東レ パン・パシフィック・オープン
Toray Pan Pacific Open Tennis
本戦4日目 1992/1/31(金) vol.1
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いよいよ92年の東レです。
今のところ、90年代では写真を撮った最後の大会です。
見つからないだけかもしれないけど。
この年以降も93年、94年辺りまでは東レ、ニチレイと見に行ってたはずです。
93年はSFでマルチナがシュテフィに勝って、決勝はヤナを破ったラリサに完勝して優勝しました。
たぶん、この年だと思いますが、ダブルスで元パートナーのヘレナとヤナが対戦した試合はよく覚えてます。
この二人は物凄い強いペアで、GSも何大会も優勝してたと思いますが、些細な食い違いから大喧嘩!
確か、このペアが強いのは私のおかげってヘレナが言ったとか言わないとかだったような?
それを聞いてヤナが激怒して、以降はペアを組んでないと思います。
ヘレナはそんなこと言ってないと言ってたようでしたが、覆水盆に返らずって感じだったはず。
で、この大会ではその二人が対戦!
試合はフルセットの熱戦でしたが、よーく覚えてるのはヤナがヘレナの太ももに強烈なスマッシュ!
凄い音がしてました。
しかも普通は謝ると思いますが、そういう素振りもなし。
いやー、女の戦いって感じで怖かった・・・。
ドローを見ると、ヘレナの相方はマルチナ、ヤナの相方はラリサでした。
しかし、誰がパートナーだったかは全く忘れてました(笑)
あの事件(?)が強烈だったもので・・・。
94年も見に行ったような気がしますね。
マルチナ引退後の95年以降は生観戦はしなかったけど、テレビ観戦はしてました。
伊達ックの優勝(96年?)もテレビ観戦だったかな?
次に東レを見に行ったのは、確か2001年です。
この大会で覚えてるのは、ダブルスSFのリサ/レネvsドキちゃん/イローダです。
ドキ/イローダのストロークが絶好調で、凄いショットの連発でした。
リサとレネはネットプレイで対抗しますが、とても返球出来ないようなショットが来ます。
そんな感じで1STセットは1−6で落します。
2NDセット、ファイナルセットもともにリードされますが、何とか追いつきます。
どちらも2−5まで追い込まれたんじゃなかったっけ?
そこから5ゲーム連取して、1−6、7−5、7−5で決勝に進み、そのまま優勝しました。
レネのバックハンドのダウンザラインが綺麗でよく覚えてます。
この大会は残念ながら写真は撮ってません。
長くなりましたが、試合に行きます。
◆Martina Navratilova (USA) [2] def. Laura Gildemeister (PER) [8] 6-4 6-3
この対戦は去年に続いてですね。
その時は6−2、7−6(5)でマルチナが勝ってます。
前回はSFでしたが今回はQF。
そして1ブレイク差(たぶん)ながら、同じストレートでの決着でした。
こういう時って選手はどうなんでしょう?
これはローラママのことですけど。
去年対戦したことは覚えてるでしょう、きっと。
負けてるので余計記憶に残ってるでしょうね。
世界最速と言われてる東レのサーフェスですが、マルチナに対してサーブ&ボレーをする気にはならないでしょう。
たまにやるかもしれませんが、あくまで試合のアクセントでしょうね。
自分のプレイスタイルじゃないってことも有るし。
ってことは、自分がパスを打つパターンになるはずです。
マルチナはパワーヒッターのように言われますが、俺はあまりそういう感じは受けないんですよね。
もちろん、当時としては早いサーブを打ってたと思うし、時には強打もしたでしょう。
でも、どちらかというと、ネットでの予測や反応が優れてたと思います。
読みが外れて逆をつかれてるのにラケットが届いたり、打点が後ろになりながらも返球したりということが多かったです。
つまり、ネットでのバランスが良いということだと思います。
これは相手からしたら、凄いプレッシャーでしょう。
打つところがなくなっちゃうんじゃないでしょうか?
その結果、狙いすぎてミスが増えてくパターンが多いのかも。
つまり、何が言いたいのかというと、選手たちって勝てそうにない相手に対してどう対応してるんだろう?ってことです。
同じ対戦が多かったとしても、勝ったり負けたりだったら、次はこうしようとかあーしようとか色々アイデアが出てくると思うんですよ。
でも、1回も勝ってなくて、なおかつ勝てるチャンスも無い相手にどう戦うのか?
(マルチナvsローラがそうだと言ってるんじゃありません。)
これって世界ランク1位や2位以外の選手はだいたいそうじゃないですか?
しかし、たとえそうだとしても、翌週には次のトーナメントが控えてます。
あれこれ悩んでるヒマなど無いと思います。
そうやって考えると、ホントに厳しい世界ですね。
まー、負けてる側からすると、チャレンジする気持ちなのかもしれないですね。
対戦ごとに「次はこうしよう」ってことじゃなくても、1試合の中でも色々試せますからね。
逆にやりやすいのかも。
そういう相手よりも、自分よりも下位の選手や勝敗が拮抗してる選手のほうがやりにくいのかな。
何か色々と余計なことを考えてしまいました(笑)
◆Magdalena Maleeva (BUL) def. Helena Sukova (CZE) [5] 6-2 6-4
これは面白そうな対戦ですね。
マギーは当時から、エースやウィナーは多いけどミスが多いってプレイヤーは得意としてたと思います。
ヘレナは、まさしくそういう感じでしたから。
マギーはやはりカウンターが上手いんでしょうかね。
彼女の試合ってかなり見てるような気もするんですが、実は(たぶん)そんなに回数は見てないと思います。
テレビで見たのも数回しか記憶に無いし。
なので、言われているほどカウンターが上手い選手ってイメージは有りません。
というか、相手の調子を崩すのが上手いってイメージでしょうか。
マルチナとUSオープンの早いラウンドでやった試合が印象に残ってるせいでしょうけど。
これは調べてみたら92年でした。
この試合はWOWOWで放送してました。
この時はマルチナの調子が何となく悪いような印象でしたね。
生観戦した去年(2004年)のQFも愛ちゃんの体調が悪かったし。
でも、そこできっちり勝つのは強くなければ出来ないでしょうね。
マギーと言えばインドアって印象ですが、彼女が2002年のモスクワで優勝した試合は見てません。
2003年からはGAORAを契約して2月のパリからは見ることが出来ました。
GAORAで放送する前は、HNKのBSで準決勝と決勝を放送していましたよね。
これは見てたんですよ。
2000年か2001年ぐらいまでは放送してたでしょうか。
この間の空白期間を見てません。
もちろん、GSはWOWOWとHNK−BSで放送してたので見てますけどね。
モスクワのマギー最大の活躍とも言える試合は見たかったなー。
スコアを見ると凄い面子に勝って優勝してます。
1R:SMASHNOVA, ANNA (ISR) 18位 6-1 6-2
2R:(1) WILLIAMS, VENUS (USA) 2位 2-6 6-1 7-6(3)
QF:DECHY, NATHALIE (FRA) 24位 6-4 6-2
SF:(5) MAURESMO, AMELIE (FRA) 7位 7-5 6-4
F : (3/S) DAVENPORT, LINDSAY (USA) 8位 5-7 6-3 7-6(4)
3人のTOP10に勝ってますね。
特に当時絶好調だったヴィーナスに勝ってるのが凄いです。
彼女は時々、ビッグネームに勝ちますよね。
ということは、やはりカウンターが上手いのか?
去年は引退の噂も有った彼女ですが、今年(2005年)もプレイしてくれてます。
年齢的には愛ちゃんと同じぐらいなのかな?
だとしたら、まだまだ出来ますよ。
まー、ツアー生活は一般人が考える以上に大変でしょうから、本人が決めたのなら仕方有りませんけど。
自分から打ってく選手が多くなった今、彼女のようなタイプは貴重です。
強打同士の場合、試合前から有る程度展開が読める場合が多いです。
これは勝敗ということではなく、試合の展開という意味です。
ですが、マギーやチャンダや愛ちゃんなどの場合、展開が読めません。
試合結果も完敗するかもしれないし、完勝するかもしれないし、フルセット勝ちかもしれません。
これからこういう感じの選手は出てくるんだろうか?
男女共に何となく画一的になってきてる感じがします。
これはテニスが進化してるせいでしょうね。
昔は短所も有ったけど長所が並外れて優れてる選手が強かったと思います。
今は短所が有っては勝てないって感じがします。
相変わらず試合に関係ない話になってますね(笑)
対するヘレナも印象深い選手ですね。
当時のトップ選手がここまで怖い選手もいなかったように思います。
彼女自身がトッププレイヤーですが、ここで言うトップとはGS優勝やランキング1位を狙う選手のことです。
彼女は、当たりだしたら止まらない、またはミスを恐れずガンガン行くというイメージが強いです。
覚えてるのは、シュテフィと対戦した90年のオーストラリアン・オープンですね。
スコアを調べてみると、この時はSFでの対戦で3−6、6−3、4−6での敗戦でした。
内容は、とにかくヘレナの無謀とも思える攻めが印象に残ってます。
彼女は、強力なサーブで相手を崩し、ボレーで決めるというのがポイントパターンですよね。
でも、この時はあまりネットプレイをしなかったような?
バックハンドは片手なのでスライスが多かったですが、何でもフォアに回り込む感じでのハードヒットだったと思います。
当時の選手で、ここまで攻め一辺倒な選手もいなかったように思いますね。
この時の放送は日テレでやってたと思いますが、解説の神和住さんも何度ももったいないって言ってました。
確かに、もうちょっと攻めと守りのメリハリが良ければ、ヘレナが勝ってたと思える内容でした。
ちょっと話が逸れますが、この時のテレビカメラの角度が物凄い上から撮ってる感じで見ずらかったったなー。
あんまり上からだとボールの高低が分からないし、スピード感も分かりにくいです。
RLAやMCAが出来た最近は改善されましたけどね。
それから、その前年(89年)の有明で行われたフェデレーションカップです。
(今はフェドカップと名前が変わりました。)
何度も書いてますが、非常に豪華な大会でした。
はっきり言って、GSを日本でやったといってもいいような顔ぶれでしたから。
今のフォーマットになる前のフェドカップは、1箇所に集まって1週間のトーナメントでした。
ドローは32だったかな?
16じゃなかったと思う。
つまり、32ヶ国の選手が日本に集まって、1週間のトーナメントが始まるという感じです。
ひとつの対戦はシングルスが2つ、ダブルス1つで勝敗が決まります。
試合順はシングルス2、シングルス1、ダブルスの順だったと思います。
ヘレナの試合で印象に残ってるのは、やはりシュテフィと対戦した試合ですね。
ヘレナ率いるチェコスロバキア(当時)と、シュテフィ率いる西ドイツ(こちらも当時)の対戦はQFだったかな。
この対戦が有明の1番コートで行われました。
センターと違って、あの観客席が非常に近いコートですよ!
第一試合は、チェコはヤナ、西ドイツはクラウディア(コーデ・キルシュ)の対戦でした。
これもかなり豪華な対戦ですよね。
この時は違うかもしれませんが、二人ともTOP10に入った選手だし。
少なくともクラウディアは20位前後だったかな、確か。
ヤナはまだまだ頭角を現してくる前だったかも。
この試合はヤナが6−3、6−3のストレートで勝ちます。
ヘレナにしてみれば、この段階で既に勝ったも同然だったでしょう。
そして、第2試合のヘレナとシュテフィの対戦に移ります。
これも間近で見ましたが、物凄いショットの応酬に唖然といった感じでした。
これは今でもですが、男子選手だとここまでフラット系のショットで強打するとアウトしてしまうと思います。
それにコートカバーなんかは男子のほうが優れてるので、ただ早いショットだけでは逆襲されてしまうでしょう。
しかし、女子の場合は先に攻めた勝ちみたいなところも有るので、オープンコートに先に強打を放つ展開が多いです。
なので、ラリーの応酬だけを見れば、女子のが凄いんじゃないか?って思うことも多いです。
この試合がまさしくそんな印象でした。
特にヘレナがミスを恐れずガンガン行きます。
声も出ないとはこのことって感じで、打てようが打てまいが何でも強打!って感じだったと思います。
いや、実際はそこまでじゃなかったかもしれませんが、とにかくそういう印象が強かったです。
ヘレナにすれば、負けても失うものがない試合だったと思うしね。
凄い打ち合いでしたが、ここがシュテフィが貫禄を見せて6−2、6−1で勝ちます。
そして、1勝1敗でダブルスに勝負が掛かります。
チェコがヘレナ/ヤナの強力ペア、西ドイツはシュテフィ/クラウディアのこれまた強力ペアでした。
これが色んな意味で面白い試合でした。
まず、当時のヘレナとヤナのペアは凄く強かった印象が有ります。
記録を調べてみると、この年はWBでロリ/ジジ、マルチナ/パム、ラリサ/ナターシャを連破して優勝してますね。
彼女達は二人共ネットプレイヤーなので、シングルスと違う戦い方をする必要が無かったのも大きいでしょう。
もちろん、シングルスと全く同じでは無いと思いますけど。
西ドイツペアは、いつも組んでるってわけではなかったと思います。
クラウディアのほうが先輩で、ダブルスでは良い成績を残してたはずです。
記録を見ると、85年のUSオープンはマルチナ/パムの黄金ペアに決勝で勝って優勝。
87年のWBでも優勝。
それ以外のGSでも何回も決勝や準決勝に進出してますね。
彼女はハナ(マンドリコワ)や同じ国のバンジなどと結構組んでますが、ヘレナと組んだときが一番成績が良いです。
GS優勝もこの二人で勝ったものですから。
シュテフィもガビーと組んで88年のWBを取ったりしてますけどね。
俺が印象に残ってるのは、とにかくシュテフィが味方のクラウディアにプレッシャーをかけまくり!
というか、クラウディアが萎縮してボールを見送るシーンですね。
なので、ますますシュテフィがひとりで何でもやろうとして、ドツボにハマってくパターンですね。
これ書きながら、同じようなパターンを自分でも経験してるなーなんて思い出しました。
(厳密にはちょっと違いますが。)
俺の場合って好不調の波が激しいので、不調の時はミスばっかりになる時が有ります。
あまり深く考えずに感覚でテニスやってるからでしょうね。
これは変えたいと思ってるけどなかなか・・・。
(注:2005年の今はあまりミスを気にしなくなってるので、逆にミスることが減ってるみたい。)
まー、それは置いといて。
ミスばっかりになると、やっぱりペアに気を使うじゃないですか。
それで、取れるボールなのに任せたり、アウトになって欲しいと願ってのジャッジをしがちです。
ミックスダブルスは別ですが、同姓同士、特に男子ダブルスで味方に気を使いすぎるのはよくないです。
ミスしても良いんですよね。
一生懸命やっての結果で有ればね。
それから、試合中はペアの悪いところは指摘せずに気分を盛り上げ、終わってから反省会をやれば良いんです。
これを理解するまでペアと衝突も有ったし(無言のプレッシャーとか)、試合が楽しくない時期も有りましたね。
またまた脱線してますが、とにかく、この試合の特に後半は西ドイツペアが監督もどうしようもない状態に陥ってました。
相手が超強力ペアのヘレナ/ヤナなので、これでは話になりません。
この試合は6−2、6−2でヘレナ/ヤナが勝って、チェコスロバキアが次のラウンドに歩を進めました。
でも、記録を見ると、クラウディアとシュテフィって結構組んでます。
成績も結構良いのに、何であーなってしまったんでしょう?
今となっては謎です・・・。
何を書いてるのか分からなくなってきましたが(笑)、この大会は印象深い大会でした。
ヘレナはその後も要所で良い成績を残してましたが、90年代中盤以降は少しづつランキングを落としていきました。
記録を見ると、彼女は98年のWBでの引退でした。
80年代の始めのほうからプレイしているので、かなり長い現役生活です。
後半はダブルスの印象が強いですね。
彼女は色んな選手と組んでますが、強い選手が多いですねー。
初期のハナ、クラウディア、ヤナを始めとして、その後はアランチャ、ロリ、マルティナ(ヒンギス)、ラリサとかと組んでます。
固定ペアでは無いですが、メアリージョー、ナターシャ、パム、マルチナ、レネ、リズ、ジジ、マニュエラなどとも。
マニュエラはシングルスプレイヤーだと思いますが、他のペアは強そうですよねー。
最後の花道はヒンギスと組んだWB優勝でしょうか。
ヒンギスのGS優勝は、これが最初だったはずです。
年齢もプレイスタイルも正反対な二人ですが、それが逆に噛み合ったんでしょう。
WB以外でもかなり組んでますね。
そして、98年のアランチャと組んで第3シードで望んだWBのQFで、この後、大きく頭角を現してくるリサ/レネにフルセットで敗れてラケットを置きました。
彼女は、選手人生の中盤までは単複で活躍し、後半はダブルスで活躍するという、俺が考える選手人生の一番良いパターンを実践してます。
シングルスだけで終わるより、このほうが絶対良いと思うんですよね。
まー、人それぞれだし、プレイスタイルにもよりますけど。
記録を見ていて驚いたのは、大喧嘩して別れたヤナと95年以降に数回組んでることです。
1回はオリンピックだからってのも有りそうですが、もう1回は普通の大会です。
二人とも大人になったってのも有るし、時が解決したのかな?
あのまま喧嘩別れして終わったんじゃなくて、ちょっと安心しました(笑)
だって、あの時は結構ニュースになってましたからね。
あんなに強いペアなのに別れるのは理解不能って他の選手からは言われてたはずです。
そんなわけで(?)試合とは全く関係なくなってますが(笑)、マギーがヘレナを退けてSFに進みました。
◇vol.2へ続きます。
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