フェドカップ2005 ワールドグループU プレイオフ
日本vsブルガリア
FED CUP 2005 World Group II Play-offs
Japan vs Bulgaria

初日 2005/7/9(土) vol.2  戻る トップへ


◇vol.1からの続きです。


◆森上亜希子 (JPN) def. Sesil KARATANTCHEVA (BUL) 2-6 7-6(4) 6-0

早起きして4時間しか寝てないので、今ひとつ記憶が鮮明じゃ有りません。
会場で見た時は、物凄く面白かった試合なのに。
あ、普段からきちんと寝てての4時間なら大したことないですが、いつも4、5時間睡眠ってかなりキツイですよ。
いや、念の為(笑)
文章は、何とか思い出しながら書こうと思います。
いつも書いてるうちに試合の場面が浮かんできたりするんで。
1STセットはセシルの強打が炸裂してました。
少しでもオープンコートが有ったら、そこに打ち込んでました。
これにミスがほとんど無かったです。
アッコが苦笑いするしかないポイントが多かったです。
ロングラリーが続いたポイントでは、だいたいはアッコが取ってたんですけどね。
去年のAIGでも思いましたが、セシルのフォアハンドは独特です。
一旦、面をフラットにするというのかな。
フラットなのにあまり打点が前じゃないような気も若干したような?
詳細はともかく、あまり見ない感じのフォアハンドですね。
でも、バックハンドのほうが得意みたいです。
センターに高いバウンドのボールが来ると、ほとんどバックに回り込んでました。
高いボールだけはバックのほうが得意とか?
それと、強打してる割りにはミスが少なかったですね。
印象としてはノーミスのような感じです。
もちろん、リターンの時とか、アッコが先に攻撃した時には返球できないことも有りましたが、自分から打った時のミスがほどんど無かった。
あれじゃ、アッコもどうしようも有りません。
それでも、1球でも相手に打たせようと、よく走って拾ってました。
2NDセット以降、これが効いてきたのかな。
2NDセットの序盤までは、1STセットと同じような展開だったと思います。
しかし、アッコも何とかサーブをキープ。
そしてセットの中盤に先にブレイクすることに成功します。
でも、全体的にはセシル有利な感じは残ってたでしょうかね。
ここからはブレイク合戦になります。
4ゲーム連続ぐらいでブレイクゲームが続きます。
この辺になると、セシルのウィナーが減り始めてきます。
アッコが慣れてきたっていうのも有るんでしょう。
それとともに、アッコのメリハリの効いた攻撃が功を奏してきたと思います。
攻め時と守る時がきっちり分かってる感じでした。
1STセットの時は、自分から打てる時でも少し抑え目にしてたと思います。
これは、自分からのミスは極力減らしかったんだと思います。
相手に1本でも多く打たせようというのも有ったんでしょう。
まー、打てるボール自体が非常に少なくは有りましたけど。
しかし、2NDセットでは打てるボールは強打してました。
ブレイク合戦になったのは、そこでミスが出てた為だと思います。
でも、常に自分が先にブレイクしてたので、行くべきだと判断してたんでしょうね。
そういう展開でタイブレイクに入ります。
ここは中盤までは拮抗してたはずですが(たぶん)、終盤にアッコが連取してセットオールとしました。
ここでアッコはバスルームブレイクを取ります。
これは結果として、有効だったと思います。
セシルに考える時間が出来たからです。
というか、自分の調子は落ちてないのにポイントが取れなくなってきてました。
あんなに有利だったのにどうして?って思ったはず。
監督のマギーが何をアドバイスしたか分かりませんが、あの場面では何が一番有効なんでしょうね。
もっと打つべきって言うべきなのか、少し抑えて相手を振っていけっていうべきなのか。
ファイナルセットに入ると、セシルのウィナーは数えるほどしか出てないと思います。
この時点で、アッコは全く相手のショットに対する恐怖感は無くなってたはずです。
強打されても面をしっかり作って小さめのフォロースルーでしっかりブロックしてました。
そして、相手のボールが浅くなったら、すかさず体重を乗せたショットを打ち込んでいきます。
要所でネットにも行ってました。
何本かは抜かれてましたが、それ自体はあまり影響ないでしょうね。
あまいボールを打ったら、ネットに出てくるってセシルに思わせれば成功だと思います。
アッコが自分からネットに行ったのは5本ぐらいだと思いますが、セシルからしたら倍以上に感じたはずです。
それぐらい、良い場面でネットダッシュしてました。
このセットは序盤は競い合う場面も有りましたが、アッコがゲームを重ねます。
後半は、もう、アッコのやりたい放題な感じでした。
1STセットを見ると信じられないような展開です。
これだからテニスは面白いんですよね。
昔からアッコは攻守の切り替えが上手い選手だと思ってましたが、それにさらに磨きが掛かったと思います。
彼女は日本のエースといったような重責が有ったほうが良いんでしょうかね。
前回のチェコ戦と言い今回と言い、デ杯男ならぬフェド杯女という感じです。
ツアーでも同じ成績を残せれば、TOP50なんてあっという間でしょう。
今後に非常に期待してます。


◇ブルガリア監督のマギーです。
 まー、改めて紹介するまでもないですが(笑)
 右の写真は、第一セット終了後に一旦席を離れてから戻ったきた時です。
 自分の試合の準備も有ったんでしょうね。
 やっぱり監督兼任はかなり大変そう。

◇こちらは応援団長(?)の里華ちゃんです。
 この日は試合は有りませんでしたが、存在感は試合に出たアッコや藍子ちゃん以上だったかも(笑)

◇大逆転勝利で喜ぶアッコです。
 若い強打者のセシルに対して、素晴らしい試合でした。

◇引き上げるセシルとマギーです。
 マギーの準備の為か、20分ぐらい経ってから次の試合が始まるとアナウンスされました。

◇スコアボードです。
 これだけ見ても見所満載な感じですね。
 時間を全く感じさせない試合でした。


◆Magdalena MALEEVA (BUL) def. 中村藍子 (JPN) 3-6 6-4 6-3

これも非常に面白い試合でした。
マギーを見るのは久々です。
去年の東レ以来だと思うので、1年半ぶりぐらいでしょうか。
彼女をハードコートで生で見るのは初めてかもしれません。
USオープンのマルチナ戦(93年?)をテレビで見たことは有りましたけど。
前から思ってましたが、彼女はバックハンドに特徴が有りますね。
重心を低くして、ラケットの下から打点を見るような感じです。
最近ではあまり見ないタイプかも。
だからカウンターが得意なのかもしれません。
フォロースルーが前に大きく伸びる時は攻撃した時、肩に担ぐ時はスピン系を打った時ですね。
これはフォアハンドも同じだと思います。
彼女はフォアに振られた時に無理して返球しません。
ラケット操作を極力少なくして、弾道の高いボールを返球します。
そして、時にはアングルに打ちます。
フォアで攻撃する時は、バックハンドよりも若干スピン気味のようです。
逆クロスが多いっていうのも有るかもしれません。
弾道が高いと、よりワイドにバウンドしますから。
逆に藍子ちゃんは、フォアもバックも低い弾道が多いですね。
これは攻撃を重視する左右両手打ちならではでしょうか。
1STセットの序盤は拮抗してましたが、少しづつマギーにミスが増えてきます。
藍子ちゃんのショットにミスされている感じだったと思います。
2NDセットも、確か藍子ちゃんが先にブレイクしたんだったはずです。
いや、違ったかな?
これって翌日の夜に書いてるんですが、記憶の中で既に他の試合とかぶってます。
でも、途中で藍子ちゃんが勝って日本の2勝かなって思ったのは覚えてます。
ということは、記憶違いじゃないはず。
しかし、少ないチャンスを活かしてタイに戻すと、次第にマギーのペースになってきます。
今まで少しづつアウトになってたボールが入り始めたのも有ります。
そして、まさかのセットオールとします。
いやいや、よく取り返したと思いますよ。
あの展開でねー。
まさにカウンターパンチャー、そして試合巧者の面目躍如といった感じでした。
この辺から藍子ちゃんは足に違和感が有ったようです。
2回ほどトレーナーを呼んでました。
そしてファイナルセットに入ります。
このセットは、終盤に行けば行くほどマギーの一方的な展開になっていきました。
マギーは、藍子ちゃんの足が調子悪いと見るやいなや、ネットダッシュを増やしてきました。
ドロップショットも多用してきます。
そして、やっと取ったボールと軽くオープンに決めてました。
藍子ちゃんからしたら、そこでマギーがバカ打ちしてミスでもしてくれたら良かったんですけどね。
パスを打ってもロブを打っても、面を作るだけで空いてるスペースにチョコンと落されるんです。
あれはメンタル的に響きそう。
マギーはあまりそういう印象有りませんが、ネットプレイはかなり上手いです。
これは東レのダブルスで決勝進出した時に感じました。
終盤は、これが物を言って圧勝でした。
最後のポイントも、藍子ちゃんがフォア側に走らされて転んだところを、オープンコートに軽くボレーを決めて試合終了でした。
さすがマギーだなーって感じた試合運びでした。
この試合は、ブルガリアの応援もかなりヒートしてました。
テレビ見た方は分かると思いますが、「マーギィ!、マーギィ!」とか「GO、マーギィ!、GO、マーギィ!」とか凄かったです。
最初のは「1、2、1、2」って感じで、次のは「1、2、3、1、2、3」って感じです。
これで分かりますかね?
日本語的な感じだと、みんなで声を合わせる時は「マーギィ!」ではなく「マギイ!」になりそうですよね。
単独で名前を叫ぶときは「マギィー!」でしたが、どういうわけかみんなで叫ぶ時は違ってました。
この辺は文化の違いでしょうか。
俺も一緒に叫びたかったけどねー。
さすがにこれは無理(笑)
でも、はっきり言ってマギーを応援してました。
藍子ちゃんが嫌いとかじゃなくて、マギーは俺がテニスを見始めた頃からプレイしてる選手ですからね。
当然、思い入れも深いです。
これは他のスポーツのファンもたぶん一緒なのでは?
テニスほどではないかもしれないけど。
たまにしかテニス見ない人ならともかく、普段からツアーをネット観戦してる人なら理解できるはず。
何か言い訳してるみたいだけど(笑)
今回、マギーは監督兼選手としての参加でした。
なので、自分の試合の時はベンチに誰もいません。
監督が自分だからってことなんでしょう。
去年のデ杯のインドもパエスが監督兼選手でした。
でも、パエスの試合の時にブパシがベンチに入ってました。
何で今回はダメなんでしょう?
デ杯とフェドでルールが違うんでしょうかね。
今日のマギーは大忙しでしたよ。
セシルの試合中に弁当食べてたし(笑)
これは次の自分の試合に備えてってことでしょう。
まー、そんなわけでマギーが勝利した試合でした。


◇またしても応援団長な里華ちゃんです。
 駒田コーチも大笑い、いや苦笑いかな(笑)

◇サインをするセシルです。
 マギーがバスルームブレイクを取った時の写真だと思います。

◇足をマッサージ(たぶん)してもらう藍子ちゃんです。
 後半に行くにしたがって、少しづつ足の影響が大きくなっていったようです。

◇バスルームブレイクから帰ってきたマギーに盛大な応援をするブルガリアチーム。
 いや、ブレイクした直後のチェンジエンドの時かな。
 とにかく若手3人娘が大騒ぎ(笑)

◇そして試合終了です。

◇後輩3人に祝福されるマギー。
 仲の良い雰囲気が伝わってきます。

◇退場する藍子ちゃんと植田監督。
 コンディションが悪いなか、出来る事はやったんじゃないでしょうか。
 この時点では翌日はシングルスのメンバーが変わるのかな?って思ってました。

◇何故か入退場口から退場するブルガリア若手トリオ。
 アッコやさおちんもここから退場してましたけどね(笑)
 そして、大逆転勝利のマギーの退場です。

◇コロシアム内(センターコートの外)に有ったフェドカップの国別ランキングです。
 この前で写真撮ってる人とか多かったですよ。(たまたま見ただけ?)
 これってデ杯ランキングと同じ計算方式なんでしょうかね。
 だとしたら4年ぐらいが対象で、1年前は75%、2年前は50%、3年前は25%とかなるはず。
 最新ランキングはフランスとロシアが断トツですね。
 優勝したほうが1位になるのかな?


今日はこんなところです。
今日は会場の応援もかなりちから入ってました。
音頭取りが1箇所だけじゃなくて複数だったのも良かったようです。
途中からは里華ちゃんが応援団長みたくなってました(笑)
彼女の声ってよく通って、なおかつ聞きやすいんですよね。
ものおじしないし。
彼女の掛け声の後に会場が着いてった感じでした。
この日は2試合とも、ベテランvs若手の対決でした。
アッコをベテランに入れるのはちょっとって気もしますが、相手が15才のセシルですからね。
年齢差としてはおかしくないでしょう。
そして共に若手がリードしながら、ベテランが逆転勝ちをするという、テニスの醍醐味のような試合でした。
テニスはやっぱり3セットですよ。
1セットじゃ勢いだけで終わっちゃいますから。
テニスファン冥利に尽きるような面白い試合を2試合も見られて、とても良かったです。
初日は1勝1敗となりました。
両国のエースが勝ちましたね。
明日はどうなるでしょう。
非常に楽しみです。


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