東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
予選1日目 2006/1/28(土) Vol.2
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◇vol.1からの続きです。
◆WC-Brenda SCHULTZ-MCCARTHY (NED) def. Cara BLACK (ZIM) 7-5 6-2
ブレンダの復帰には驚きました。
彼女は元TOP10ですが、もう30歳越えてますよね。
今からの復帰は勇気が要ったと思います。
大会HPに載ってる沢松さんの話によると、彼女から大会側に予選WCの申し出が有ったとか。
沢松さんも書いてますが、本戦ではなく予選というところに決意が感じられます。
でも、1大会だけ試しに復帰って形でも構わないんですけどね。
そういう形で過去のトップ選手がまた見られるのは嬉しいことだし。
但し、身体をしっかり作ってきた場合に限りますが。
そういう意味では彼女には本気を感じました。
彼女は自分の前の試合を選手席で見てましたが、ファイナルセットの中盤辺りで席を離れました。
ちょうどそこに出くわしたのですが、かなりシェイプされててアスリート体型に感じました。
もしかしたら、昔の現役の時よりもしっかりと身体を作ってきたのでは?
試合相手はダブルス巧者でボレーが上手いカーラです。
オーダーを見た瞬間に俺の中で今日のメインカードに決定しました。
ウォームアップを見ると、ブレンダの基本的なプレイスタイルは変わってないように思いました。
彼女のプレイで思い出すのは、まずは当時最速を誇ったサービスです。
当時はどちらかと言えばリターンを得意としてた女子選手が多かったです。
彼女だけがリターンよりもサーブを重視して武器にしてたと思います。
つまり、ゲームプランが全く違うわけです。
当時の男子テニスはビッグサーバー全盛でした。
ブレンダのテニスはまさに男子テニスという感じでしたね。
女子はサーブを磨くよりも、リターンやストロークを磨いたほうが勝てる時代だったと思います。
これは当時ほどではないですが、今でもそうですよね。
そんな中、「私はリターンを捨ててサーブで勝負するわ!」と宣言した彼女は異色の存在でした。
言い回しは微妙に違うかもしれませんが、実際にそういうニュアンスの発言はしてたと思います。
それから、厚いグリップのフォアハンドですね。
ビッグサーバーやボレーヤー達が薄いグリップが多かった中、こちらも異色でした。
ネットを取る割りにはダブルスで活躍した印象があまり無いのは、それも原因だったのでしょうか。
ボレーは上手かったと思いますね。
しかしその後、ヒンギスやヴィーナスの登場で、女子テニスがストロークやフットワークが飛躍的に向上する時代に突入。
その中で活躍出来にくくなり、ランキングが下がっていったと思ってました。
でも、実は怪我で休養してたんですね。
1999年のフレンチが最後で、2005年4月のフェドから復帰したとのこと。
怪我だったということで完全にやりきったという実感が無かったんでしょう。
自分を納得させるということだけでも復帰の意味は有ると思います。
試合のほうは、先ずはカーラのサーブから開始。
(だったはず。)
このゲームはカーラが簡単にキープ。
久々の試合のせいか、ブレンダにリターンミスが多かったです。
次のブレンダのサーブは簡単にブレイクされます。
確か、1STサーブの確率が悪くてボレーミスが多かったような?
第3ゲームのカーラのサーブはブレイクポイントが有ったはずです。
0−40だったかも。
ブレンダのスライスのブロックリターンがコーナーに放たれ、そのままネットで決めたように思います。
カーラのパスがネットやアウトしたのも有ったはず。
ここはカーラが凌いでキープして3−0とします。
その後はキープが続きますが、5−3(だったと思う)のカーラのサーブを今日初めてブレイク。
この辺りからブレンダが乗ってきました。
サーブのスピードが上がってきてエースやサービスポイントを連発。
会場のどよめきを誘ってました。
ブロックリターンも精度が上がってきて、ボレーにつなげてました。
ボレーは前よりも上手くなってるような印象です。
当時はサーブばかりに目が行って、ボレーにあまり目が行かなかったのかも。
5オールから、またしてもカーラのサーブをブレイク。
そのままサーブをキープしてセットを先取しました。
2NDセットに入っても調子は衰えず、序盤からブレイクして先行します。
最後のほうは、あまりのサーブの勢いにカーラがヤル気を無くしたようにさえ感じました。
ヤル気ないというよりも、どうしようもなかったというところでしょうけどね。
2NDセットも6−2でブレンダが取り、久々の勝利を上げました。
彼女のスタイルは今の主流からは完全に外れてますね。
サービスゲームはサーブ&ボレーをして、リターンゲームはチップ&チャージという戦法です。
ほとんどのリターンで、スライスのブロックリターンをライジングで打つ選手って男女ともに最近は見ません。
しかも、フォアバック共にです。
今の時代は、そこまでライジングにせずに少し後ろに下がって、振り切ってリターンするほうが後のストロークににつなげやすいんでしょうね。
逆に思いっきり下がってリターンをする選手も減ったような気がしますね。
(クレイコートではまだ多いと思いますが。)
チップ&チャージするボレーヤーや、コート後方からこすり上げるトップスピナーが減り、攻撃的なストローカーが増えたんでしょうね。
ブレンダの今後を考えるとどこまで行けるか不安は有りますが、あのサーブは一見の価値有りです。
トップ選手のサーブは結構見てますが、あそこまで勢いの有るサーブを打つ選手はいません。
個性的なプレイスタイルの選手が増えるのは大歓迎です。
何はともあれ、初戦突破おめでとう!
◆Meilen TU (USA) def. Shenay PERRY (USA) 7-6(4) 6-2
これは2番コートで行なわれました。
どういう試合だったかなー。
この辺りの時間の2番コートはあまり詳しく見てないんですよね。
1番コートのブレンダvsカーラを見てたので。
1STセットをタイブレイクで取ったメイリンが、2NDセットも取ってストレート勝ちした試合でした。
◆7-小畑沙織 (JPN) def. WC-Angelique WIDJAJA (INA) 6-2 6-2
これは1番コートの試合です。
アンジーは凄く久々に見ました。
最近は試合に出てませんでしたよね。
試合のほうはスコアが示す通り、さおちんのペースで進みました。
アンジーが強打したボールを上手く捌き、逆に相手を振り回し、最後はさおちんがポイントを取ってました。
彼女が勝つ時のパターンですよね。
アンジーが復帰した直後(ですよね?)というのも有ったのかも。
オーバーパワーという印象ではないですが、さおちんが圧勝という印象の試合でした。
◆Vania KING (USA) def. Meng YUAN (CHN) 6-3 5-7 6-3
これは良い打ち合いで見応えが有りました。
二人とも初めて見た選手ですね。
アメリカのキングは見た目はアジア系のように見えました。
そのせいか、キングという姓を見て、何故か台湾のワン(男子選手)を思い出しました。
ワンを漢字表記すると王だからか?(笑)
彼女は小柄ながら動きが早く、小気味良いショットを打ちます。
相手のユアン(で良いのかな?)も同タイプですね。
ボールに早く追いつき、素早い身体の回転でショットを打ちます。
得意なショットは違うように感じました。
キングはフォアハンド、ユアンはバックハンドです。
ストロークラリーは基本的にバックの打ち合いが多いですよね。
ユアンのショットが甘くなってキングがフォアに回り込めればキングのポイント。
ユアンがバックの角度有るショットで押し切れればユアンのポイントと言った感じでした。
お互いにテンポ良くストロークを打つので、ラリーが長く続くと、どんどんとタイミングが早くなってました。
それに対応するのが大変そうでした。
自分達の速さが仇になる感じでしょうか(笑)
長さを感じさせない試合で面白かったです。
◆Carly GULLICKSON (USA) def. 不田涼子 (JPN) 6-4 6-2
この日の試合のレポートは何日かに分けて書いてます。
最初のほうの試合はともかく、少しづつ忘れてきてますね・・・。
さて、試合のほうですが。
ガリクソンの試合は有明で見たことありますが、その時よりも数段良いプレイをしてました。
有明では感じませんでしたが、彼女は早いコートに合ってるようですね。
バックが両手打ちにも関わらず、スライスのタッチが良いのです。
なので、サーブ&ボレーやアプローチからネットプレイが高確率で決まってました。
サーブも威力が有ります。
今日はこれで主導権を取っていたので、その後のボレーやストロークが楽に展開出来た感じです。
逆に涼子ちゃんは厳しい試合でした。
後半に行けば行くほど、自分からのポイントが少なくなった印象が有ります。
サービスゲームでもリターンゲームでも守勢にまわる場面が多かったからでしょう。
キレの良いショットを連発したカーリーが初戦を突破しました。
◇vol.3へ続きます。
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