AIG OPEN 2007
AIG Japan Open Tennis Championships
最終日 2007/10/7(日) Vol.2
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◇vol.1からの続きです。
◆1-David FERRER (ESP) def. 3-Richard GASQUET (FRA) 6-1 6-2
09
楽しみな対戦となった男子シングルス決勝です。
2人とも持ち味を出して、良い内容で決勝まで勝ち上がってきました。
選手の入場前、例によって修造君から観客にアドバイス(?)が有りました。
それに従って、フェレールとガスケがある程度入場したところ(入退場口とコートの間ぐらいの位置)から、大きな手拍子で迎えることに。
そこまでは手拍子しないで、選手達に「どうしたんだろう?」と思わせるって言ってたけど、あれは意味が有ったんだろうか?(笑)
まー、それはともかくとして、毎年のことながら、こうやって会場が一体となるように先導してくれるのは良いですね。
入場曲はクイーンの「We Will Rock You」だったけど、あの曲は意外にスローだから手拍子がやりにくい。
もうちょっとテンポが早い曲のが、ずーっとやりやすいけどなー。
いや、だから何だって話ですけど(笑)
今年は選手のバッグを持つエスコート係が付いてました。
会場アナウンスで、確か、抽選で決まったと言ってたような?
今まで有ったかな?、こういうの。
コイントスには車椅子テニスの斎田悟司君が登場。
女子シングルスの時は土居美咲ちゃんでしたよね。
GSとかではよく見かけるけど、去年までやってましたっけ?
大会側も色々と考えてるようですね。
さて、試合はガスケのサーブからスタート。
しかし、いきなりブレイクゲームになります。
ガスケは次のサーブもブレイクされて、フェレールが4−0とリードしました。
次でようやくキープしますが、その後はまたしてもブレイクされてフェレールが3ブレイクして6−1。
あっという間にセットが終わりました。
写真を見ると、22分で終わってますね。
このまま行ったら、40分台で終わりじゃないですか。
この展開には、観客もあっけに取られてたと思います。
ガスケは2NDセットの最初のサービスゲームもダウン。
最後も2−5からのサーブをブレイクされ、フェレールの6−2。
試合時間52分で彼の完勝でした。
フェレールは、試合開始当初から先に攻撃して、相手に流れを渡さないようにしてたと思います。
ガスケに展開力を発揮させる時間を与えない、というのが今日の彼のプランだと思いました。
最初からかなり高い集中で試合に望んでいると感じたし、無駄に繋ぐボールはほとんど無かったです。
スピンボールは全てライジングで叩くつもりだったと思います。
全てウィナー狙いだったような感じさえ有りました。
彼は、ガスケとスピンボールの打ち合いをすることは、もっとも避けたかったに違いないです。
ロングラリーは出来るだけしないようにプレイしてると感じました。
これに対してガスケは、常に後手に回る展開でした。
彼は、もともと定位置が後ろ気味です。
早い展開でオープンに打たれ続けるので、ますますベースラインの後方に位置することになってしまいました。
フェレールとのベースラインでの位置の違いは明白でしたね。
それでもバックハンドの遠いところは、後ろ向きになりながらのスライスで、何とかチャンスボールにならずに返球出来てました。
問題はフォア側です。
体重が後ろに掛かってボールが飛ばない、もしくは持ち上げられずに失点するポイントはかなり有ったと記憶してます。
それでも、持ち前の展開力で何とかしてくれないかと期待したんですけどね。
彼は先週のムンバイ(インド)で優勝してます。
2週連続の決勝進出で疲れきってたのかもしれません。
2週間で10試合は、セット数が違うとは言え、GSよりハードです。
ましてや長時間の移動、開催地の気候の違い、微妙なサーフェスの違いなど、疲れが溜まる要因は山ほど有りそう。
そうやって考えると、世界各地で試合をしていく生活は一般人から比べるとかなりしんどそう。
ただの観光ならそれほど苦にならずとも、試合ですからね。
今年のGSが全て終わって、モチベーションを保つのも大変そうだし。
まー、トップ選手はそんなことを言ってられないのが現実なんでしょうけど。
試合見てる時は特に感じませんでしたが、レポート書きながら思いあたったことが有ります。
かなり昔の話になりますが、伊達ックvsコンチータの試合を連想しました。
伊達ックは、もちろん日本が世界に誇る伊達公子。
コンチータは、当時のスペイン2枚看板のひとり、WBチャンプのコンチータ・マルチネスです。
当時を知る方は、フェレールが伊達ック、ガスケがコンチータに相当するとすぐに分かるでしょう。
もちろん、この2組は男女の違いが有るし、プレイスタイルが同じわけでは有りません。
しかし、今日の試合展開を思い起こすと、この対戦を思い出さずにはいられません。
伊達ックvsコンチータの試合展開を改めて書くまでもなさそうですが、念のため。
早いタイミングのライジングで振り回してくる伊達ックに対し、コンチータはトップスピンとスライスで対抗するも、除々に位置を下げられてジリ貧に・・・。
異論は有るでしょうが、俺が思うに、かなり展開が似てます。
伊達ックは、同じスピン主体ながら早い展開も出来るアランチャには苦戦するほうが多かったですが、コンチータにはほとんど連戦連勝、内容的にも完勝だったように思います。
今日の試合に戻りますが、決勝まで相手の攻撃の無効化に成功してきたガスケですが、今日は自分の展開がほとんど出来ませんでしたね。
フェレールは、自分のプレイスタイルや特長と、ガスケのプレイスタイルや展開力を考え、それに一番合った内容でプレイしたと思います。
このままでは、ガスケはどのコートでも勝てないのでは?と思わせるほどでした。
次はガスケが疲れてない時で、もっと重要な場面(GSの2週目とか)での対戦を見たいです。
フェレールは今日と同じ戦法で行くでしょうけど、それに対してガスケがどう対応するのか?
楽しみにしたいと思います。
◆2-Tiantian SUN / Zi YAN (CHN/CHN) def. 1-Chia-Jung CHUANG / Vania KING (TPE/USA) 1-6 6-2 10-6
14
今年の最終試合です。
アザーコートや各企業のブースを回ってたので、1STセットはほとんど見てません。
センターコートに戻ると、Chia-Jung/ヴァニアが5−0とリードしてました。
何が有ったんだろう?ってスコアですね。
去年の決勝はノーシード同士でしたが、そのレベルの高さにちょっとした驚きを感じました。
今年は更にびっくりですね。
Chia-Jung/ヴァニアペアに、中でも特にChia-Jungの動きにです。
彼女は今年に入って大きな大会で急に勝ち始めました。
多くは同僚(後輩?)のYung-Jan CHANと組んだものですが、アジアツアーに入ってから彼女とは別行動です。
Yung-Janがよりレベルが高いヨーロッパツアーに参戦してるからです。
このアジアツアーでChia-Jungはまたまた活躍し、ダブルスランクはYung-Janを抜いて7位まで上昇。
(ソウルTierWと北京TierUで、同じ台湾のスーウェイ(Su-Wei HSIEH)と組んで連続優勝。)
シングルスには最近出てるのか分かりませんが、ダブルスに関しては日本の杉山愛ちゃんに匹敵する活躍ぶりです。
勝ち始めてからの試合をそれほど多くは見てないですが、Yung-Janと組んでる時は、雁行陣からポーチというスタイルだったように思います。
雁行陣が基本なのはその時と同じですが、この試合の序盤はかなり違ったこともやってました。
サーブ&ボレーやリターンダッシュからのボレー。
後ろ並行陣から2人で前に詰めて、相手にプレッシャーを掛けてミスを誘う。
ぶつけられたりローボレーでの鮮やかなドロップボレー。
他にも何か有ったかな?
とにかく、これが女子ダブルスか?という展開でした。
組んでるのがヴァニアだから、こうなったんだろうか?
ヴァニアは東レなど数大会で、大ベテランでネットプレイヤーのレネと組んでます。
ポイントごとの話し合いで、テクニックを伝授されてることは考えられます。
でも、彼女よりもChia-Jungに感じたんですよね、男子ダブルスに近い動きを。
これに対して中国ペアは、ストロークミスがかなり多かったです。
相手がストロークの強打やループボールを打ってくれば、それはたぶんいつもの展開だから、すぐに対応出来たと思うんです。
しかし、常に早い展開でオフバランス気味に打たされるからか、わずかのアウトやネットがかなり有りました。
この展開に、彼女達(特にTiantian)はかなりフラストレーションが溜まってたみたいですね。
この流れが2NDセット序盤まで続きますが、この辺りから流れが少しづつ変わってきます。
雁行陣の後衛同士の打ち合いが多くなってきました。
中国ペアのストロークが厳しくなり、前に出られるチャンスが少なくなってきたのです。
Chia-Jung/ヴァニアは、相手の前衛につかまらないようにストロークを打つのがやっとというラリーが多くなります。
何故こうなったかですが、中国ペアが開き直って思い切りやよくなったのと、相手のペースに慣れてきたということですかね、やっぱり。
大きく流れが変わることは単複問わず結構有ることですが、この試合もそうでした。
しかし、突然変わったわけでは有りません。
2NDセット中盤も中国ペアにストロークミスが結構有ったし、Chia-Jung/ヴァニアがネットに出る場面は有りました。
少しづつ、ほんとに少しづつポイント展開が変わり、気付かないうちにいつの間にか流れが変わってたという感じですね。
こういうのって、本人達は分からないですよね、きっと。
特に流れを失うほうは。
レベルは全然違うけど、単に自分のことを考えただけなのですが・・・(笑)
4−1や5−2から負ける時って、たぶんそうだと思う・・・。
いや、プロ達はそんなこと無いか。
さて、気を取り直して。
そんな流れで、2NDセットはSUN/YANペアが取り返し、セットオールになります。
ファイナルセットはマッチタイブレイクです。
すぐ終わるのに、2NDセットが終わって後に帰る人たちがいたなー。
10ポイント先取のタイブレイクだって気付いてないんですよね、きっと。
こういうのって、場内アナウンスや修造君が何回説明しても、気付かない人は気付かなそう。
まー、それが悪いってわけではないですけどね。
マッチタイブレイクの序盤は競った展開になります。
3オール、6オールでエンドチェンジでしたから。
Chia-Jung/ヴァニアの6−5の時、またしても観客から大きな拍手が有ったような?
男子ダブルス1Rのフィッシャー/トーマスvsリプスキー/マーチンの時と同じです。
だから10ポイントだって言ってんだからさー。
まー、いいんだけどね、客の反応だから・・・。
中国ペアの8−6になった時、運営側がまたしても重大ミス!
今回は音楽こそ流さなかったけど、スコアボードに中国ペアの1−0って付けちゃったよ・・・。
10ポイントになってないのに、スコアボード上は試合が終わってしまった・・・。
学習能力ゼロだね。
誰も気にしてなかったから、良いんだけどさー。
あきれて誰も指摘しなかっただけだと思うけど。
まー、それはさておき・・・。
6オールからは中国ペアがポイントを連取。
競った展開から一気に勝負をつけて勝利しました。
最後の場面は、中国ペアの思い切りが良いほうに行きましたね。
序盤の展開からは信じられない結果でした。
第2シードのSUN/YANがトップシードのChia-Jung/ヴァニアをマッチタイブレイクの末に破り、優勝を飾りました。
今日はこんなところです。
今年も年1回の有明での祭典(?)が終わってしまいました。
来年からは東レが有明開催になるから、年2回になるけど。
2009年は、AIGが男女に分割されて1週間おきという話も出てるようなので、3週連続で有明祭りになるんだろうか?
男女で2週連続開催は結構有りますが、3週連続同じ場所で大会ってあまり聞かないような?
そんなに一気に休み取れる人って少ないはずだから、全体の観客数は減るでしょうね。
1週あいだに挟んだ東レとAIGでさえ、そんな短期間で両方休むのは難しくなるんだから、東レよりもグレードが低くなるであろうAIG女子は大幅な観客数減になるのでは?
ヒマで金持ちの人が増えれば別だろうけど(笑)
もし3週連続になったら、AIG女子は他の都市での開催になるのかもね。
(大阪、名古屋、福岡とかが候補か?)
今年は大会の目玉というべきフェデラーが欠場でしたが、俺としてはそれほど残念な気持ちは有りません。
去年に続いて見たかったというのはもちろん有りますが、それよりも、生で見たことない選手を見たいほうが強いです。
フェレールとガスケの試合を複数見れたのは大きな収穫ですね。
サインも貰えたしね(笑)
来年は女子の試合をもっと見たいです。
俺の場合はATPよりもWTAがメインなので、見たかった試合や選手をほとんど見れませんでした。
女子に関しては、有明でのヴィーナスを見ることが出来たのがほとんど唯一の収穫かな。
来年はどんな選手が来てくれるでしょうか?
楽しみに待ちたいと思います。
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