AIG OPEN 2007
AIG Japan Open Tennis Championships
本戦5日目 2007/10/5(金) Vol.1
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本戦5日目です。
今日は比較的早く会場に来る事が出来ました。
かなり無理やりだったけど・・・(笑)
今日一番の対戦カード、ヒューイットvsカルロビッチが見れる!と意気込んでチケット売り場へ向かいました。
すると、クラブJTAのチケット引き換えは予定枚数が終了したとのこと。
全席売り切れなのか・・・と落胆していると、何と隣の売り場でチケット売ってるじゃないですか。
何で空席が有るのにダメなのかと食い下がっても、予定枚数は終了しましたの一点張り。
クラブJTAに入る時に、空席が無ければ入場出来ない可能性有りとは書いてあったけど、割り当てられる予定枚数のことは書いてなかった気がするけどね。
単なる見落としかもしれんけど。
ここまで来て、しかも目の前で大一番やってるのに帰るわけには行きません。
仕方なく5千円のチケットを買って入りました。
他にもいたのかな、こういう人って。
だとしたら、窓口の人も大変だったと思う。
窓口の人が決めたわけでもないのに(だと思う)、怒りの矛先が向かうわけですからね。
俺も悪いとは思いながらも思いっきりぞんざいな態度でチケットを購入。
かなり遅れてコロシアムに入りました。
来年からはクラブJTAで恩恵を受けられないみたいだし、早く行かなきゃと焦るぐらいなら金払ったほうがマシ。
デ杯の時はアリーナ席貰えたから来年も入るつもりだけどね。
というわけで、かなり怒りを覚えながらセンターコートに入ったのでした・・・。
◆7-Ivo KARLOVIC (CRO) def. 4-Lleyton HEWITT (AUS) 7-6(5) 7-6(6)
01
色々有って遅れたけど、2NDセットのタイブレイクを見ることが出来ました。
間に合って良かったですよ、ほんとに。
コロシアムに入ると客席への出入口の扉が出入り自由になってました。
たから、セットオールか終わったかどっちだろう?って思ったんですよね。
扉を開けて入ったら、中は真っ暗になってました。
スコアを見ると、2NDセットタイブレイクでヒューイットがミニブレイクして1-0リード。
そういえば、雨がポツポツ来てました。
急いで行かなきゃと思ってたから半分忘れてたけど(笑)
有明恒例の屋根の開け閉めの暗転中でした。
これが無かったら間に合わなかったってことだから、結果的に恵みの雨でした。
あくまで俺にとっては、ということですけど。
そうこうしてるうちに屋根を閉まり、試合が再開されました。
試合のほうは大方の予想通り、2セットともタイブレイクになりましたね。
相変わらずカルロビッチのサーブは凄いです。
物凄い勢いで炸裂してました。
でも、自分の中ではもっと凄いイメージが有ったんだけど、スピード表示はそれほどでも無かったなー。
200km超えは連発してたけど、210kmとか220kmは見なかったし。
まー、終盤だけしか見てないし、全部のポイントでスピード表示を見てたわけではないけど。
数年前の横チャレで、普通とは違う異次元のサーブを目にした時は仰天したものです。
彼のサーブを生で見るのはその時以来になりますが、何年か生で見ない間に、自分の中で勝手にイメージだけが膨らみ過ぎてたのかも(笑)
だって、あの角度は有りえなかったですからねー。
フラットなのにスピンサーブぐらい弾んでたし。
リターン側がそれほど大きくないウドムチョクとルーだったのも、そう感じた理由のひとつかもしれないけど。
今日の試合に話を戻します。
2NDセットのタイブレイクは、ヒューイットがリードしました。
1ミニブレイク、いや、2ミニブレイクしてたか?
写真を見ると、4-2、6-3、とリードしてますね。
つまり、3本のセットポイントが有ったわけです。
しかし、そのリードを活かせず6オールに。
まー、6-3の後はカルロビッチのサーブだったから、自分のサーブでのセットポイントは1本だけでしたけど。
6オールの後はヒューイットのサーブでした。
このポイントがどう決まったかはよく覚えてます。
ここはロングラリーになりました。
ラリーになれば圧倒的にヒューイット有利だと思いますが、何でもないバックハンドをふかしてアウト。
この試合で一番大事と言ってもいいポイントでしたが、ここを落としてしまいます。
何でもないというのは言い過ぎかも。
あの時はカルロビッチのバックのスライスが深く入ったんだっけ?
とにかく、ヒューイットがバックハンドをミスしたことはよく覚えてるんですよね。
会場も大きく溜息をついてました。
日本人以外の試合で、ここまで観客が思い入れが多いように見えた試合はあまり記憶に有りません。
女性ファンの悲鳴が聞こえるほどでしたから。
次のポイントは7-6でカルロビッチのマッチポイントです。
しかも彼のサーブです。
ポイントが始まる前から、これほど負けを覚悟する場面はそうそうないでしょう。
会場の雰囲気も有ってか(?)、カルロビッチが1STサーブをフォルト。
溜息と共に会場の期待が高まります。
しかし観客の期待もむなしく、2NDサーブからカルロビッチがポイントし(エースでは無かったはず)、タイブレイク2つを取って勝利。
SFに進出しました。
最初から見たかった試合でしたね。
最後しか見てないから、その前にヒューイットにどのぐらいチャンスが有ったか分からないし。
あのサーブをある程度攻略出来たけど結局はキープされたというのと、全く攻略出来ずに敗れたというのでは、受ける印象が全く違うはずですから。
ファイナルセットに突入か?と思わせたタイブレイクでしたが、カルロビッチが僅差で制し、SFに進出した試合でした。
◆3-Richard GASQUET (FRA) def. Dudi SELA (ISR) 6-4 6-1
02
今日はセラを見るのをとても楽しみにしてました。
彼の名前は先週のデ杯で初めて耳にしました。
と思っていたのですが・・・。
何となく気になって、去年の京都チャレンジャーのレポートを見返してみました。
そしたら準決勝でしっかり見てるじゃないですか。
あの時は相手のルーが絶好調で良い所無しだったから、ほとんど記憶に残ってませんでしたよ。
彼は先週末に行なわれたデ杯プレイオフの対チリ戦で、チリの2大エースのゴンザレスとマスーにシングルスで勝利。
アーリッチ/ラムのダブルス固定ペアも勝ち、3-2でワールドグループへ昇格しました。
まさかイスラエルが勝つとは思わなかったから、この結果にびっくり。
まー、京都の時は完敗した1試合しか見てないから、今思えば、その時がたまたま不調だったということも考えられます。
チャレンジャーレベルで準決勝まで進出してるわけだから、弱いわけないし。
現に、今日は、そのセラのプレイに釘付けでした。
こんなに面白いプレイをする選手だったとは。
小さくてテクニシャンという意味では、アラジっぽいかな。
あくまでぱっと見た印象ですけど。
アラジは天才的なテクニックと感覚の持ち主でしたが、セラはそこまで天才を感じさせるわけでは有りません。
決して凡人と言ってるのではないよ。
単に比較対照のアラジが凄すぎるからです。
セラの場合は、相手をかき回すという意味では色んなことをやってきます。
しかし、一番の武器はそういうところではなく、ライジングのストロークですね。
色んなことやるのは、あくまで試合のアクセントという感じかもしれません。
あのライジングストロークは、打感が相当良くないと出来ないだろうし、練習だけでは習得出来ないような気がします。
彼は、試合終盤に展開を変えようとした時以外は、ほとんどベースライン上、もしくはベースラインの中でプレイしてました。
序盤はミスが有りましたが、相手のボールに慣れてくると、早い打点からのダインザラインでウィナーを量産してました。
特にバックハンドが素晴らしかった。
シングルハンドであれをやるのはかなり難易度が高いのでは?
スムーズに打ってたから、あまりそういうのを感じさせなかったけど。
一番目立ったのはライジングですが、最初に書いたとおり、色んなこともやってました。
まずはドロップショットですね。
足の速いガスケが相手なので、あまり成功はしてませんでした。
それでも構わず何回もやってましたね(笑)
たぶん、ドロップでポイント取ろうとはあまり考えてなかったのかもしれません。
これで相手に前を意識させ、ライジングストロークがより活きることのほうが重要なのかも。
ネットダッシュもやってました。
これも序盤はあまり成功してなかったように思います。
文章で書くと、何だそんなことかと思われそうですが、会場で見た時は、色んなことやって引っ掻き回してるなーっていうのをかなり感じました。
それから、バックハンドのスピン系を打つ時のテイクバックが独特でした。
フォアハンドのフィニッシュみたく、ラケットが首に巻きついた状態からスウィングが始まるのです。
見た瞬間に気になって、最初は彼の首の辺りばっかり見てましたよ(笑)
そんな感じでセラばっかりを見てましたが、ガスケはさすがでした。
まさに横綱相撲ならぬ、横綱テニスという感じでしょうか。
(この表現好きで観戦レポートで結構使ってます(笑))
彼はセラに比べるとベースラインから下がって構えてます。
その位置から落ち着いてショットを打ってました。
スピンボールが多かったから、例のライジングで叩かれる場合も有ります。
でも、それはそれと割り切ってたようですね。
こうやって文章に書くと、セラが攻めてガスケが守ってたように思うかもしれません。
しかし、会場で実際に見て受けた印象は異なりますね。
ガスケの横綱テニスに、小柄なセラが必死に食いついてる感じでしょうか?
うーん、文章は難しい・・・。
ガスケの天才的なところは、一般的にはバックハンドの美しさや威力などのストロークの強さということになってるかもしれません。
それも有るでしょうけど、俺が感じたのはちょっと違います。
昨日の試合からも感じたことですが、彼の非凡なところは、相手の攻撃を一旦受けて吸収した上で、そこからじわじわと展開力で相手を攻撃力を奪ってく点ではないでしょうか。
厳しい攻めだけをする選手は数多くいます。
少なくともTOP100、いや、TOP200ぐらいの選手は皆そうでしょう。
しかし、相手の攻撃を、言ってみれば無効化出来る選手はそういないのでは?
だって、ガスケが強打ばかり打つわけじゃないから、相手は色んなこと出来るわけですよ。
それにも関わらず、完敗する。
これは相手の攻撃が厳しくて完敗するのとは違います。
次の対戦の時に何をしたよいのか分からなくなるのでは?
ショット自体よりも、俺はそこに彼の非凡さを感じました。
今の攻撃的な男子テニス界の中で、彼のようなプレイスタイルの選手が上位にいるのは、バラエティに飛んだ試合を見ることが出来るという意味で凄く貴重だと思いました。
同じような印象は、サントロやグロージャン、ナルバンディアンなどにも感じます。
フランス人には独特なスタイルの選手が多いですよね。
国民性にもよるんでしょうか。
ここまで書いてきて、試合のスコア展開をほとんど書いてないことに気付きました。
まー、ここまでの文章を読んで貰えれば改めて書くこともないでしょう。
セラの特異な(?)プレイスタイルで白熱した試合でしたが、スコア的にはガスケがストレートで勝利し、SFに進出しました。
◇vol.2へ続きます。
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