東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis

本戦5日目 2005/2/5(土)  戻る トップへ


東レSFに行って来ました。
ホントは昨日も行く予定でしたが、仕事が忙しくて行けず・・・。
昨日のは前売りでアリーナ買ったんだけどなー。
今日のは3階席しかチケットが無かったので、かなり遠くからでした。
逆だったら良かったんだけど。
今日は早く行って練習とかも見ようと思ってましたが、案の定起きられず会場に着いたのは2時ちょっと前でした。
(試合開始は1時。)
それでは試合に行きます。


◆Maria Sharapova (RUS) [2] def. 浅越しのぶ (JPN) 6-1 7-6(3)

見たのは2NDセットの途中からでした。
その時は、しのりんが3−1でリードしていて彼女のサービスゲームでした。
デュースを何回も繰り返したゲームでしたが、これをしのりんが落としました。
その後はキープが続きます。
オールキープでタイブレイクまで行くわけですが、両者集中した状態のラリーが続き、素晴らしい内容でした。
両者ともに、ウィナーになってもおかしくないボールを何とか返球します。
かなり厳しいコースに打たないとポイントが取れないのでミスが増えそうな感じですが、逆に凡ミスが凄く少なかったです。
観客も試合に引き込まれてとても集中してたように思うし、それが選手に伝わって彼女達の集中も増すという好循環だったんでしょう。
これは今までも感じてましたが、マーシャは左右に振られた時の返球が良いですね。
彼女を左右に振るときは、かなり深く打たないと逆襲されてしまいます。
逆に体に近いところに重いボールを打ったほうが良いのかも。
でも、この時の返球も去年に比べたら格段に良くなってると思います。
しのりんも動きがかなり良かったです。
たぶんですが、1STセットでは読めなかったマーシャのコースが、2NDセットからは読めるようになってきたんでしょう。
読みが外れた時はウィナーを取られましたが、ウィナーを打たれること自体が、この早いコートの割りにはかなり少なかったです。
メンタルも強くなり、展開力も増してるようですね。
ブレイクポイントを握られることも多かったですが、その度に自分から展開して逃れました。
特に延々とデュースを繰り返した第9ゲームのサービスゲームでは、ようやく来たゲームポイントで今までにないような威力のサーブを打ちました。
ということは、その時まで取っておいたってことですよね、このサーブを。
試合全体を考えて、いつこれを打つかを考えてたってことでしょう。
試合の流れからすると、しのりんが2NDセットを取ってもおかしくない感じだったんですよね。
タイブレイクは、ライン上のショットが明暗を分けた感じです。
しのりんのショットはほとんどアウト(またはフォルト)に判定され、マーシャのショットはウィナーに判定されてました。
あ、ミスジャッジって言ってるんじゃないですよ。
それぐらいのギリギリの攻防だったってことです。
これが響き、序盤からマーシャがリードして、そのまま勝利を収めました。
今日は3階席に座ってましたが、周りはほとんどしのりんの応援でした。
これは、おばさま達から学生っぽいような若者まで一緒でした。
しのりんへの声援も、そういうのに厳しい東レのわりには飛んでたし、マーシャを応援してた人が少なくとも俺の周りには居なかったようでした。
これは、しのりんが互角に戦ってるってのも有ったんでしょうね。
まー、彼女達は1勝1敗だし、しのりんは去年も勝ってるので、苦手意識は無かったでしょう。
久々に3階席で見て、コアなテニスファン以外の人たちがかなり多くなってるなって思いました。
スコアが4−4、5−5となっていくにつれて、5−5になったらどうなるの?とか、6−6になったらどうなるんだ?って声がほうぼうから聞こえました。
こういう人達を動員してるから、今のテニスの会場が一杯になってるんでしょう。
今日の動員人数は分かりませんが、かなりの観客でしたよ。
アリーナから3階席までほとんど一杯でしたから。
普通は2階席や3階席の端は空席が多いですが、そういう席まで埋まってました。
今日の試合は、試合自体も面白かったし、彼女達の成長が見られてとても良かったです。

◇3階席からなので、かなり遠いです。
 たくさん撮った中から、ちょっとはマシなのを載せます。

◇これは会場に設置された大きい画面(相変わらず名前分からず)を撮ったものです。

◇試合終了後のあいさつ(?)
 そして勝利者インタビューです。


◆Lindsay Davenport (USA) [1] def. Svetlana Kuznetsova (RUS) [3] 6-1 7-6(2)

これは前の試合とは打って変わって、大味な感じでしたねー。
まー、彼女達のプレイスタイルがそうなので、これは仕方有りません。
全体としては、リンジーの調子は一定のようでしたが、スヴェタのショットが入るか入らないかでゲームが決まる感じだったかな。
スヴェタのサーブで試合が始まりましたが、いきなり第一ゲームをブレイクされました
でも、いつもの彼女のスタイルとして、自分のショットが入り始めれば大丈夫っていうのが有るんでしょう。
この時点ではミスしてもあまり気にしてないようでした。
スヴェタってボールをつなぐってことをあまりしませんよね。
今日もそんな感じで、1STセットはあっという間にリンジーが取った印象です。
だってリンジーの2−1ぐらいで買い物に行って、帰ってきたら1STセットが終わってましたから。
スヴェタにすれば、2NDセットの為の練習セットのような感じだったんでしょう。
2NDセットに入ると、いきなりリンジーのサーブをブレイク。
そのまま3−1とリードして、その後のリンジーのサーブで0−40になります。
ここをブレイクすれば、いくらリンジーでも挽回は難しかったでしょう。
というか、そうなればリンジーはファイナルセット勝負にしたでしょうね。
リンジーは、そこでサービスエース2本とサービスウィナーであっという間にデュースにします。
そして、何回かデュースを繰り返した後にキープに成功します。
今日の試合は、全てこのゲームに寄るところが大きかったと思います。
今日のリンジーはデュースサイトのサービス時に、ほとんどスヴェタのバックハンドにサーブを打ってました。
そして、緊急時やピンポイントで高速スライスサーブでワイドに打ってました。
こういう駆け引きっぽいところは、上位選手ほど優れてるんでしょうね。
何気ないですが、試合全体を見ると大きいことでしょう。
次のスヴェタのサーブは、スヴェタがリードしながら追いつかれ、そしてブレイクされました。
この辺は試合の流れの怖いところですね。
観客も2NDセットはスヴェタかなって思ってたでしょう。
そしてタイブレイクへと試合は移行します。
スヴェタが先にミニブレイクすれば面白かったんですが、常にリンジーが先行する形でタイブレイクを取って勝利しました。
スコアを見ると前の試合と同じですが(タイブレイクのポイントは違うけど)、えらく印象の違う2試合でした。
スヴェタは、俺の見る限り1ポイントだけつなぐテニスをしてました。
これは2NDセットの追いつかれた後ですね。
違う方法を試してみたんでしょうかね。
結局、そのポイントを落とし、また自分から打ってくスタイルにしたようです。
去年の全米や北京の試合を見ると、WTAの選手の中で彼女だけが男子テニスのスタイルだと感じました。
これは彼女のフィジカルが並外れて優れてるってのも有りますが、守りよりは攻撃を主体にしてるところです。
いくらセリーナ、ヴィーナスやエナン、キムが攻撃的だって言っても、スヴェタほどではないでしょう。
それに彼女達のは女子テニスって印象が有ります。
女子テニスの中で、唯一男子テニスをしているスヴェタ。
今後が非常に楽しみであり、興味深いです。

◇試合前の写真です。
 入場するスヴェタと準備中のリンジー。
 次はコイントスと記念写真。(SFなのに?)
 そしてアップ中の写真です。

◇試合中の写真です。

◇試合終了です。
 観客に手を振りながら退場するスヴェタとリンジー。
 最後はサインするリンジーです。


◆Janette Husarova/Elena Likhovtseva (SVK/RUS) [2] def. Nicole Pratt/Maria Vento-Kabchi (AUS/VEN) [4] 6-3 6-3

これは非常に面白い試合でした。
スコア的にはストレートでしたが、お互いにテクニックを見せての見どころ満載な感じでした。
今日改めて思ったのは、日本人がダブルス好きなのは、何も自分達がダブルスメインでやってるからだけじゃないんじゃないかってことです。
日本の観客ってホントに試合に集中して見てます。
選手の一挙手一投足を見逃さないって感じですね。
だからミスした時に「あー・・・」って声が出るんだと思います。
今日のしのりんの試合の時も多かったですから。
海外に試合見に行ったことが無いので分かりませんが、テレビで見る限りは日本人ほど集中して見てるようには思いません。
特にUSオープンなんかだと、観客は自分なりに楽しみながら試合見てる感じです。
だから、細かいテクニックを使うダブルスは人気無いのでしょう。
ダブルスは細かく見てるとホントに面白いです。
特に自分でテニスやってる人達は、いかに凄いことをやってるのかがシングルス以上に分かるはずです。
今日の周りの声を聞くと、シングルスの場合は「オー」とか「ワー」とか溜息混じりの「あー」とかですが、ダブルスは「凄ーい!」「マジかよ!」「何であそこに打てるの?」って声が多かったです。
で、試合ですが、印象に残るプレイをしたのは、どちらかというと負けたニコル&マリアベントのほうですね。
特にマリアベントのどこからでもボールを返球しちゃう技術には感嘆しました。
前から彼女は面作りが上手いなーとは思ってましたが、ここまでとは。
序盤こそミスも多かったですが、慣れてくると相手のウィナー級のショットも何とか返球してしまうし、緊急時の対処が抜群でした。
これは3階席から見ててもそう思うので、アリーナの近くから見たらもっとそう思ったでしょう。
相方のニコルは動きが俊敏ですね。
1歩目が早いって感じでしょうか。
彼女はシングルバックですが、バックを攻められてもスライスロブやスピンロブが上手いし、ハーフボレーも上手いです。
彼女も緊急時の面作りが上手いし早いですね。
対するジャネットH&リホですが、彼女達も随所にテクニックを見せてくれました。
キレの良いバックボレーや、アングルショットなどです。
でも、全体的にはステディなプレイって印象でしょうか。
だから勝つことが出来たって感じですね。
このステディなプレイって簡単なようで難しいんですよねー。
特に自分が一発狙いに行きすぎるきらいが有るので、余計そう思うのかも。
でも、彼女達もミスはしてるんですよね。
ということは、どのポイントでミスをするかってことになるのかな?
それと展開力の差も有ったんでしょうかね。
ニコル&マリアベントの緊急時の返球が印象に残ってるってことは、裏を返せばそれだけそういう場面が多かったってことですから。
試合の終盤には、顔を打つ方向を全く別に向けてのボレーも有りました。
俺が見た時は、ジャネットとニコルがそれぞれ1回づつやってましたね。
あとは強打すると見せかけて、ちからを抜いてアングルに打つとかも。
これは4人ともやってましたが、ジャネットHが一番上手かったかな。
ジャネットは選手紹介の時に日本語では「ヤネッテ・フサロワ」って言われてましたが、主審(外国人)の方は「ジャネット・フザローヴァ」って言ってたようでした。
ファミリーネームの「サ」が濁るのはまだしも、「ヤネッテ」と「ジャネット」では印象がまるで違いますね。
まー、外国人の名前を日本語に置き換えること自体が無理っちゃー無理なんですが(笑)
リホのほうは、今日も「K」を発音されてました。
「リクォベテェヴァ」って感じ?
マイクを通してなので完全に聞き取れてるわけじゃないですけど。
あ、別に発音に神経質になってるんじゃありません。
色々な言い方があるんだなーって感じですね。
どちらかと言えば、俺にとってはどっちでもいいことなので。
そもそも発音の体系が違う言葉を話す人が、完全に外国人の人名を発音出来るわけ有りませんしね。
きっと選手本人達もそれほど気にしてないでしょう。
試合のほうは、ストレートながらも観客を満足させる良い試合だったと思います。
こういう試合はアリーナでも見たかったです。
一番良いのは、半分をアリーナで見て、半分を上から見るって感じでしょうね。
そうすると、また別の見方が出来て、色んな事が見えてきますから。

◇試合前のコイントス時です。
 ジャネットとリホは何をしてるんでしょう。
 滑り止めかな?

◇全体的にニコル&マリアベントの写真が多くなってます。
 ジャネット&リホの写りが綺麗なのは数枚しか有りませんでした。
 ボケボケは結構有るけど(笑)
 右下はコート全体を写したものです。
 引いて撮ってるせいも有るのでここまで小さくないですが、だいたいこんな感じで見てました。

◇そして試合終了です。


今日はこんなとことですね。
俺としては一番の注目だった、愛デメvsリンジー/コリーナがデメちゃんの負傷でなくなってしまいましたが、それ以外の試合も面白かったです。
明日のシングルスは、去年の印象度ではトップだったマーシャと、1年を通して好調を持続してランキング1位のリンジーの対戦です。
事実上のNo.1決定戦と言ってもいいのかな?
とても楽しみな試合です。
リンジーのサーブの調子がキーとなりますかね。
マーシャの勝利への執念は人間離れしたところが有るので、リンジーとしては、それをもってしてもどうにもならないぐらいのショットを打たなければなりません。
今日の出来ではちょっと不安ですが、決勝ともなればリンジーも集中してくるでしょう。
これはモニカと決勝やった時がそうだったと思います。
ダブルスは、やっぱりリンジー&コリーナが断然有利でしょうかね。
ジャネット&リホは、今日のプレイをしてもちょっと厳しいかも。
でも、去年はリホ&マギーでリンジー&コリーナに勝ってますからね。
やはり試合では何が起こるか分かりません。
ところで、今年は4連覇中のレネが出てません。
全豪でリサとの黄金ペアが復活したので、彼女と組む予定だったんでしょうかね。
リサの怪我(たぶん)で出場を取り止めたんでしょうか?
誰か若手(ストーサーとか)を連れてきて組んでくれたら良かったですけどねー。
まー、元々出場する予定じゃなかったのかもしれませんけど。
明日はリンジーが単複出場の為、間に時間が出来ますね。
この間に何をするんでしょうか?
主催者側がどれぐらい観客のことを考えてるか、興味深いところでしょう。


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