション・ビデオっぽいのは見たこと有りますが、レコードの音源をそのまま流してるだけです。
ダイアナ版のライブは、輸入版のみも含めて多く発売されてるので結構聴いてます。
この曲は彼女のライブでは必ず歌われていて、しかも後半の盛り上がってきたところでやることが多いです。
1曲だけ単独で歌うことも多いですが、「Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To)」と繋げて歌われることも有ります。
(タイトル通り、映画「マホガニー」のテーマソングで、日本ではネスカフェのCMソングとして有名。)
彼女が「Do You Know〜」と連呼しながら曲が変わっていく、連結部分のアレンジは結構好きです。
持ち歌が多い彼女のライブでは、シュープリームス時代を含めて、メドレー形式で曲が歌われることが結構多いのです。
他には、
・T.C.B → Stop! In the Name of Love
・Where Did Our Love Go? → Baby Love
・Stop! In the Name of Love → Come See About Me → My World Is Empty Without You → Baby Love
なども印象に残ってます。
というか、20年近くも折りに触れて聴いてるから、もう次の展開を覚えてるってだけかもしれませんが。
「Ain't No Mountain High Enough」は普通は女性コーラスがバックを務めることが多いですが、74年の「Live at Caesar's Palace 」では珍しく男性コーラスでした。
この曲のライブ版では、この男性コーラスによるこのアルバムが一番好きです。
低音部は力強く、高音部はファルセットによるハモリで、他のライブと印象が違うってことも好きな理由になってるかも。
このライブアルバムは1974年発売だから、ダイアナの声が若いです。
レコードではそれほどでもないですが、ライブ版だと年を経るごとにだんだんと低い声になっていってます。
男性ボーカルよりも女性ボーカルのほうが年齢を経ると声が変わりますよね。
男の場合は声変わりで大きく変わりますが、その後は女ほどは変わらないように思います。
年齢と共に声が変わったと言えば、ディオンヌ・ワーウィック(Dionne Warwick)を思い出します。
彼女の曲で最初に聞いたのは、87年にジェフリー・オズボーン(Jeffrey Osborne)とデュエットしてスマッシュヒットした「Love Power」です。
ここでは、どちらかというと男性であるジェフリーのほうが声質的には高いように感じます。
ディオンヌは低音の魅力というか、良い意味で枯れた感じの声質だと思いました。
その後、彼女の昔のライブやベスト版を聴きました。
いやいや、驚きましたよ。
サビで張り上げ系の高音の曲が多いし、声自体が若くて高いです。
「Don't Make Me Over」「Anyone Who Had a Heart」「You'll Never Get to Heaven (If You Break My Heart)」「I Say a Little Prayer」「Do You Know the Way to San Jose」など、良い曲も多いです。
普通は若い時の張りの有る声を先に聴いて、後から年齢を経た味わい深い声を聴くはずです。
同じ時代を生きてれば、当然そうなります。
その場合、若い時の曲を好きなほど、その落差にガッカリすることも多いでしょう。
しかし、後年の曲を先に聴いて好きになった場合、あまりそういうことは感じません。
1人のアーティストの別の声を複数回楽しめるという感じですかね。
ディオンヌの場合は、思いっきり若い時よりも、ちょっと声が落ち着いてきた70年代後半辺りが良かったりします。
地声とファルセットとの切替部分がより心地良く感じるからです。
その境い目のテクニックは素晴らしいです。
1981年発売のライブアルバム「Hot! Live And Otherwise」はその辺りが存分に活かされてます。
特に20分を超えるヒット曲のメドレーである「Hit Record Medley」は素晴らしい。
80年代のヒット曲だと、ビージーズ(The Bee Gees)のギブ兄弟が作った1982年の「Heartbreaker」が印象的です。
この曲は、聴いてすぐにビージーズ作曲だと分かりました。
メロディとバックコーラスに特徴有りすぎです(笑)
「Love Power」以外は全て90年代以降に後から聴いた感想ですけどね。
話を戻しますが、当時のモータウンでは、トップ歌手とデュエットさせて若手を売り出すという方法をよくとってました。
彼らの場合も、既にトップのマーヴィンと売り出し中のタミーを組ませたという図式です。
マーヴィン自身もメリー・ウェルズ(Mary Wells)とデュエットしたり、同じ方式で売り出されたことも有ります。(だったと思う。)
こういうデュエットは普通は数曲で終わります。
アルバム作っても1枚とかが多いでしょうね。
彼らは史上最高のデュエットと評判が高く(俺も今でもそう思ってる)、3枚のアルバムを作りました。
しかし1枚目を発売した後、タミーが脳腫瘍(だったような?)に掛かり、長期入院することになります。
20代前半とまだ若かったんですけどね。
会社側は更にこのデュエットを続けようと考え、2枚目のアルバムを作成します。
タミーは歌える状態ではないにも関わらず、病院から抜け出してレコーディングをしたと聞きます。
ついにはそれすら不可能になり、彼女がソロ用にレコーディングしていた曲を使い始めます。
彼女が1曲全部を歌ってる曲からボーカルを半分抜き、マーヴィンが後から被せるという方式です。
曲が無くなると、何とプロデューサー兼ソングライターのバレリー・シンプソンが代役でレコーディング。
バレリーの地声はタミーとかなり違うようですが、発音や歌い方までそっくりに似せてます。
代役と言われて聴くとそうだと分かりますが、言われなければそれほど気が付かないかもしれません。
まー、高く突き抜ける感じが無くなってるから、違和感は有りますけど・・・。
病魔と戦っていたタミーですが、ついに若くして旅立ちました。
その後、彼女の死を伏せてアルバムが発売されます。
情報が伝わる速度が速い今では考えられないことです。
(記憶の中で前後関係が多少曖昧では有りますが・・・。)
彼らの3枚のアルバムは、1枚目は全曲タミーが歌唱。
2枚目はタミーとバレリーが半分づつ。
3枚目は全曲バレリーが歌ってる。
そういう構成だったようです。
(もちろんマーヴィンは3枚とも本人が歌ってる。)
マーヴィンは会社に逆らえずにレコーディングしたようですが、タミーの死後、彼女に対する罪悪感から、能天気に明るい曲は2度と歌わないと決めたとのこと。
その落ち込みようは激しく、しばらくは人前に出られないほどだったようです。
彼は当時セクシー系で売ってたみたいですが、その後は曲調が一変。
「What's going on」などの名曲を生むことになります。
バレリーが歌ってたのは公然の秘密でしたが、最近はモータウン側も認めたみたいですね。
あ、テニスに関係ないことを延々と書いてしまいました。
これらはあくまで記憶で書いてるだけなので、細部は違ってるかもしれません。
(曲の発売年と、アーティスト名及び曲名のつづりだけは調べた。)
いつか音楽関係のHPも作りたいとは思ってますが、あまりにも情報量が多くなり過ぎて、思ってるだけに終わる可能性大です・・・。
久々に思い出して、帰りの電車ではモータウン系の曲をヘヴィーローテーションで聴いてましたよ。
誰が選んだのでしょうか?
良い選曲だったと思います。
俺にとっては、ですが(笑)
さて、明日はいよいよシングルス決勝です。
当初はセラvsルーになるかと思ってましたが、貴男君が勝ちあがってきました。
セラからするとルーは天敵なので、よりチャンスが広がったでしょうね。
彼は去年の京都チャレンジャーでルーに完敗だったし、先週の台湾の決勝でもストレートで負けてますからね。
貴男君にも充分チャンスが有ると思います。
貴男君がセラにプレイさせなければ貴男君の勝利、もつれればセラの勝利という感じでしょうか。
明日も楽しみです。


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