東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦2日目 2007/1/31(水) Vol.1
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◇vol.1からの続きです。
◆Maria KIRILENKO (RUS) def. 7-Shahar PEER (ISR) 6-2 6-3
07
最近の調子では断然シャハールが有利だと思ってました。
しかし、今日はほとんどのポイントで先に攻撃されてました。
彼女を最初に生で見たのは一昨年のAIGだったと思います。
マリオン相手にキレの有るショットを連発して、追い込まれたところからでも攻撃してました。
今日は、あのテンポ有るショットがあまり見られませんでしたね。
まー、したくてもさせて貰えなかったという感じでしたけど。
それでも、2NDセット1−5から追いつきそうになりました。
その間、マッチポイントも有ったはずですが、全くあきらめてませんでした。
一般人だと、内容もスコアも完敗状態だと、まずメンタルがダメになるんですけどねー。
自分の場合だけかもしれないけど(笑)
どっちかだけだったら持ちこたえられるんですよ。
内容は負けてるけどオールキープ状態とか、スコアは負けてるけど内容は競ってるとかね。
さっきも書いたように、今日のシャハールは内容もスコアも完敗状態でした。
それでもファイト出来るのは、やはりトップ選手だと思いました。
マーシャのほうは、こんな彼女を見るのは初めてと思うぐらい凄かったです。
キレの有るスピードボールを深く配球し、尚かつ、左右に打ち分けてました。
昨年ぐらいから、持ち前の展開力を犠牲にしても、ハードヒットの展開をしていこうとしてたのが感じられました。
当初はあまりうまくいってなくて、ミスの多さで負け試合も多かったと思います。
(俺が見た試合はそうだった。)
しかし、我慢して続けていった甲斐が有りましたね。
やはり、新スタイルに慣れるのに1年ぐらいかかったんじゃないでしょうか。
今日の試合を見て、彼女の目指すテニスが感じられました。
近くの席にシャハール応援団がいました。
イスラエルの方たちでしょうか。
応援団と言っても5人ぐらいでしたけどね。
終盤は1ポイント取るごとに声援してました。
あの展開は一番チカラが入るでしょう。
完敗状態だったのに、劣勢ながら少しづつ挽回しはじめてましたからね。
最後のゲームはギアを一段上げたマーシャがまたしても突き放し、反撃を許しませんでした。
あまりのマーシャの好調ぶりに非常に驚きを感じた試合でした。
◆2-Martina HINGIS (SUI) def. Q-Nicole PRATT (AUS) 6-1 7-5
08
1STセットのニコルは、マルティナの早い展開についていけず、常に先行されてました。
意外なところに意外な早さでボールが来るんでしょうね、きっと。
近くを通ってるのに一歩も動けないことが結構有りました。
その時は、やはりマルティナはパワーヒッターではない選手には強いと思ってました。
2NDセットも先にマルティナがブレイクし、途中まで同じような展開でした。
しかし、次第にニコルの調子が上がってきて、フラット気味のショットが入り始めます。
アウトやネットしそうなぐらいリスキーに見えるショットのほとんどがコート深くに配球されてましたね。
スライスが多かったシングルバックハンドも、フラット系が多くなりました。
彼女のシングルバックハンドは、スライス以外の時も薄めのグリップに見えました。
握り自体ではなく、打球時のフォームを見てそう思ったんですけどね。
(グリップは間近でもなければそうそう見えるもんじゃない。)
厚いグリップのシングルバックほどカッコよくは見えませんが、打点が後ろでも大丈夫なので安定感は意外に有りそうですね。
コートにも合ってる打ち方なのか、かなり伸びてるように見えました。
2ブレイクダウンの絶体絶命から追いつき、5オールまで戻しました。
マルティナもよく返球してましたが、神がかったように思い切りの良いニコルのプレイに押されてました。
しかし、5オールから久々にマルティナがキープし、次のニコルのサーブを破って7−5で勝利しました。
ニコルはかなりのベテランですが、現代のテニスに合わせてプレイを変化させてきてますね。
前にテレビで見た頃や、AIGなどで見たプレイから、かなり変わったように思います。
一時は100位以下まで下げていたランキングもかなり戻ってきてます。
週明けのランキングでは45位まで戻してますからね。
もしかしたら、これから最高位を更新する可能性も有りそう。
ベテラン勢の活躍はツアーに厚みを持たせます。
30才台の選手の活躍に今後も期待したいと思います。
(もちろん、若手の活躍も大歓迎。)
◆Gisela DULKO / Meilen TU (ARG/USA) def. Emma LAINE / Anastassia RODIONOVA (FIN/RUS) 2-6 6-3 6-4
09
◆杉山愛 (JPN) def. Elena VESNINA (RUS) 6-4 6-2
10
ヴェスニナは今大会で初めて見た選手です。
彼女はロシアの選手らしく威力有るショットを持ってますね。
1発の威力は愛ちゃんよりも有ったように感じました。
最初の数ゲームを見て、こりゃ愛ちゃん危ないかもって思いましたから。
しかし、安定性や確実性という点ではかなりの差が出てました。
少し振られるとミスショットになってた場面が数多く有りましたね。
愛ちゃんは攻められても辛抱強くコースを打ち分け、完勝ペースのスコア展開でした。
彼女に限ったことでは有りませんが、東レの高速サーフェスでは他コートよりもミスになる確率が高そうな感じがします。
準備を早くしないといけないですからね。
そういう意味では、結果的に試合短縮には繋がってるかもしれません。
今日のヴェスニナは、モロ若手って感じのプレイでしたが、まだ若いみたいなので、これからフィジカルやメンタルが強化されてくることでしょう。
今でもで54位(1/29付け)なので、そうなればもっと強くなりそうだと思いました。
それにしてもエレナという名前は多いですね。
前から多かったですが、ここ数年で更に増えたように思います。
基本的に女子選手はファーストネームで書いてますが、あんまり同じ名前ばっかりだと読んだ時に訳が分からなくなりそう(笑)
◆1-Lisa RAYMOND / Samantha STOSUR (USA/AUS) def. Nicole PRATT / Mara SANTANGELO (AUS/ITA) 5-7 6-0 6-2
11
予想外にトップシードペアが苦戦しました。
最後まで予断を許さない展開でとても面白い試合でしたね。
競った展開の1STセットをまさかで落としたNo.1ペア。
中盤に先にブレイクしたりと彼女達が有利に進んでましたが、最後のサーブをブレイクされてセットを失いました。
2NDセットのスコアは一方的ですが、内容的にはそんなことなかったです。
競ったゲームの最後のポイントを全て彼女達が取り、その結果として6−0になりました。
ファイナルセット、先にチャンスが有ったのはニコル/マーラでした。
リサのサーブもサマンサのサーブも落ちそうになります。
15−40というゲームも有ったはずです。
しかし、そこを何とかキープ。
逆にニコル/マーラはゲームポイントを取りながら落としました。
40−0(40−15?)から落としたサービスゲームも有ったはず。
そういう展開で6−1とは思えないほど競いましたが、最後はトップシードペアがきっちり締めたという印象でした。
ニコル/マーラが勝つチャンスも充分に有ったと思うんですけどね。
リサ/サマンサは、相手の調子が良ければ簡単に抜かれたりボレーミスも多いですが、プレイのレベルが一定してるように感じます。
常に6割〜8割の高いレベルでプレイをしてる感じです。
彼女達と対戦するペアは、9割以上じゃないとゲームが取れません。
同じ8割では、レベルが一定してるリサ/サマンサに競い負けます。
しかし、常に9割10割は不可能です。
結果として競いながらもリサ/サマンサがゲームを取る形となり、観客の感想は「相手ペアがあんなに調子良かったのに勝っちゃったな」となりそう。
これはベースとなるプレイのレベルが高いから可能なのかも。
体の力という意味ではなく、プレイの「基礎体力」が高いのでしょう。
そう感じた内容でした。
今日もかなり楽しめました。
やはり生観戦はクセになります。
最後に書いたリサ/サマンサが勝ったダブルスは、当初、1番コートの最終試合に組まれてました。
その試合以外はシングルスだった1番コートは長い試合が多く、単2試合+複3試合の2番コートは短い試合が多かったです。 2番のほうが早く終わりそうだったから変更になったんでしょうね。
でも、1番コートのシングルス最終試合の愛ちゃんvsヴェスニナが思いのほか早く終わってしまったので、結局15分ぐらいしか終了時間に差が付かなかったです。
結果論ですが、予定通り1番コートでやっても、ほとんど終了時間が変わらなかったでしょうね。
1番コートはGAORAで生中継してます。
是非テレビ中継して欲しかったですけどねー。
後で映像で見たかったし、とても面白い試合だったので残念です。
さて、明日で2回戦が終わります。
大会もいよいよ佳境に入ってきますね。
明日も楽しみです。
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