東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis

最終日 2006/2/5(日)   戻る  トップへ


今年の東レも、いよいよ最終日になりました。
今年はかなりの試合数を見ました。
AIGもそうですが、トップ選手の試合を見るのはホントにわくわくします。
これらを間近で見れるなんて、関東に住んでて良かったといつも思います。
(他の地域の皆さん、ごめんなさい。)
今日の試合は1時開始でしたが、ちょっと遅れて1時20分ぐらいに会場に着きました。
この時間だと、さすがに入場待ちは無かったです。
今日も昨日と同じぐらい観客が入ってましたが、昨日よりはちょっと少なかったでしょうかね。
2階席や3階席の端の席は少し空きが有りましたから。
でも、他の席はほとんど満席状態です。
年を追うごとに人気の大会になってますね。
トップ選手が出場する、交通の便が良い、暑かったり寒かったりせずに環境が良い、など色々と理由は有りそう。
伊達ックがテレビ解説で言ってました。
デメちゃんのお母さんに「この大会は平日も観客が一杯だけどどうして?」と聞かれたそうです。
平日にたくさんの観客が来るって海外では珍しいみたいですね。
日本では自分でテニスをやってるおば様方が多いんでしょう。
AIGほどではないですが、若者達もかなり多いです。
(平日のAIGは半分ぐらいが若者ってイメージです。)
夕方からはスーツを着たサラリーマンも増えてきます。
一時は観客不足が言われてましたが、ソフトとハードがしっかりすれば、これだけ客が入るんですね。
前置きが長くなりました。
試合に行きたいと思います。


◆2-Elena DEMENTIEVA (RUS) def. WC-Martina HINGIS (SUI) 6-2 6-0

アリーナに入ったのは1STセットの第4ゲームからです。
チェンジコートの時しか中に入れないので、第3ゲームの時からアリーナ席の外で待ってました。
マルティナがサーブを打ってるのが見えましたが、審判のコールは何と0−40。
すぐにブレイクされて、デメちゃんの2−1になりました。
この時点でちょっと驚いてました。
まさか、デメちゃんがリードするとは思ってなかったんで。
(後からTBSの放送を見ると、最初の3ゲームはブレイクゲームの連続だったようです。)
次のデメちゃんのサーブは、両者を通じて今日初めてのキープになります。
(だったはず。)
今日の彼女はサーブが好調でした。
この辺りのゲームでは、まだまだ武器というよりはダブルフォルトをしないという意味での好調でしたけどね。
しかし、終盤に行くにしたがって物凄いサーブを連発するようになります。
何より2NDサーブですね。
ダブル1STと思うようなフラット系の2NDを打ち、それがまた厳しいコースに決まってました。
でも、試合後半を見ると、これぐらいは驚くほどでは有りません。
それよりも、ストロークが絶好調でした。
彼女はどちらかというとフォアハンドの印象が強かったですが、今週はバックハンドも好調でした。
かなり低い位置からでもクロスへ強打出来ていて、これが大きな武器になってました。
バックのクロスで目の覚めるようなウィナーを何本も取ってました。
ダウンザラインはウィナーを取ろうとして打ってるわけではなさそうでしたが、クロスが厳しいのでラリーのアクセントとしてかなり有効だったと思います。
マルティナをクロスコートへ釘付けにしておいて、ダウンザラインに鋭いショットを打つんです。
これがかなり深いところにバウンドして、この処理にマルティナはてこずってました。
しかし、マルティナも悪いストロークを打ってたわけでは有りません。
同じように、クロスの打ち合いからダウンザラインへの展開を深いショットで何回もやってましたからね。
これに対するデメちゃんの対応が良く、この差がスコアを大きく分けた点だったと思います。
彼女はダウンザラインへ打たれたショットを、クロスの浅いところ、深いところと場所を変えて返球してました。
ウィナー狙いという感じではないので、ほとんどミスが無かったです。
このケースに限らず、今日のデメちゃんは無理して打った印象がほとんど無いですね。
特に1STセット後半以降は印象としては凡ミスゼロです。
(実際には有ったでしょうけど、印象に残らないぐらいミスが少なかったということです。)
ドロップショットやボレーも要所で決めて、マルティナにダメージを与えたと思います。
彼女からしたら、自分がやるべき事を相手にやられてるわけですからね。
1STセットに関しては、マルティナの彼女らしくないミスもゲームを離した要因でしょう。
相手をコートから追い出しての決めのボレーミス、ダウンザラインを狙ったショットのサイドアウトなど、昨日の出来からは考えられないミスが有りました。
これはデメちゃんの足の速さを警戒してというのも有ったとは思います。
ニコルやナスチャとの試合でもそうでしたが、デメちゃんとやる選手は攻めても攻めても返球されることを頭に入れてプレイしなければいけません。
無理やりウィナーを狙ったりしないので、ミスが少なく、とにかくしつこいのです。
そうやってラリーをしてる内にデメちゃんペースになっていき、最後にウィナーを取られてしまいます。
マルティナとしては、ちょっとコースを変えたぐらいでは返球が浅くならないので、より際どいところを狙わなくてはいけません。
それでミスが増えたんだと思います。
やることが無くなったと感じたのか、マルティナはサーブ&ボレーをするようになります。
何ポイントかは取れましたが、慣れられると抜かれてました。
パスもですが、今日はロブがよく抜けてましたね。
相手を大きく崩してからネットに出てるわけではないので、デメちゃんはロブでもパスでも打ちやすかったようです。
こうなってくると、マルティナはますますやることが無くなってきます。
後半はほとんどデメちゃんのワンサイドゲームになり、何と6−0で2NDセットを取って勝利しました。
マッチポイントが決まると同時に歓声を上げてジャンプするデメちゃんに対し、大きな拍手が送られました。
マルティナは昨日のマーシャとの試合で精神力を使い果たしてしまったんでしょう。
これは仕方ないでしょうね。
あの高い集中を2日続けることは誰でも難しいと思います。
復帰したばっかりでここまで成績を残したほうが驚異的です。
彼女の今後に注目ですね。
今回、デメちゃんの試合を3試合見ることが出来ました。
前にも生で何試合か見てますが、今週ほど、そのプレイに感動したことは有りません。
何て言うんでしょうかね。
新しいタイプのプレイスタイルというか、いや、彼女独特なものでしょうね。
正直、ここまで守備に優れてる選手だとは思ってませんでした。
しかも、攻撃力も半端じゃないです。
彼女のことを見直したと同時に、かなり好きな選手になりました。
是非、GSで優勝して欲しい!
彼女はティアT初優勝みたいです。
こうして少しづつ一皮むけていくんでしょうね。
アメリーの例をたどると、今年の最終戦を優勝して、来年の全豪で初優勝でしょうか?(笑)
いやいや、今日のプレイが2週間出来れば、今年中の優勝も可能でしょう。
「2週間続けば」ってところがキーになりそうですけどね(笑)
デメちゃんが歓喜のティアT初優勝を遂げた試合でした。


◇勝利直後のデメちゃんです。
 マッチポイントが決まって飛び上がって歓声を上げてました。
 下の写真は握手後に自分のチェアに戻るところです。
 右上の耳打ちはWTAの方でしょうか?
 表彰式の段取りなどかもしれません。
 右下は勝利のドリンクを飲むデメちゃんです。
 勝利の美酒といきたいところでしょうけどね(笑)
 この場面が場内の大画面にかなり長時間写ってました。

◇勝利者インタビューを受けるデメちゃんです。
 リスペクトしているマルティナから勝利出来て嬉しい、と言ってたと思います。

◇準優勝のマルティナの表彰です。
 久しぶりの表彰式ですよね。
 あ、全豪ミックスの優勝が有りましたね。
 シングルスでは3年ぶり以上でしょうか。

◇優勝のデメちゃんの表彰です。
 色んな場面で見る彼女の仕草は、何となくお嬢様っぽいですね。
 育ちが良いのか、あるいはそういう性格なんでしょうか。

◇チャンピオンズスピーチです。

◇記念撮影です。
 中央の下はデメちゃんのお母さんです。
 デメちゃんはスピーチでお母さんにもお礼を言ってました。


◆2-Lisa RAYMOND/Samantha STOSUR (USA/AUS) def. 1-Cara BLACK/Rennae STUBBS (ZIM/AUS) 6-2 6-1

いよいよ今年の最終試合です。
トップダブルスペアが激突する最後に相応しい対戦になりました。
ドロー発表時から、決勝では是非このカードを見たいと思ってました。
昨日も書きましたが、この両ペア、最近は頻繁に対戦してます。
リサとサマンサが組み始めたのって、去年の中ごろだったはずなので、半年しか経ってないんですけどね。
カーラはリーゼルと組んでたし、確かレネとリサが組んでたんだっけ?
いや、違ったかな?
去年のリサレネは、リサの怪我(たぶん)も有り、あまり活躍した印象が無かったです。
さて、今回のトップシード2組ですが、この半年で、たぶん5試合以上は当たってるんじゃないでしょうか?
お互いに上位進出してるからでしょうね。
一番最後は2005年の最終戦だと思います。
(全豪で対戦してた記憶は無い。)
この時は決勝で当たって、リサ/サマンサが優勝しました。
最終戦に限らず、ここ数試合はリサ/サマンサが連勝してるはずです。
最初は競ってたスコアも、最近は簡単に(あくまでスコア上ですが)決まってるようです。
レネ/カーラは生で見てますが、リサ/サマンサは生どころかテレビでも見たこと有りません。
ここ半年の実績No.1、かつ、ITF選出のダブルスチャンピオンにもなった二人がどんなペアなのか、興味深々でした。
全豪も勝ちそうだったんですよね。
決勝はヤン/ジェンの中国ペアとの対戦でした。
1STセットを取って、2NDセットも先にブレイク。
確か、マッチゲームも有ったはず。
そこをブレイクされてタイブレイクに突入。
タイブレイクは物凄いスコアで取られて(後で確認したら9−7だった)、ファイナルセットも取られてフルセットでの敗戦でした。
この試合は見てませんが、スコア観戦してました。
ほとんど勝ってた試合なんですけどね。
惜しい試合を落としました。
これに勝ってれば、全米、チャンピオンシップス、全豪とメジャータイトル3連勝だったんですけどね。
前置きが長くなりました。
試合のほうは、序盤はブレイク合戦になります。
最初のチェンジエンドまでの3ゲームは全てブレイクゲームでした。
男子ほどでは無いにしても、トップダブルスチームの対戦では珍しいんじゃないでしょうか。
最初のレネのサーブから、サマンサ、カーラとブレイクゲームが続き、第4ゲームのリサのサーブが初めてのキープゲームとなりました。
レネ/カーラはこの時点でリードを許し、その後は1度もリード出来ませんでした。
競ったゲームのキープやブレイクが出来ない、40−15等のリードしてたサービスゲームをキープ出来ない。
これではスコアは離される一方です。
今日はミスをさせられるポイントがかなり有りました。
特にリターンと1STボレーですね。
サマンサの強力サーブに手を焼くのは仕方無いですが、その影響か、リサのサーブにもリターンが合ってませんでした。
チームリーダーのレネの調子が今ひとつだったのも大きそう。
リサ/サマンサを初めて見た印象ですが、何となく数年前のマルチナ/スヴェタを思い出しました。
サーブ&ボレーヤーでテクニシャンの年長者と、強力なショットを持った若手のペアというところはそっくりです。
マルチナとスヴェタが組んでた時は、ヴァージニア/パオラ、愛ちゃん/キムなど強力ペアが目白押しでGSタイトル獲得には至りませんでした。
(ティアTタイトルは獲得しました。)
固定ペアで強力なチームがあまりいない現在、彼女達が強いのも分かります。
(ペアの片方が休養中というのが結構多い。)
リサがボレーが上手いのは前から分かってましたが、サマンサもかなり上手いですね。
彼女達はマルチナ/スヴェタと違って、組んだ当初から活躍した印象が有ります。
サマンサはブリーアン(スチュワート)と組んでウィンブルドンでベスト4になってますからね。
リサと組む前から上手かったということでしょう。
試合に戻りますが、リサ/サマンサもミスは多かったんですよ。
でも、ポーチなどの決めるべきところはきっちり決めてました。
レネ/カーラはチャンスでのミスも有り、攻撃された時のミスが数多く有りました。
試合の後半はほとんどポイントを取ってない印象さえ有ります。
お互い好調で面白い試合を期待しましたが、スコア的にかなり一方的になってしまいました。
ちょっと残念ですが、見たこと無かったリサ/サマンサの強い原因も有る程度分かって良かったです。
そういう展開でリサ/サマンサが優勝した試合でした。

◇試合終了です。
 リサとサマンサは盛んに二人で話してました。
 試合の反省でしょうか
 それとも今晩何食べる?とかだったりして(笑)
 WTAの人とも話してましたね。

◇準優勝のレネとカーラの表彰です。
 彼女達は東レの表彰式の常連のイメージが有りますね。
 今日は、あのスコアなんであまり笑顔は無かったです。

◇優勝のリサとサマンサの表彰です。
 名前を呼ばれて登場したサマンサですが、何故かレネとカーラがいるほうへ引っ込んでしまいました。
 初めての東レの表彰式で勝手が分からなかったんでしょうか?
 リサだけが表彰されるような感じになってしまいました。
 急いで呼び戻されてましたけどね(笑)
 それが左上の写真です。

◇チャンピオンズスピーチです。
 今日はリサだけのスピーチでした。
 二人ともスピーチして欲しかったですけどね。

◇記念撮影です。


これで今年の東レは終わりです。
あっけない試合も有りましたが、総じて見所満載な試合の連続でした。
やはり、自分が一番面白く感じるのは、ATP、ITF、JOP、ジュニア等ではなく、WTAなんだと再確認した1週間でした。
他が詰まらないと言ってるんじゃないですよ。
他もとても面白いけど、一番興味が有るのはWTAと言ってるだけです。
でも、必ずしも他の人もそうだとは思いません。
男子テニスファンは、よく女子テニスは詰まらないと言います。
それ自体は別に構いませんが、みんなそう思ってるに違いないという論調には閉口します。
これは、テレビ中継に関しての意見に多く見られます。
自分がATP好きだから男子テニスを多く放送してと素直に書けば良いのに、誰が見ても男子テニスのが面白いと書くのは飛躍し過ぎです。
今回のレポートは、普段思ってても書かないことを織り交ぜながら書いてみました。
もし、不快に感じたらすいません。
さて、東レは終わってしまいましたが、今年もフェドカップが有ります。
去年のブルガリア戦も印象的でしたが、今年はスイスを相手にホーム開催のようです。
詳しく調べてませんが、4月に行なわれるみたいですね。
誰が出るか現時点では分かりませんが、パティ、マルティナとトップ選手が来て欲しいなー。
日本が圧倒的不利になってしまいますけどね。
一部の熱狂的なマルティナファンがどう対応するかも興味深いところです。
次の観戦は日本リーグでしょうかね。
2/10〜12のデ杯はたぶん行かないです。
写真撮ってもHPに載せられないのが大きいし、2週連続の観戦は身体が持ちません(笑)
添田君のデ杯シングルスデビューも見たいですけどね。
正確にはデビューじゃないけど、勝敗が決まってから出た前回のはデビューとは言わないでしょう。
試合のほうは生放送のJ-SPORTSで楽しむことにします。
今年は京都チャンレジャーに行ってみたいなー。
行けたらですけど。
男子テニスの原石も発見してみたい。
チャレンジャーに積極的に行きたいと思うようになったのは、2004年の岐阜と福岡でアナを見たのが大きいです。
彼女が岐阜、福岡と$50Kを連勝し、その後、世界に駆け上がってったのは記憶に新しいところです。
男子テニスでも同様の体験をしたいですね。
一気に吐き出してる感じで話は尽きないですが(笑)、この辺でレポートを終わりたいと思います。


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