カンガルーカップ2004
ITF Women's Circuit $50K / Kangaroo Cup 2004

最終日 2004/5/2(日)  戻る トップへ


カンガルーカップ最終日、行ってきました。
今日は、昨日までの暑さが嘘のような天気でした。
空はどんより曇ってるし、気温も低そうで寒いぐらいでした。
でも、この2日間で日焼けしすぎな感じなので、ちょうど良かったかも(笑)
今日は観客も昨日までと比較にならないぐらい多く、選手もモチベーションが上がった事でしょう。
有明などと同じですが、中高生らしき集団がたくさんいたし、テニスやってると思われるおばさま達もたくさん来てました。
普段は観戦しないせいか、なかなか席に着かなかったり、という事は有りましたが。
一番びっくりしたのはラリー中に子供が最前列を走ってたことです。
バタバタとかなり足音がしていて選手もびっくりしてたと思うし、最前列で見てた俺もかなり驚きましたよ、あれは。
外に出ようとしたみたいですが、結局、デュースが長々と続いたゲームだったので、走った甲斐も無く15分ぐらい待たされてました(笑)
前置きが長くなりましたが試合に行きます。

◆Ana IVANOVIC def. Mi-ra JEON 6-4 2-6 7-5
いやいや、これが凄い試合でした。
15年ぐらい生観戦してますが、もしかしたら10本の指に入るぐらいかも。
1STセットはシーソーゲームの末に1ブレイク差でイバノヴィッチでしたが、このセットも結構もつれてました。
ミラジョン4−3でミラジョンのサーブというシーンも有りましたが、ここを落として結局イバノヴィッチが先取しました。
昨日も書いたかもしれませんが、イバノヴィッチは東欧系の割にミスが少ないんですよね。
ミラジョンは元々ミスショットが少ない選手なので、これが良い試合になった原因かも。
そのミラジョンですが、今日初めて思いましたが彼女って、ボールを打たれるコースの読みが凄く良いですね。
イバノヴィッチがかなり良いショットを打ってるにも関らず、あまり走ってる印象が無いんです。
もちろん、物凄い鋭角なショットの場合はやっと追い付く感じなのですが、何かいつのまにか打球地点に居る感じでした。
これって凄い能力だなーと思いました。
ま、イバノヴィッチが若い選手の為か、逆を突いたりとかあまりやらなかったのかもしれませんけど。
2NDセットは、スコアは簡単ですが各ゲームともかなりもつれて、逆の展開でも全然おかしくなかったです。
お互いに拾いまくりながら、チャンスが有れば攻撃すると言った感じで、本人達もでしょうけど観客も息つく暇も無い状態でした。
このセットを小差でミラジョンが取ると、ファイナルセットはやはりもつれながらもミラジョンがゲームを重ねて5−2とリードします。
ここに至るまでもデュースゲームが多く、各ゲームともどちらが取っても全くおかしくない感じでした。
ミラジョンの打つボールですが、弾道が低いんですよね。
これがファイナルセット序盤に活きてきたように思います。
低く早い弾道のボールで左右に振られる為、イバノヴィッチはかなりヒザを曲げて返球しなければなりません。
これって、かなり疲れると思います。
その為か、ファイナルセットに入るとボールを持ち上げきれずにネットする場面が増えてきました。
でも、ゲームって分からないものですね。
5−2でマッチポイントも有ったミラジョンですが、これを取りきれずに徐々に追い付かれます。
イバノヴィッチは、ネットミスを恐れてか普通のラリー時はスピン気味のボールに切り替えて返球して、チャンス時のみ低い弾道のショットで勝負してきたようです。
ミラジョンはゲームが取れなくなってきましたが、彼女の調子が落ちた感じは全くしませんでした。
落ちたどころか、より際どいところに配球して、これがかなり成功してたと思います。
でも、イバノヴィッチも諦めずに何とか返球します。
途中、何度か切れそうになりましたが、ここを何とかこらえたところが良かったんでしょう。
イバノヴィッチ6−5リードでのミラジョンのサービスでは、イバノヴィッチの勝負をかけたようなショットがオンライン気味に数本決まり、5ゲーム連取の大逆転で試合を決めました。
いやー、凄い試合でした。
ミラジョンが勝ったと誰もが思ったでしょうけどねー。
途中、イバノヴィッチのお母さんと思われる方を見ましたけど、見てられないといった感じでしたが、でも見なくちゃいけない、そんな葛藤が見て取れました。
本人よりも、見てる家族やコーチの方が絶対心臓に悪いですよ、こういう試合は(笑)
決勝って凡戦も結構有ると思いますが、今回はこの試合だけでも金が取れそうな感じでした。
(タダだけどね(笑))

◇写真を整理していて思ったんですが、アナの綺麗なフォームで打ってる写真が思いのほか少ないのです。
 今までの試合だと(福岡も含めて)、選び放題って感じだったんですけどね。
 逆にミラジョンの方は綺麗なフォームで打ってる写真がたくさん有りました。
 こんなところにもアナの苦戦ぶりが伺いしれます。

◇そして表彰式です。
 ミラジョンはかなり悔しいらしく泣きどおしでした。
 それも無理もない負け方ですけどね。
 逆にアナは晴れ晴れした顔してますね。
 勝者と敗者のコントラストがとても印象的な表彰式でした。



◆Yoon jeong CHO/Mi-ra JEON def. Chia-jung CHUANG/Wynne PRAKUSYA 7-6(4) 6-2
試合前は、どう考えてもウィーネ&チャンの方が有利だと思ったんですけどね。
やはり試合はやってみないと分かりません。
昨日は調子良かったチャンの調子が今ひとつだったせいも有るかもしれません。
ウィーネちゃんもボレーミスが結構有りました。
ま、これは相手の配球が良いせいも有ってお互いにですが。
今日は、両ペア共にポーチでのポイントが思ったよりも少なかったですね。
これは後衛の配球が良いせいでしょうね。
お互いに鋭角なショット(アングルショットでは無い)とロブを交えて前衛に触らせないのが上手かったです。
試合の流れ的には、波が行ったり来たりした1STセットは小差で韓国ペアが取って、そのうちに徐々にチャンのボールが捕まる場面が増えてきたようでした。
ポイント的には競ってましたが、小差でミラジョン/チョーが取る感じで徐々にリードを広げていきました。
最後のゲームでは、韓国ペアのストロークウィナーが連続して決まり、試合を決めました。
ミラジョンは、終わった時にホッとしたように胸を撫で下ろす仕草をしてましたが、シングルスと同じ5−2だったからかもしれませんね。
これで負けたら、また同じ展開ですからね。
それだけは絶対に嫌だったでしょう。
この試合もシングルスに負けず劣らず、観客を引き付けた試合でした。
俺の後ろにテニスやってると思われるおばさま方が座ってたんですが、「凄ーい!」とか「カッコイイ!」とか連発してました(笑)
「今のやつ、明日やりたいね」とかも言ってましたねー。
特にウィーネちゃんのフォアハンドに惹かれたようでした。
確かにあのフォアハンドは、ますます磨きがかかってきたようです。
ミラジョン&チョーはダブルスかなり上手いですね。
優勝者に相応しいプレイだったと思いました。

◇確か、ますます寒くなってきてたような覚えが有ります。
 なので、ウォームアップ中は4人とも上を重ねて着てました。
 ミラジョンとチョーのウェアですが、これって上下互い違いに着てると思いません?
 実際のところはどうなんだろう?(笑)
 それから、ウィーネちゃんのフォアハンド!!
 あんなにジャンプして、なおかつ顔と同じ高さですよ!
 凄すぎ!

◇そして表彰式です。
 カンガルーは勝っても負けても貰えるようです。
 下の写真は別々に撮ったものですが、まさしくこんなシチュエーションでしたよ。
 ウィナーズスピーチを聞く敗者ペアって感じで。


今日はこんな感じでしょうか。
そう言えば、昨日まではフェド監督の小浦さんも来てました。
小浦さんがジュニアの選手をコーチしてるところを見たんですが、言ってる事がみんな凄く納得できるというか、流石と思わせました。
ちょっとしたポジションの違いや、フットワークなどにもかなり注文を付けていて、その理由も明確に説明していました。
いや、さすが1国の監督だけ有るなー、と失礼ながら思いました。
それから、あとで思い出したことですが、決勝戦直前(準決勝だったかも)のアナ、コートの外で次の自分の試合の為に待ってた時のことです。
近くに赤ちゃんを抱いたお母さん(夫婦連れだった)が居たのですが、試合前だってのに赤ちゃんの方を見てニコニコと微笑んでました。
何となく彼女のキャラが分かるヒトコマでした。
今回、3日間の観戦でしたが、かなり楽しかったです。
バスをほとんど使わなかったから、疲れもしましたけどね(笑)
来年は行けるか分かりませんが、チャンスが有ればまた行きたいと思わせた大会でした。


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