AIG OPEN 2007
AIG Japan Open Tennis Championships
本戦5日目 2007/10/5(金) Vol.2  戻る トップへ


◇vol.1からの続きです。


◆2-Tomas BERDYCH (CZE) def. 8-Fernando VERDASCO (ESP) 7-6(7) 4-6 7-5
03
今大会で見た試合の中で、最も白熱した試合と言ってもいいでしょう。
今日は長い試合が多かったので、かなり遅くなってから始まりました。
8時半ちょい前ぐらいだったかな?
その時は、まさか終わるのが11時とは思いませんでした。
試合を見てまず驚いたのは、ベルダスコのフォアハンドです。
まるで一時期のフィリポーシスのビッグフォアハンドのようでした。
かなり重くて威力が有りそうでしたよ。
フィリポーシスと違うのは、ミスがほとんど無いという点です。
これは大きな違いだと思います。
デルディヒが苦笑いするしかないポイントが数多く有りました。
あんなフォアを目の前で見たのは初めてですよ。
ホントにびっくりでした。
試合の前半はそれほどこのフォアを打ってたわけじゃ有りません。
最初のころは、走らされたフォアのパスが凄いなー、ぐらいの印象でした。
いや、これだけでもかなり凄いです。
ほとんどやっと届いたような位置からパスを打ってるのに、まるで待ち構えて打ったようなショットが放たれるんです。
彼は腕っ節や手首が強いんでしょうか。
あの体勢から、よくあんなボールが打てるもんです。
だってCG合成でもしない限り、物理的に不可能だと思いましたから(笑)
ストロークラリーでも凄いフォアを打ち始めたのは、1STセット中盤辺りからだったと思います。
それまではベルディヒ有利なラリーも多かったですが、これ1発で一気に逆転してポイント出来るんです。
でも、あれを打てるのは、自分の体勢がいい時や相手のボールによってなど、かなり限られてくるはずです。
(前述したパスの時は一か八かだから、ミスも結構有りました。)
そういう選球眼はしっかりしてるようでした。
少なくとも2NDセットまでは。
あれほど強打しているにも関わらず、ミスがほとんど無かったのはそういう理由からだと思いました。
1STセットは常に先にベルダスコがブレイクして先行しますが、その度にブレイクバックされました。
確か5−4、6−5で自分のサーブだったのでは?
しかし、そこを落としてタイブレイクになります。
このタイブレイクは色んなことが有りました。
ドラマだらけでいちいち全部覚えてられないですよ、ホントに(笑)
試合内容が素晴らしいだけではなく、ここまで様々な出来事が凝縮された試合も珍しいです。
タイブレイクの序盤はベルディヒがリードしたんだっけ?
しかし、彼が誤審と思ったポイントなどが有り、追いつかれます。
大幅リードのはずが3オール(4−2かも)でチェンジエンドすることになったような?
もっと後の緊迫した場面だったような気もするけど・・・。
そして、ベルダスコが怒涛の追い上げで6−5(7−6か?)でセットポイント。
ここはベルディヒのサーブだったかな。
ベルディヒがベルダスコのフォア側に打ったボールがアウトっぽかったにも関わらずインに。
アウトと判断されてたら、ベルダスコが1STセットを先取していたはずでした。
2人ともタイブレイクの重要な場面での誤審(と彼らは思ってる)にマジ切れ状態でした。
どっちのポイントも俺の位置からは遠かったから、誤審かどうか分かりません。
単に彼らがそう思ってただけってことも考えられるし。
まー、でも、あの剣幕は只事じゃなかったけどね。
その後、まだまだポイントは続き、結局9−7でベルディヒがタイブレイクを取り、1STセットを先取します。
ここでベルダスコがメディカルタイムアウトを取ります。
右太ももの治療のようでした。
一応治療はしましたが、2NDセット以降、かなり痛そうでした。
ポイント間は足を引きずってましたから。
右足じゃなくて左足だったら、試合やめてたかもしれませんね。
左足はサーブの時に軸足になるし、フォアハンドにもかなり影響するだろうし。
これ以降、ベルダスコはあまり走らなくなります。
走れない分、今までにもましてフォアの強打を打つようになります。
これがまた良い所に入るんですよ。
数は少ないですが、バックハンドの強打も有りました。
この辺りでは、お互いにミスが極端に少なくなってました。
ベルダスコは走れなくなってましたが、ベルディヒもかなり疲れてたみたいでしたね。
ミスこそ少なかったですが、お互いに熱くなって走り回った1STセットとは明らかに違う展開でした。
最後は4−5からのベルディヒのサーブをブレイクしたベルダスコが6−4でセットを取り返します。
この展開は意外でした。
足を負傷する前は取れなかったのに、負傷した後にセットを取れるとは。
でも、1STセットだって、タイブレイク前はベルダスコが先にブレイクしてましたからね。
その後にブレイクバックされなければ、彼がセットを取ってたでしょう。
そしてファイナルセットに突入です。
痛々しい感じの2NDセットは観客も若干静かでしたが、またしても大きな声援が飛ぶようになります。
その前の1STセットは凄かったですよ、日本とは思えなかったですからね。
スペイン語ペラペラっぽいベルダスコファンの姉ちゃん達がいて、黄色い声を上げてました(笑)
ベルディヒがそっち見て、苦笑って感じで笑ってたぐらい凄かったです。
でも、あーいうのも良いですね。
海外っぽくて。
嫌味な感じは全くないし、楽しみながら応援してるって感じだから。
ベルダスコのプレイが印象に残りやすいから彼ばかり書いてますが、ベルディヒも非凡なものを感じさせてくれました。
彼は姿勢がとても良いのです。
何だそんなことかと思われがちですが、これは非常に重要なことじゃないですか?
ストローク打つ時に軸が崩れることが少ないのです。
だからミスになることが少ない。
これだけ長時間の試合にも関わらず、最後まで背筋を真っ直ぐにして身体の回転でストロークを打ってました。
もう身体に染み込んでるんでしょうね、あのフォームが。
攻撃力が有るのにミスが少ない。
これはトップ選手の条件のひとつでしょうね。
正直、試合前は、SFでベルディヒ対ガスケを見たかったので、この試合はベルディヒに勝って欲しかったんですよ。
でも、見てる途中で、ベルダスコの豪打をガスケがどう対応するのか。
こっちも見たくなってきました。
どちらが勝ってもいいなと途中から考えが変わりました。
ファイナルセットのスコア展開はどうだったか?
最初の2セットの印象が強すぎてよく覚えてませんが、序盤はベルディヒがブレイクしてリードだったかな。
しかし、中盤でベルダスコがブレイクバックに成功して5オールに。
最後の2ゲームをベルディヒが取り、長い試合に幕を引きました。
たぶん2時間とか3時間とか試合やってたんじゃないですか?
と思って写真見たら、スコアボードに2時間29分と表示されてました。
その長さを全く感じさせない内容でした。
負けたベルダスコが先に退場しましたが、サインボールの打ち込みをやってたベルディヒは途中でやめて、ベルダスコに拍手を送ってました。
お互いに死力を尽くしたからこそ、そういう思いが生まれたのでしょうね。
稀にみるクロスゲーム、そしてドラマ満載のロングゲームを制したベルディヒが、明日のSFに進出した試合でした。


今日はこんなところです。
今大会で初めて試合終了が11時と遅くなりました。
それでも、去年に比べれば全然早いですけどね。
朝から見てた人いるんだろうか?
俺みたいなテニスおたくは、それなりに多そうだから、たぶんいたでしょうね。
試合が熱ければ熱いほど、見てるほうは疲れます。
見てる時は気付きませんが、終わった後にどっと疲れが出てくるんです。
それが何試合も、そして1日中続く。
経験有る人は分かると思いますが、これって仕事してる時とは比べ物にならないほど疲れるんですよね。
たぶん、興奮状態が1日中続くからでしょうね。
残りはあと2日になりました。
明日は女子シングルス決勝、他の種目は準決勝が行なわれます。
昔は土曜日に1番コートの試合も有ったように思いますが、明日はセンターコートだけです。
アザーコート巡りが出来ないのは残念ですが、選手達が練習するはずなので、やはりアザーコートを周ってると思います(笑)
週末は天気が良いようです。
残り2日を楽しみます。


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