フェドカップ2005 ワールドグループU プレイオフ
日本vsブルガリア
FED CUP 2005 World Group II Play-offs
Japan vs Bulgaria

最終日 2005/7/10(日) vol.2  戻る トップへ


◇vol.1からの続きです。


◆中村藍子 (JPN) def. Sesil KARATANTCHEVA (BUL) 6-4 7-6(2)

そして最も驚いた結果がこの試合ですね。
スコアは競ってますが、内容的には藍子ちゃんのペースだったと思います。
特に出だしは最高でした。
最初のセシルのサーブをあっという間にブレイク。
次のゲームも簡単にキープ。
第3ゲームも簡単にブレイク。
ほとんど試合にならない感じさえ有りました。
たぶん、藍子ちゃんはかなり集中して望んだと思います。
アッコの試合の時にはほとんど会場にいなかったので(だったと思う)、時間をかけてかなり直前までウォームアップしてたんでしょう。
セシルのほうは、マギーの試合時にラッパみたいのを吹いてましたから(笑)
いや、これが悪いって言ってるわけじゃないです。
選手それぞれに調整方法って有ると思うし、リラックスしたほうが良い選手もいると思いますからね。
今日の藍子ちゃんは、セシルに攻める時間を与えないことを目標としてたようです。
というか、これしか無いでしょうね。
藍子ちゃんだけというわけではなく、お互いにだと思いますが。
そして、これが1STセットは思いのほか成功してました。
リターンは早めの打点でフラット気味に返球し、ラリーでもネットスレスレの低い弾道のボールを配球していました。
昨日のマギー戦では打点が遅れ気味になってネットするケースも有りましたが、今日の序盤はほとんどノーミスでした。
ここまで素晴らしい出来の彼女を見るのは始めてかも。
相手のセシルが拾いまくるタイプじゃなかったのも余計にそう感じた理由かもしれません。
セシルは、藍子ちゃんの早い展開に全く着いていけずに凡ミスを量産してました。
よっぽど良いショットを広角に打たないとポイント出来ないんですからね。
ゲームどころかポイントを取るのもかなり苦労してました。
というよりも、苦労する間もなくゲームを失ってた印象ですけどね。
藍子ちゃんが4−1、5−2と常にリードする展開でした。
そんな中、ようやくキープに成功してからはセシルもちょっと落ち着いたんでしょう。
ブレイクゲームも含み、4−5まで盛り返します。
この辺のゲームは競った展開だったはずです。
藍子ちゃんがキープしてもおかしくないポイント展開でしたが、最後のポイントをセシルが取ってブレイクするといった感じでした。
しかし、藍子ちゃんは5−4のサーブを何とかキープ。(だったかな?)
セットを先取します。
2NDセットも先に藍子ちゃんがブレイクします。
しかしセシルもすぐにブレイクバック。
2オールになります。
ここからリードしたのはセシルでした。
2連続ブレイクをして5−2とします。
これはセットオールかなーって思ったんですけどね。
全体的なラリーの展開としては1STセットとあまり変わらなかったです。
でも、セシルがミスしなくなったというのが大きいですね。
彼女が攻めるポイントは相変わらず少なめでした。
途中で連続サービスエースで40−0としたゲームは有りましたけどね。
この辺では攻められたボールは、浅くても何でもとりあえず返球してました。
マギーのように、深く返球するテクニックはまだ持ち合わせてないようでした。
まー、攻撃型の選手だから、これは仕方有りません。
しかしながら、これでゲームを取れるようになりました。
これに対して藍子ちゃんがもっと攻めようとしてのミスが増えてましたから。
しかし、ポイントの展開は競ってましたが、今度は藍子ちゃんがゲームの最後を取るように変わってきました。
この辺は勝負のあやでしょうかね。
マギーとアッコの試合のように、こういう戦略だからこうなったというような感じではなかったと思います。
どちらが攻めきって、または守りきれるか、という展開でした。
出たとこ勝負な感も有り、かなりスリリングでした。
セシルにセットポイントは有ったかなー。
何本かは有ったかもしれませんが、試合はタイブレイクに突入します。
ここは序盤から藍子ちゃんがポイントを連取していきます。
スコアは5−0までリードします。
途中で微妙なジャッジなど有りましたけどね。
そしてそのまま7−2でタイブレイクを取り、藍子ちゃんが勝利しました。
そして3勝1敗で日本の勝利が確定!
対戦前は不利が予想されてましたが、ダブルスを待たずに勝利を決めました。
会場は凄く盛り上がってました。
選手やスタッフもみんなコートに出てきました。
選手達は勝った藍子ちゃんも含めて全員が挨拶。
やはりホームで勝つと盛り上がりますね。
そんな中、セシルはタオルを被って泣いてました。
マギーやスタッフが声を掛けてましたが、全く反応しませんでした。
かなりショックだったんでしょう。
負けたことよりも、自分のスタイルが通じなかったからだったのか。
または会場が敵だらけの中での試合だったからなのか。
前日の敗戦ではそこまで落ち込んでなかったんですけどね。
やはり、自分の敗戦でチームの敗戦が決まったことが大ショックだったんでしょう。
日本チームが喜びに浸ってる間、ずーっとそんな感じでした。
マギーもしばらくそっとしておくしかないと思ったようで、そのままにしてました。
彼女はこういう経験は初めてだったのかな。
だとしたら貴重な経験を積んだことになりますね。
こうやって若い選手は成長していくんでしょう。
まだ15才のセシルなので、今後が楽しみです。
そして勝った藍子ちゃんですが、途中で危ない場面も有りましたが、よく攻めきりました。
彼女の目指すテニスはこれなんでしょうね。
アッコのように緩急自在の試合巧者になるつもりはあまりないようです。
今回はフェド初勝利ですよね。
しかも急成長中のセシル相手にです。
これは凄く自信になったことでしょう。
彼女も今後が楽しみです。
あ、それと、最初の選手紹介の時にセシルが15才と紹介されました。
ここで観客がどよめいてました。
しかも、それがしばらく続いてました。
彼女を知らない観客が多い為でしょうけど、みんなかなり驚いてたようでした。
日本だったら15才って言ったら、まだ高校生ですからね。
高校生が国の代表ってきいてびっくりしたんでしょう。
それから、前回の対戦時にマギーが出てなかったのは、自分の結婚式だったからみたいです。
パンフに書いてあって驚きました。
遅ればせながら、マギー、結婚おめでとう!
今回は勝利ならなかったですが、また日本に来て欲しいです。


◇チェンジエンド時のセシルとマギー。
 不利な状況のなかでマギーは何をアドバイスしたんでしょうね。
 セシルも何とかしようとしてたのは感じられましたよ。

◇タイブレイクを制して藍子ちゃんの勝利!
 ガッツポーズと立ち上がって喜ぶ日本チームが1枚に撮れました。
 手前右の影は前の人の手です(笑)

◇植田監督に祝福される藍子ちゃん。
 喜び爆発って感じの凄く嬉しそうな顔が印象的です。

◇泣き崩れるセシル。
 マギーを始め、チームメンバーが声を掛けますが、無反応でした。
 そしてマギーは勝利の喜びに浸る日本チームへ向かい、植田監督の試合終了の握手。
 最後の写真は、カメラのシャッター音のなか、それを眺めるマギーです。
 どんな気持ちなんでしょう?
 次は勝つと気持ちを新たにする瞬間かも。

◇会場の声援に応える藍子ちゃんです。

◇選手達のあいさつです。
 アッコ、さおちん、里華ちゃん、藍子ちゃんの順でした。
 アッコの涙が印象的でした。

◇日本チームの喜びの間、ずっとセシルはこんな感じでした。

◇四方の観客に向かって挨拶する日本チームです。

◇引き上げようとするセシルとマギーです。
 左の写真では厳しい表情のマギー。
 いつまでも泣いてるんじゃないわよって感じでしょうかね。
 しかし、次には優しい表情に。
 監督というよりお姉さんという感じなのかも。

◇こちらも引き上げる藍子ちゃんとアッコです。


◆藤原里華/森上亜希子 (JPN) def. Tszvetana PIRONKOVA/Maria PENKOVA (BUL)  6-1 6-2

負けが決まったブルカリアはメンバーを変えてきました。
当初はマギーとセシルの予定だったんですけどね。
これも見たかったペアですが、仕方有りません。
代わりに控え選手だったピロンコワとペンコワが出てきました。
(発音合ってるんだろうか?)
ピロンコワは遠目で見た感じはちょっとデメちゃん風で、フォアの強打が凄かったです。
アッコや里華ちゃんが反応出来ないようなショットでしたから。
まー、あの速さでボディに打たれちゃ返球しろというほうが無理かも。
ピロンコワからしたら、ボディ狙いしかポイント取れない感じでしたからね。
そしてやっぱり守ってるのもデュースサイドでした。
アドサイドのペンコワもバックの打ち合いでは弾道の低い鋭いショットを見せてました。
しかし、二人に共通してますが、それが続かないのです。
あまり上位選手と対戦したことが無いんでしょうかね。
それか、ダブルスをあまりやってないのかも。
スコアは6−1、6−2ですが、内容的にはダブルベーグルと言ってもおかくない感じでした。
勝敗が決まった後の対戦だから3ゲーム取れたという印象です。
もしも2−2だったら、アッコと里華ちゃんは1ゲームも許さなかったと思います。
その日本ペアですが、彼女達は当初の発表のままのペアでした。
勝敗が決まったから、さおちんが出て来るかなって思ったんですけどね。
監督はエースのアッコに最後も締めさせようとしたのかも。
ダブルスとしての完成度は歴然の差でしたね。
動きの速さやポーチのタイミングなど、負けてる部分は無かったと思います。
そして、スコア以上の圧勝でした。
これで日本が最終スコアを4−1として全ての試合が終わりました。


◇この試合の前には長塚さんがレポートしてました。
 友佳ちゃんとナガキョン(この言い方結構好き)で1試合ごとに交互にやってたようです。

◇アッコと里華ちゃんはIフォーメーションを何回かやってました。
 ピロンコワのフォアハンドが凄かったためでしょうね。

◇これは試合の途中で戻ってきたマギーです。
 隣の方はスタッフでしょうかね。
 もしかしてマギーのダンナ?
 右の写真は微笑みながら監督席で試合を見てるマギーです。
 ピロンコワとペンコワも良いショットを打ったりゲームを取ったりするとマギーを見てました。

◇そして日本ペアの勝利!

◇試合終了後からの日本チームです。
 アッコと里華ちゃんが会場の声援に応えます。
 そして植田監督としっかり握手です。

◇植田監督の挨拶です。
 応援への感謝とこれからについて話してました。

◇選手を代表してアッコからも挨拶が有りました。
 やはり名実ともに彼女がエースなんでしょう。


今回は誰を表紙にするかかなり悩みました。
マギー、アッコ、セシルともに印象深かったですが、勝負を決めた藍子ちゃんにしました。
後ろ姿なのは、国旗や国名がよく見えるので、わざとそうしました。


今日はこんなところです。
今日は全試合ストレートで決着が着きました。
でも、流れが行ったり来たりしてとても面白かったです。
(ダブルスは除く。)
マギーは最後に挨拶したいと言ってマイクを持ちました。
これを見て、あー、やっぱりこれが最後なのかなって思いました。
今年の東レのリンジーといい、ベテラン選手が、突然挨拶したいというとドキッとします。
二人とも来年の東レに来て欲しいですが。
今回の試合は2日ともセンターコートの屋根が閉まってました。
初日は途中で小雨がちらついてましたが、2日目は天気良かったです。
何で閉めたままだったんでしょうね。
やっぱり経費の問題?
それと、思い出してみると、2ヶ国だけが対戦するフェドを生で見たのは初めてかもしれません。
89年は1箇所に全部の国(32ヶ国だったかな?)が集まって1週間のトーナメント。
03年はアジア/オセアニア予選でした。
次回もまた有明で見たいです。


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