東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦3日目 2007/2/1(木) Vol.1   戻る  トップへ


本戦3日目です。
試合開始は今日まで11時です。
でもこれは1番コートだけで、2番コート12時からと変則的なオーダーでしたね。
昨日遅くまで試合をしたマーラとサマンサを考慮して遅めに設定したのでしょうか。
1コートだけになる金曜日からは1時からと遅めになります。
朝がツライ夜型人間にとってはかなり楽になりますね。
会場に着いたのは12時ちょい前でした。
アリーナに降りてしばらくしたら、2番コートのロベルタとセブリーンが入場してきました。
さて、そろそろ第一試合から紹介して行きましょうか。


◆4-Jelena JANKOVIC (SRB) def. Jie ZHENG (CHN) 6-4 6-0
01
2NDセット中盤辺りから見ました。
Zhengはポイント取るのに苦労してました。
スコアが一方的になってから見たせいか、長いラリーがほとんど無かったですね。
彼女からしたら、ハードヒッターのヤンコヴィッチ相手だから、もっとラリーをしたかったことでしょう。
しかし、最初の相手の攻撃をしのぐことがほとんど出来ませんでした。
ヤンコヴィッチが圧倒した内容でZhengを破った試合でした。


◆Q-Roberta VINCI (ITA) def. Severine BREMOND (FRA) 6-3 6-0
02
非常に面白い試合でした。
シングルバックハンド同士というのも有りますが、お互いに左右だけはなく前後の展開が多かったからです。
ロベルタのバックハンドスライスのテイクバックは相変わらず綺麗ですね。
彼女は盛んにネットダッシュしてました。
サーブ&ボレーもやってましたが、どちらかというとストロークラリーからのアプローチが多かったです。
これが後半に行くほど効果的に決まるようになっていきました。
セブリーンもドロップショット、アプローチからのボレーと多彩な攻めを見せてました。
彼女はストロークでの展開も使ってました。
ネットダッシュが多かったのはロベルタのほうですね。
自分のほうにペースが来てるのを感じて、どんどん攻めたんだと思います。
2人ともコートを前後に使って様々な展開を見せてましたが、差が有ったとすればちょっとした身体のキレでしょうか。
ロベルタのほうが反応が早く、セブリーンはオフバランス気味になる機会がわずかに多かったように思いました。
このちょっとした差がスコアに大きく影響したんじゃないでしょうか。
このコートで5試合目(ダブルス入れれば6試合目)のロベルタと、2試合目のセブリーンの差が出たのかも。
一方的となった後半は見てませんが、主導権争いとなった1STセットを見ることが出来て良かったです。


◆3-Elena DEMENTIEVA def. Elena LIKHOVTSEVA (RUS) 6-3 7-5
03
デメちゃんは最初のサービスゲームをブレイクされました。
やはりというべきでしょうか(笑)
しかし、ストローク戦は彼女が有利に進めるポイントが多かったです。
1STセット中盤以降のリホは良いショットで取るポイントが少なくなり、3−6というスコア以上にデメ有利に感じました。
2NDセット中盤まで同じ展開で、デメが先にブレイクに成功します。
でも、この辺りから流れが少し変わってきます。
リホの広角なショットがコート深く入るようになってきました。
コートエンドから見ると、糸を引くようにスーッと伸びてくんですよね。
最近のトップ選手ではあまりこういうのを見ません。
彼女独特の持ち味でしょうね。
スコアもリホが追い付いて5オールになります。
最後はデメちゃんが2ゲームを連取、7−5でセットを取って勝利しました。
全体的にはデメらしいある意味訳の分からない試合でしたね(笑)
去年のナスチャとの試合でもそうでしたね。
何て言ったらいいんだろう?
締まらない試合ってわけじゃないんだけど、他の選手がサーブから展開してるなか、ひとりだけそれをしてないからでしょうか。
とにかく異質なテニスって感じがします。
デメちゃんの印象に残ってるショットは、ネットに付いたリホに対してパスを打った場面です。
あのフォアのダウンザラインは凄かった。
身体の動きはクロスに打つような感じですが、そこからラケットが遅れて出てきてダウンザラインに強烈なショットを打ってました。
そういうポイントは1ポイントだけじゃなく、見てる時だけで何本か有りました。
終盤は競いましたが、デメちゃんがストレートで勝利し、QFに進みました。


◆5-Ana IVANOVIC (SRB) def. Mara SANTANGELO (ITA) 4-6 6-1 6-2
04
試合序盤にマーラがブレイクして先行。
そのまま逃げ切って1STセットを先取しました。
序盤のアナは、かなりやりにくそうでしたね。
カウンター主体で早く返球されるマーラのショットに対し、タイミングを合わせるのに時間がかかったようです。
2NDセット序盤も同じような展開でしたが、ここはアナが何とかキープ。
その時点では、こりゃアナ負けるなって思ってました。
しかし、ちょっと目を離してからスコアを見たら、アナの5−1になってるではないですか。
これにはびっくり。
ファイナルセットは途中までキープが続きますが、流れは変わらずにアナが2オールからブレイクに成功。
そのままゲームを連取して勝利しました。


◆杉山愛 (JPN) def. Maria KIRILENKO (RUS) 3-6 6-1 6-3
05
昨日のシャハール戦に続いてマーシャが絶好調。
5−0とリードします。
1R同様、ライジング気味のキレの有るショットを深く配球し、スピードボールで押しまくってました。
この間、愛ちゃんがほとんど何も出来ないと感じるほどでした。
攻撃も守備もさせませんでしたからね。
しかし、5ゲームやって慣れてきたんでしょう。
ラリーが続くようになり、2ブレイクを返して3−5まで盛り返します。
4−5に出来そうでしたが、ここはマーシャがキープして6−3でセットを先取しました。
ここでお互いにコーチを読んでの作戦タイムです。
このスコア展開では、どちらが有利という感じではないですよね。
お互いに2NDセットの戦い方を聞いておきたかったんでしょう。
2NDセット、愛ちゃんは最初のサーブをキープ。
次のマーシャのサーブが長かった。
デュースが延々と続き、10分ぐらいやってたんじゃないでしょうか。
長かったという体感時間だから、実際は分からないけど。
愛ちゃんは、結果的にここをブレイク出来たことが、勝ちにつながったんでしょうね。
相手のサービスゲームという、失ってもおかしくないゲームで多くのポイントがプレイ出来たのも良かったのかもしれません。
この辺りになると、愛ちゃんもマーシャ同様、キレの有るショットをテンポ良く打ってました。
マーシャが圧倒してた雰囲気は既になく、どちらかというと愛ちゃん有利だったでしょうか。
ほとんどのゲームでデュースを繰り返しますが、マーシャは1ゲームブレイクしただけでサービスを全て落とし、6−1で愛ちゃんが取ってセットオールです。
愛ちゃんはサーブが凄く早くなりましたね。
マーシャに全く引けを取ってなかったです。
昨日はそれほど感じなかったんですけどね。
見た感じ、腕の振りが速くなったように思いました。
ストローク戦でのミスショットもほとんど有りませんでした。
深いボールもほとんどオンラインでしたね。
あのスピードボールの打ち合いで、あのミスの少なさは凄いです。
マーシャもかなりミスが少なかったですが、愛ちゃんがミスしないので、ロングラリーの末にエラーになるポイントが多かったです。
ファイナルセットは、2ブレイクを含んで3−0と愛ちゃんがリード。
マーシャは良いショットを打ってもポイント出来ない時がかなり有りました。
何をやっても攻撃が無力化される感じだったのでは?
愛ちゃんの攻守の切り替えと読みの良さ、そしてフットワークの勝利でしょうか。
中盤はブレイク合戦になりますが、最後もマーシャのサーブをブレイクして勝利しました。
マーシャのショットの鋭さにも昨日同様驚きましたが、何より愛ちゃんの好調ぶりが目を引きました。
あそこまで攻撃的な愛ちゃんを見るのは初めてだったかも。
サーブが良かったし、持ち前の読みとフットワークも健在でした。
愛ちゃんが素晴らしい内容で勝ちあがった試合でした。


◇vol.2へ続きます。


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